
やっぱりおおかみ(ささき まき)
書籍名: やっぱりおおかみ
著者: 佐々木 マキ(さく・え)
ネコデコ価格:800円
棚主ID:2350
書籍にはさんだ解説文
ひとりぼっちのおおかみの子どもが主人公。
「俺に似た子はいないかな?」と、仲間を探して街をさまよいます。
次々と登場するほかの動物と違い、おおかみは黒い影で描かれている。
そのため、おおかみがどんな表情をしているのかは、わからない。
でも、そんな黒塗りのおおかみだからこそ、読者は自分を投影しやすいのかもしれません。
モーリス・センダックを思わせる色づかいが都会的で、ページに現れる街の様子も楽しいです。
追記
大人になって読むと、アイデンティティについて改めて考えてしまう内容かなぁ。でも感じ方は人それぞれ。読者に楽しみ方をゆだねてくれている本だと思います。
佐々木マキさんといえば、羊男のクリスマスなどの表紙や挿画が印象に残っていますが、ユーモアたっぷりの絵本もたくさん出版されていて、年齢を問わず味わえます。本作は、初版が1977年のロングセラーです。