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「星を継ぐもの」(ジェイムズ・P・ホーガン)

  • 書籍名:「星を継ぐもの」(「Inherit The Stars」)

  • 著者:ジェイムズ・P・ホーガン (James Patrick Hogan)

  • ネコデコ価格:200円

  • 棚主ID:2350

書籍に挟んだ解説文

月面で宇宙服を着た身元不明の遺体が発見された。問題は、死亡時期が5万年以上前だったこと。人類がまだ地球上を絶滅寸前で這いずり回っていた時代だ。

遺留品などを解析した結果、人類の起源へと迫る事実が次々と明らかになっていく。そして、新たな謎も。

「ガニメデの優しい巨人」など一連の物語へと続く、名作SFシリーズの第1作。

工学的バックグラウンドに裏打ちされた、壮大なSF人類史

月面で人類の技術を超越した謎の物体が発見される、という導入は「2001年宇宙の旅」(アーサー・C・クラーク)と同様のスタイル。その後の展開は、「2001……」より人間臭く、サスペンス的に進んでいく。

作者はどちらも工学のバックグラウンドを持っているので、SF風未来技術の取り入れ方は納得できるし、違和感なく物語の世界に浸れる。「星を……」で大活用される「トライマグニスコープ」なんて、実際にMITで研究されてるもんね。

地球に暮らす生物のなかで、なぜ人間はこうも特殊で脆弱なのに残酷なのだろう。その理由を、「星を……」シリーズはSF小説的に解明していく。もちろん事実でないが、そんな過去があったかもしれないと思えるのが読書の楽しさだ。

余談

「星を継ぐもの」は、タイトルだけでそそられてしまう。個人的に、SF小説のこうしたタイトルがとっても好き。

特に痺れるのは、「夏への扉」を書いたロバート・A・ハインラインの「月は無慈悲な夜の女王」(The Moon Is a Harsh Mistress)。Kindle版で読んだもので、ネコデコ文庫で販売できないなぁ。でも、これまた名作SFなので、そのうちに紹介しよう。

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