そしてぼくは勇者になった。『ドラクエ3リメイク』
16才になれば、ぼくは勇者になれると
信じていた。
勇者は16才だからだ。
だから16才までにたくさんマモノを倒せるように
ならなきゃいけないと心に誓った。
たくさんたくさん、アリアハンを旅して
上の大地を渡り歩いて
体の中にたくさんの経験値がたまっていて
ほとんど目を閉じていても
脳内GPSは狂うこともなく
正確に機能していてマモノの分布図も
武器屋の売り物もモンスターのドロップ品も
DNAとして刻まれている。
ドラクエⅢがリメイクされると聞いた時、
対して驚かなかった。現在進行形で遊んでいたからかな。またか•••。ということが正直な気持ちだった。16才という年月はあっけなく通りすぎて、勇者になることよりもバイクに目覚めて、遠くに行くことに憧れた。
どこに行こうか?と聞かれてても
どこでも行こう!という気持ちの方が強くて
とにかく乗りまくっていた16才。
バイクは早くてどこにでも
連れて行ってくれた。
現実の世界でルーラが唱えられた瞬間だった。
今は16才を2倍してもまだ余りが出るお年頃になってしまい、16才の頃が遠い記憶になりつつあるけれど、16才の勇者は今でも輝き続けている。
ソロ活で冒険するのが楽しくて
どのコンシューマーでもソロで冒険。
バイクもソロツーリングが好きで
いつでもどこでも好きに走って休んでかっ飛んでいった。
ドラゴンクエストⅢリメイクでも
もちソロ活。
途中で難儀した場面もあったけど
ようやく世界にひかりを取り戻した。
ゲームの中から「勇者コケ」と
呼んでくれるのはドラクエの魅力。
ドラクエの世界を冒険するたびに、
セーブをしに王様に報告するたびに
ぼくは勇者でコケで
勇者コケになれる。
そして16才のコケは
また世界に光を取り戻す旅にでて
王様に勇者にしていただく。
リメイク作品としてはスターオーシャン2セカンドの方が素晴らしかったけれど、とても遊びやすかった。手触り感はスーファミ版がよくてどちらかというと、ゴワゴワしてる。
マップもキレイになったりグラフィックも大幅に改善されたパートもあるけれど、見にくい箇所も多かった。階段がわからなかったり。イベントが長く感じたり。
それでもぼくの脳内GPSがぜんぶ手伝ってくれて
ほぼまちがうことなくここまで到達。
まぁ、やり切ったからいいかな。
世界を救ったあと
コケはどこかにいってしまう。
ぼくはすっかり勇者になることを
忘れてしまうこともあるけれど
このエンディングのファンファーレが
ぼくを導いてくれる。
そして、ぼくは勇者になった。
コケでした〜。