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地属性ドラフト・プレイング考察(アドバンテージ編)

今回は地属性ドラフトでのプレイング考察をするにあたって、その前提知識としてアドバンテージ論について解説していきたいと思います。
尚、この攻略記事は04環境攻略本(昔コミケか何かで頒布されたやつ)の内容に強く影響を受けています。

アドバンテージ論について

遊戯王をやっているとアドバンテージという言葉をよく聞きます。これはどういう概念なのかというと、現状どちらが優勢なのかを単純計算できるようにしたものです。アドバンテージには様々な種類がありますが、遊戯王では一般的に

  • ハンドアドバンテージ

  • ボードアドバンテージ

  • ライフアドバンテージ

  • 墓地アドバンテージ

などが使われています。この中でも特に、「ボードアドバンテージ」と「ハンドアドバンテージ」を合わせて「カードアドバンテージ」と言い、単にアドバンテージと言う場合こちらを指すことがほとんどかと思います。以下、このカードアドバンテージの考え方について考察していきたいと思います。

そもそもアドバンテージとは

カードゲームの対戦において、どちらが優勢か、どれだけ得なのかを単純計算できるようにしたものです。

遊戯王では一般的に、前述のカードアドバンテージの差を比較して、どちらがどれだけ優勢かを測ります。
例えば、プレイヤーAのカードアドバンテージが3、プレイヤーBのカードアドバンテージが5だとすると、プレイヤーBはプレイヤーAに対して"2"優位だということになります。

また、カードの効果などによって自分が利益を得ることを「アドバンテージを得る」等といい、アドバンテージを失うことを「ディスアドバンテージを負う」等といいます。
自分の使用した(失った)カードの枚数と相手の失ったカードの枚数を比較して「1:1交換する」といった言い方をすることもあります。
前述の言い方に当てはめると、1:2交換することは1枚のアドバンテージを得ることになります。

このアドバンテージの差ですが、地属性ドラフトや古代遊戯王においては大体"2"離れるとかなり不利、3以上離れると致命的であると言われています。

また、両プレイヤーのカードアドバンテージの総数が少ないほどこの影響は大きくなります。
例えば、Aが5枚、Bが4枚のカードアドバンテージを持っているとすると、Aが持つこのゲームにおける支配力は5/9≒56%
Aが2枚、Bが1枚のカードアドバンテージを持っているとすると、Aが持つこのゲームにおける支配力は2/3≒67%となります。

つまり、カードアドバンテージで優位に立っているプレイヤーは1:1交換を繰り返して全体のカードの総数を減らすことが勝利へつながります。

ハンドアドバンテージについて

ハンドアドバンテージとは、文字通り手札のアドバンテージです。手札は基本的に非公開情報のため、1枚を1として数えます。つまり、手札が5枚あればハンドアドバンテージは5です。

ただし、この考え方は手札が全て有効なカードだった場合を指します。(後述するボードアドバンテージでもそうです)

例えば、プレイヤーAの手札が3枚、Bの手札が5枚だったとします。一見Bの方が優位に見えますが、もし手札のうち3枚が特に使用できる見込みのない最上級モンスターだとしたらどうでしょうか。この3枚はすぐには活用できない死に札ですから、実質的にBの手札は2枚であることと同義となります。

このように、実際の情報によって外部から見えるアドバンテージ差とは異なる場合もあります。そのため、非公開情報のアドバンテージの計算には注意が必要です。

ボードアドバンテージについて

ボードアドバンテージはハンドアドバンテージと違って公開情報がほとんどであるため、有効札と死に札の考え方が重要になります。また、このボードアドバンテージの項においては簡単のためにS・X・L召喚の存在は一旦除外して考えることとします。

ボードアドバンテージもハンドアドバンテージと同様基本的にはカードの枚数をそのままアドバンテージとして考えます。しかしここで重要なのは、どのラインを死に札と考えるかです。

例えば、《スケープ・ゴート》を使用して1枚の消費で4体のモンスターが出たから1:4交換だと考える人はあまりいないと思います。(前述の通りL召喚がない前提でです)
この時、羊トークンを無意識のうちに無価値のモンスターとして扱っているわけですが、この"無価値のモンスター"とはどういったモンスターを指すのでしょうか。

これは環境によっても非常に大きく左右されるため一概には言えないのですが、地属性ドラフトのような戦闘破壊がメインのビートダウン環境の場合、モンスターの一番の役割は戦闘でモンスターを破壊することです。ようするに、戦闘破壊を期待できるモンスター、ターンを跨いで生き残る可能性の高いモンスターを"価値のあるモンスター"として定義することとします。

つまり、アタッカーとしての役割を期待できず、相手のターンにはすぐに戦闘破壊されてしまうような低ステータスのモンスターは始めからフィールドに存在しないものとして扱います。

このステータスのラインも環境によって上下します。地属性ドラフトでは、1800以上が下級モンスターの上位40%というデータがあるため、このラインをアタッカーとして期待できるラインとして考えることとします。

よくガジェットを召喚するだけで1アドバンテージを得るモンスターだと考える人がいますが、これは厳密には誤りです。ガジェットは単体では戦闘破壊を期待できないモンスターですから、フィールド上では無価値です。昔あった【除去ガジェット】というデッキは、このガジェットの欠点を豊富な除去カードで補ったデッキでした。このガジェットの戦闘ダメージをライフで受けきれなくなって痺れを切らして除去カードを使われた時に初めてアドバンテージを得たと考えられます。

試しに除去カードのないガジェットデッキを組んでみるとわかりますが、ただいたずらにこちらのモンスターが戦闘破壊されるだけでなにもできない驚くほど弱いデッキになると思います。

また、地属性ドラフトでは存在しませんが、《魔導戦士ブレイカー》なども、効果を使用すべきかよく考える必要があるでしょう。
《魔導戦士ブレイカー》は一見タダで魔法罠カードを破壊しているように見えますが、前述の通り攻撃力1600と1900には大きな差があります。
魔法カウンターを取り除いてしまった後の《魔導戦士ブレイカー》は"無価値"のモンスターになってしまうため、効果を使用するかは慎重に考える必要があります。

S・X・L召喚について

ボードアドバンテージの項で長々と語ってきましたが、ここでS・X・L召喚が加わると話が大きく変わることとなります。

先程1800未満のモンスターは"無価値"であるとしましたが、S・X・L召喚に使用することで強力なモンスターに変換することができるためです。
この場合、モンスターの価値は環境によって大きく左右することになります。

地属性ドラフトの場合は、S・X・L召喚があまり強力ではなく、かつ返しのカードが多く採用されていて除去されるリスクが高いため、基本的には弱い行動だとされています。
そのため、S・X・L召喚を行う際は、前述の"無価値"なモンスターを積極的に利用する方が良いとされています。

言葉にすると少し複雑ですが、実は皆さんも感覚的にはわかっている話だと思います。
例えば、《希望皇ホープ》をX召喚する際に、《ジェネティック・ワーウルフ》2体でX召喚する方法と、《レッド・ガジェット》と《ブリキンギョ》でX召喚する方法、なんとなく後者の方がお得に感じると思います。

アタッカーラインを超えている"価値のある"下級モンスターをS・X・L召喚に使用することはボードアドバンテージ的には損であること、かつ大きなリスクがあることに注意しましょう。

例外として、《ギアギガントX》や《御影志士》のような後続を確保できるモンスターは、S・X・L召喚の損失を即座に取り戻すことができるため、非常に強力です。積極的に狙っていきましょう。

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