バスで変なやつが隣になった
銀行強盗に行こうと思ってバスに乗っていた時のこと。
隣の大学生くらいの男の子が急に苦しみ出したんだ。なんか「ぐぅ!」とか「あぁ!」とかもうだいぶヤバそうな声出してんの。
「ぐぅ⋯⋯!」
ギューって目を瞑って顔を顰めて、梅干しを通り越してもう完全に脳のシワみたいになってんのよ。目の前に脳があるって思うと怖かったね。
しかもちょうどその時ラーメン屋の前通ったみたいですんごいブタメンの匂いがしたんだよね。しかもってなんだよ。
んで、余りにも苦しそうに唸ってるから俺も「大丈夫? 降りるとこまで持ちそう?」って聞いたんだ。
そしたらそいつまた「う⋯⋯ぐ⋯⋯」って言うだけで、もしかして聞こえてないんじゃないかって思ってさ。
「大丈夫? 救急車呼ぶ? 聞こえてる?」
って聞いたんよ。
そしたらまた「う⋯⋯」って。
でも今度はなにか言いたそうにしてて。
「う⋯⋯」
「う?」
親身になって聞いてあげたんよ。
「う⋯⋯」
「なになに?」
「うんち」
「うんち?」
「うんち」
「ふざけてんのかテメー!!!」
爆発したね。おちょくってんじゃねーよってね。
「ちが⋯⋯」
「違わねーだろ! なんなんだお前!」
「お腹が⋯⋯痛いんです」
「あーね」
ちょうどそれくらいの時にバス停着いたからそいつ殴って降りたよ。
そっからは普通に銀行強盗したよ。うん。
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