組織で「一番価値ある従業員」になる3つの方法
私はいま40代前半で、ごく普通の家庭環境で、ごく普通の会社員をやっていますが、20代はいろんな都市への引っ越しを繰り返しながら夜の仕事で食い繋いでいただけで、ほとんとキャリアというものを形成してきませんでした。当然収入も上がらず、職位も社会的名誉もありません。30代でちょっとした転機があり、いわゆる会社員になって、結婚したり、子供が生まれたりして、平均的な生活様式を営むようになりましたが、ふと気づいたらもう40代に。あー、これはちょっとそろそろ「真剣」に働いてみたほうがいいかも、という気持ちになったんですね。
ここで言う「真剣」という表現がどういうことかというと、「ただ働くのではなく、周囲に価値を認めてもらえるような働き方をする」という意味合いです。なぜ価値を認めてもらおうなんて思ったのか? それはシンプルに収入を増やすためです。私個人は金銭や名誉に欲はなく、それまではのらりくらり働いているだけでしたが、家庭事情(住宅ローンとか車検とか保険とかディズニーランドとか、そういうやつです)に駆り立てられるようにして、生活水準を引き上げることを考えるようになりました。そしてちょうど同じ時期に、株式投資をやり始めたのですが、いろんな投資の本をパラパラとめくっていた時に、こんな言葉に出会いました。
立ち読みでしたので、正確な言葉は忘れてしまいましたが、ニュアンスはだいたいそんな感じでした。私はこれを読んで「一番価値のある従業員? そんなの無理だよ」と思い、何食わぬ顔でページを閉じましたが、その「価値のある従業員」という言葉は、その後もしばらく私の頭から離れずについて回りました。そして自分なりに「価値のある従業員」について考えるようになり、職場で少しずつ行動に移してみることにしたのです。すると、一定の手応えのようなものを感じるようになり、いつしかそれが自分の中でひとつの行動規範のようなものを形作るようになりました。周囲の反応や評価も変わり始め、目に見える成果も生まれてきました。そこで、これはもしかすると、汎用性のある話なのかもしれないと思い、今回、頭の中の整理と、自分用の備忘録としての意味も込めて、ここで紹介させて頂こうと思います。
先に要点を書くと、ざっくりと3点にまとめられます。
❶上司が必要とする鎮静剤になる
❷同僚の中で何かしらの人気者になる
❸部下にとって一番の理解者になる
多くの組織というのは、上司、同僚、部下で構成されてますが、今回のお話は、それらの利害関係者との関係性構築の方法に主眼を置いています。なぜかというと、自分の価値(=評価)を決めるのは自分の利害関係者だからです。彼らとの関係性を良好に保ちつつ、彼らに「価値ある従業員」だと認めてもらうことで、自分の価値が明確化していくわけです。大事なポイントは、価値は自分ひとりで作り出すことはできないということです。価値は自分ではなく、相手が感じるものです。あなた自身に価値があるのではなく、あなたが上司や、同僚や、部下に向けて行う活動に価値が生まれるのです。
では、ひとつひとつ順番に説明していきますが、ちょっと雰囲気を変えるために、口調も変えてみたいと思います。
❶上司が必要とする鎮静剤になる
あなたの上司は、部下のあなたに、自分の苦手なことや悩みをあまり開示したくないと思っている。なぜなら、どんな上司も、部下にはリスペクトされたいし、周囲からは仕事ができると思われたいという人間的な心理が働くから。でもどんな上司も人間である以上、ちゃんと苦手なことがある。一見、欠点がないように見えても、それは上司の見せ方が上手いだけであり、必ずどこかに苦手意識を持つ部分がある。
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