執事の館に帰宅したお話
先日、執事の館に初めて帰宅してきたので、その時のことを備忘録的に。
最初に誤解なきよう申し上げておきますと、大変に大変に素晴らしい場所で、お値段部分が許すのであれば、至高の贅沢と極上の時間が味わえる場所であった、ということで、褒め称えるための文章ですw
執事の館準備委員会を最初に認識したのは立ち上げ間もない頃で、ツイッターで松原さんが呟き始めたほぼ最初からの時期でした。
そこからお手紙(メール)の配信、申し付けのお品が始まり、仮住まいが出来上がり、という歴史を一通り見ていながらも、なかなか仕事の都合などもあり帰宅の機会に恵まれず時が過ぎていきました。
あまりこの場所を存じ上げない方には、名前だけで怪しげなお店かと敬遠されがちだと思うのですが、そういう場所では決してありません。
最初からコンセプトは一切ブレることなく、ただひたすら、お嬢様、旦那様(お客様のことですね)にお仕えする執事、という立ち位置で、萌えとかイケメン揃いとかそういうものではなく、「お屋敷に住んでいたお嬢様、旦那様をお迎えするために執事とばあやが待っている家」というのが一番しっくりくるかと。
ですので、私たちがお店に行く、のではなく「自宅に帰る」ことになっています。
お店に着けば「お帰りなさいませ」。
時間が近づけば「おでかけの時間が迫ってまいりました」。
帰るときは「いってらっしゃいませ」。
内装へのこだわり、食器へのこだわり、食材へのこだわり、立ち居振る舞いから作法、会話、経営方針に至るまで微に入り細に入り、世界観を一切崩さないそのあり様は某国と海のホスピタリティを感じさせる徹底ぶりです。
しかも家に帰る、というコンセプトのため、住所も外装も一切公開していないという徹底ぶりで、館内へのカメラや携帯の持ち込みも不可。
そういうわけで、メニューもございません。お好きなものを、お好きなだけ、といういわゆるビュッフェスタイル。もちろん全てサーブされます。今時ありますかねここまで徹底した世界観を作れるところ。もうそれだけで感動なんですけど。
さて、長い前置きはさておいて、そんな憧れの場所でのティータイム、今回は従姉妹の懐妊祝いを兼ねておりました。
幸いなことにほぼ悪阻もないとのことで、こちらは一安心(おかげで全然痩せない上に自覚もないって従姉妹は崩れ落ちていたけど)。
少し早く着き過ぎてしまったため周囲を散策していたら、携帯に着信が。時間前でしたが、道に迷っていないか心配してお電話をいただきました。神か!
お電話していただいた場所が本当にすぐ側だったのですぐに合流。実はよく行くお店のすぐ側だったので、迷いようもなかったのでしたw
お出迎えいただいたのは剣さんでした。うわ、すごい何だろう、ビシッとスーツが決まっていてもうすごい、すでにテンションが上がります(語彙力をいきなり喪失)。
細かいことをお伝えしたのち、中へ。それにしても凄いです。シャンデリアにアンティーク家具、見事なばあやによる生け花。そして案内頂いたのは猫洞さんとばあやの白壁さん。
もう、なんでしょうね。全てが別世界ですよ。置いてある小物まで可愛いんですよ。テーブルナプキンすらも可愛いんですよ。何から何まで語彙力を失うしかない。
お料理の説明は、最初にワゴンが2台やってきてざっと説明をしていただけます。もうそれすら豪華で語彙力以下略。あんな豪華なワゴン見たら、そりゃテンションも上がります。今回は、一度でいいから食べてみたかったデザートもたっぷりあって、目移りして仕方ありませんでした。
名前はティータイムと銘打たれてはいますが、がっつりお料理もありますので90分では足りなく感じるくらいのボリュームです。
そして何より今回私が感動したのがドリンク類です。
4月・5月限定のドリンクがとても楽しみだったのですが、「飲む香水」シリーズの新作、紫式部をホットでいただいたのですが。
うっすらと上品な紫色に染まるお茶、そして甘く妖艶な香りと、見た目もなにもかもが今までみたことがないものでした。恐る恐る口につけて、さらにびっくり。え、なにこれ美味しい。え、どうしよう美味しい。ラベンダーの蜂蜜漬けのお茶というだけでも味の予想がつかないのに、とにかく美味しい。
いっぱい種類を飲むつもりだったのに、おかわりはご入用ですか?の猫洞さんの言葉に即答で「いただきます!!」と叫ぶくらいには美味しかったんです。飲み物でこんなにテンション上がったこととか、本気でないかもしれない。
そしてもう一つ、シャルドネティー。流石に3杯目はアレすぎたので、同じく限定のお品を頂いたのですが、これも凄い。
ワインを飲まれる方はよくご存知かと思いますが、シャルドネは白ワイン用のブドウの品種のひとつです。白ワインの王様、なんて言われるくらいですので、口にしたことがある方も多いでしょう。このシロップをディンブラの紅茶とともに。
上質な甘口の白ワインを飲んだ気分です。美味しい。出てくる言葉がこれしかない。
一時期ドイツワインにはまったことがあり、トロッケンベーレンアウスレーゼという、蜂蜜みたいなアイスヴァインに狂っていたことがあるんですが、その再来か、という程の美味しさ。
癖になる味なんですよ。シロップも嫌な甘さではなく、本当にほんのり。入れれば入れるほど美味しくなるとかほんと凄い。
お料理に至ってはここから書いていくと凄いことになるんですが、掻い摘んでいくつか。
まず、「キッシュは飲み物」という名言(迷言?)が生まれた定番のキッシュ。お言葉は本当でした、とだけw キッシュは飲み物です!
