味方
お風呂は夜には入らず、出かける前に入る。
トイレの扉は開けたまま。
おならが出るのはあたりまえ。
「我猫ちゃん、猫連れてきて!」
と飼い猫に嗅がせたがる。
ゲームは頭脳戦。
私が一緒にすると基本勝てないので、
最初は「一緒にやろう」と誘ってくれていたが、
次第に誘ってくれなくなった。
寝る時はYouTube。
見ながら寝るから、朝起きた時になくなったAirPodsをよく一緒に探した。
「○○が悪い。」
今思えば、言い合いになった時によく彼が言っていた。
私の読めない漢字を逐一メモする。
そして、「かわいい」と馬鹿にする。
買い物に出かけた先で喧嘩をすると、
私を置いて先々と帰ってしまう。
「大丈夫?」
とすぐに心配してくれる。
たまに作ってくれるごはん。
味付けは基本濃かったけど、お味噌汁だけはいつも薄い。
でも、作ってくれるだけで嬉しかった。
お風呂嫌いの私が一緒に入ろうと誘うと、基本入ってくれた。
「遅いから」と頭を流してくれるけど、顔にお湯がかかるのが苦手な私に、よくイタズラでわざとかけては可笑しそうに笑っていた。
料理中に失敗して、怒って泣き出した私を、放置せず自分なりに慰めてくれる、優しい人。
一緒に行った派遣先で、私が他の派遣従業員に理不尽なことを言われたり、されると、ちょっと過ぎたやり返しをしちゃう。
私よりも、怒ってくれた。
私が仕事に行きたくないというと、行けるように気遣う声掛けをしてくれたり、サポートをしてくれた。
結局行けなくて泣いた時も、
「おいで」と優しく寄り添ってくれた。
基本的に私には甘かった。
YouTubeで音楽を聴いていると、オススメ欄に
My Hair is Badの味方という曲がでてきて、久しぶりに聴いてみた。
あの頃、私がよく聴いていた曲だ。
なんだかすごく懐かしい。
やはり良い曲だなぁ、としみじみ思う。
あのすごく辛かった時、私にとって一番の味方は間違いなくその人だった。
私の一番好きだった人。
間違いなく、私のヒーローだった。
私の大好きだった人。
幸せであれ。
いつだって、そう思う。
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