桜と時間休に最適な一日
そろそろ三月も終わる。
毎年のことだけど、一年があっという間に過ぎていく。
あんなに寒かった冬はどこへ行ったのか、今日は一日、風は強いけれど、暖く、いつも着ているユニクロのライトダウンを着ていると暑いくらいだった。
出張が終わり、そのまま時間休で帰ることにする。
最寄駅の一駅前で途中下車し、家まで歩いていると橋の向こうに桜が見えた。
そうか、もう桜の時期なのか。
平日だけど、桜のまわりには、人が何人もいた。
この状況下では、あまり褒められたことではなおのかもしれないけれど、やはり、この時期はどうしても桜を見ると、その下でご飯を食べたくなってしまう。
それは、もう、日本人にしみついたサガみたいなものなのだ。
私は、その様子を少し離れたところから写真に一枚おさめた。
桜の美しさは、いつもこの時期の一瞬だけで、すぐに散ってしまう。その儚さが、日本人の気質と合致しているのだろうか。
近くのパン屋でクロワッサンを買い、無料のコーヒーを一杯飲みながら、本を読む。
穏やかな昼の時間。
ネットや新聞によると、世界には悲しい出来事や争い、諍いに溢れている。
けれど、今、この瞬間、この場所はただただ平和だった。
こんな日は、定時まで会社にいてはいけない。
少し前に、吉高由里子主演の「わたし、定時で帰ります。」というドラマがやっていた。
これからは、少し天気がいい日であれば、いや、特に理由なんてなくても、「わたし、時間休で帰ります。」という世の中になればいいと思った。