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初めて着物を買った時のこと。あの頃は何も知らなかった。
初めて自分で着物を買ったのは、社会人2年目くらい。
とにかく着物を着てみたかった。自分の着物が一枚欲しかった。
でも当時、何も知らなかったなー。
私が知っている着物といえば、成人式で着た振袖か、式典とか結婚式で出席者が着ている煌びやかなザ・キモノ。
あの頃はふだん着物があるということを知らなかった。着物は特別な日に着るものであって、ふだん着るのはずっと昔の話。今では時代ドラマの中だけだと思っていたんだもの。
そんなもんだから、初めて買ったのは付け下げ(豪華着物のライト版のようなもの)。洋服でいえば、ホテルにお食事行くときに着るきれいめワンピース~結婚式参列用ドレスまでをカバーしてくれるやつかなぁ。
その日は着物を買う予定は別になくて、
銀座をぷらぷらウィンドウショッピングしていた。
そこに某呉服屋さんがあって。
実は成人式でもレンタルでお世話になりました。
で、ちょうど着物欲しいと思ってたし、知ってる名前だし、見てみようと思って。
お店の人も優しくて、いろいろ教えてくれた。「〇〇染で~」とか言われても全然ぴんときてなかったけれど。
でもでもそんな全く知らない中でも、素敵だなと思えるものがあった。
値段はもちろんそれなりだったのだけれど、大決算!的な感じで相当安くなっていたらしい。すごく力説された。
「これを逃したら、こんなお値段でこんな良いもの買えないですよ!」
はい、セールの常套句ですね…実は今でもしょっちゅうこの手の売り文句に心を転がされている私です。人間そんなもん。
安くなっていたとはいえ、長襦袢やら草履やら合わせて買って、トータル40万くらいだったかしら…いくら社会人になっていたとはいえ、だいぶ思い切ったお買い物でした。
京都と名のつくお店だから、品質は信じてよさそう。
デザインも気に入ったし、これから結婚式に参列する機会も増えるはず。
大人になったんだから、ちょっといいとこに行くことも多いだろう。
しかし私は知らなかった。
そのお店の本社が京都ではないということに…!
本社、東京じゃないか!創業地も千葉、つまり関東!
・・・なぜ京都ってつけたあぁぁ!!
「京都」ブランドって関東人からしたら最強じゃないですか。和文化の極みなイメージあるじゃないですか。なんか京都ってついてたら本物感あるじゃないですか。
関東出身の若者のイメージなんてこんなもんですよ。
え、私だけ?
あとから気づいて、「わーだまされたー」って思いました。別に騙されてないんだけどね、そうですよ勝手に誤解してた私がばかだったんです!!
あ、決してそのお店を否定しているわけではないです。
買った着物は色もデザインもすごく気に入っていて、自分サイズに仕立てたものだから着心地よし。よく着ているんです。
この先も何十年と着つづける心づもりだし、良い買い物させてもらったなって。
ただ、名前はずるいと思うぞ…っ!
そんでもって、着物って呉服屋さんか百貨店で高いお金出して買うもの(それか無料着付け教室で売りつけられる高級粗悪品)と思ってたから、本当はリサイクルのお店とか、アンティーク着物とか、カジュアル路線の呉服屋さんとか、普段着用の木綿専門店とか、、価格も用途も、もっといろんな選択肢があることを知っていれば、もっともっと気軽に楽しめてたんだろうなー。
ということで、私もだいぶ幅広にお店を見るようになってきたので、着物に興味がある!って言ってくれた人には、いろんなタイプのお店を紹介できるようになりました。その人に合った出会いがあるといいですよね。
そして今日にいたるまで、どんな業界であっても「京都」と名のつくお店をみると、まず会社概要を調べるようになりましたとさ。ちゃんちゃん。