そしてタンドリーチキン。これねえ、柔らかくてほわっほわの食感で美味しいんですよ。チキン大好きな私も当然大満足の一品。おかわりしましたw
それから4月限定のお品3種類。スモークサーモンのパンケーキ、ルンダンのターメリック添え、桜エビと舌平目のテリーヌ。これはどれもこれも甲乙付け難い美味しさ。ていうか、スモークサーモンとパンケーキって組み合わせほんと凄いね!? 米粉のパンケーキだって言ってたけどめちゃくちゃ美味しかったよ!
あと、ちょうどツイッターの報告で、桜エビと舌平目のテリーヌの感想に「凄い蒲鉾」って書いてあって大爆笑していたんですが、なるほど確かに、と唸るものでしたw
ルンダンというのはマレーシア料理で、牛肉をココナツミルクで煮込んだ肉料理。これもお肉がめちゃくちゃ美味しい。
定番のお料理もとにかく美味しいので、ぜひ全制覇を目指していただきたい。料理ならいけます。ひとつひとつのお品がちょうど良く上品な量なのが素敵。
そして本命のデザートですが、逆にこちらは一体どれだけ通ったら制覇できるんですかねw
それほどのたっぷりのデザートです。ワゴンに乗せられたデザートがそれはもう豪華でそれだけで行った甲斐があったというものです。
私はご存知の通りの英国狂いですので、スコーンを注文。そしていつも気になって気になって仕方のなかった、八丁味噌バターケーキがあったので、もちろん注文!
4月の限定、ラズベリーのレアチーズケーキも頼んだし、あとチョコレートのテリーヌと、マカロン3種類と、ピーナツオペラ。
どれもこれも本当に美味しいのですよ。
そしてここでサプライズ。いとこのお皿に、それはもう見事なチョコレートで描かれた花束のイラストが!
お祝いです、と私が告げてあったので、わざわざ描いてくださったのです。もう本当に可愛かったし嬉しかったし、従姉妹もすごく喜んでくれたしで、ありがとうございました。
そして迫る出発の時間。ああ、なんて贅沢で楽しい時間だったんでしょう!
本当に素敵な時間でした。天然気味な猫洞さんもめちゃくちゃ可愛かったです。めっちゃカッコつけてシャランと取り出した懐中時計、物の見事に向けた側が裏側で時間の確認ができずに、わたわたと持ち直す、という、もう、なんでしょう、とりあえずごちそうさまですありがとうございましたw
そして食器についても少し。全てノリタケのものです。徹底的にシリーズで全てが揃っていて、こちらも圧巻。テーブルウェアも素敵で、本当にどこを取っても素晴らしかったです。ノリタケのお皿をあれだけ家で揃えるのは不可能なので(お値段的にも)、これも楽しい体験ではないかと思います。
そして後ろ髪ひかれつつも、剣さんに見送られて最寄りの駅へ。
ああ、語彙力全てを喪失するってこういうことを言うのね、というくらいには楽しかったです。
機会があれば、是非行ってみて欲しい場所です。なんなら一緒に私も付き合いますw というかまた帰りたいです。こうしてたまには贅沢な時間を過ごすのも大事なんだな、としみじみと感じました。
さあ、皆さんも帰宅しましょう! 遠方の方も名古屋駅からそれほど離れていませんので、是非とも!
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