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復習すべきか進むべきか、それが問題だ

三連休が終わった。
連休中は、ほとんどずっと家にこもって簿記1級の勉強をしていたが、おかげでだいぶ先に進めた。

進めたのだが、先に進むことを優先した結果、いささか復習がおろそかになっている。
復習をまったくしていないわけではないのだが、先に進めば進むほど復習するべき範囲も増えるので、余計に復習が足りていないように感じやすいのだ。

「先に進むこと」と「復習すること」の間には常にジレンマがある。

さっきも書いたように、先に進めば進むほど復習する範囲は増えるわけだ。
だから、復習ばかりしていてはいつまで経っても試験範囲が終わらなくなる。

もちろん、学習を始めたばかりの頃はそんなことにはならない。
勉強した章が2つか3つだけなら、内容を見返すのにもさして時間がかからないので、しっかり復習をしつつ先に進むことができるだろう。

だが、章が20とか30になってくると、話が変わってくる。
範囲があまりにも膨大過ぎて、全部復習するだけで何日もかかってしまうからだ。

ちなみに、私が使っているテキストの場合、簿記1級全体の半分にあたる商業簿記・会計学だけでも41章まである。
これでは復習だけで日々の勉強が終わってしまうし、最後まで復習する頃には最初のほうを忘れかけていることだろう。
「全範囲をちゃんと復習しよう」と思っていたら、やってもやってもキリがないのだ。

そうかといって、復習をしないで先に進むだけだと、不安感が募ってくる。

何度も書くが、先に進めば進むほど、復習するべき範囲は増えるのだ。
復習する範囲が増えるのに、復習に時間を割かないならば、「こんなことで大丈夫だろうか?」という不安も当然強くなる。

だが、そうかといって復習をいつまでもしていると、試験範囲が終わらない。
ジレンマだ。

試験勉強において、「とにかく全範囲を1周する」ということは非常に重要だ。
1周することによって全体像が把握できるし、「全ての範囲を1度は学んだぞ」という事実が自信にもつながる。
だからこそ、「とにかく1周すること」は、試験勉強をする上で最初の大きな目標となるのだ。

だが、その目標が目の前に常にぶら下がっているがゆえに、学習者は「早く全範囲を終わらせたい」という欲求に駆られがちだ。
復習が少し足りていなくても、ついつい先に進みたくなってしまう。

その結果、「先に進みたい」という焦りと、「復習が足りていない」という不安が同時に内側で膨らむ中で、学習を進めていくことになるのだ。

試験勉強を進めていくと、おそらく誰もがこの「宙ぶらりんな状態」に一度はなるのではないかと思う。

勉強を始めたばかりの頃は、復習に割く時間も十分確保できる。
また、勉強が進んで全範囲が終われば、あとは復習するだけだ。
どちらの場合も、安心感を持って学習に取り組める。

だが、学習がある程度進んでくると、「復習に割く時間だって足りないのに、まだやってない範囲がけっこう残っている」という状態にどこかでなる。

この「宙ぶらりんな状態」はけっこうストレスがかかるので、早くなんとかしたいのだが、すぐにはどうにもできない。
できることと言えば、適度に復習をしつつ、地道に新たな単元を一つ一つ学んでいくことだけなのだ。

このジレンマは、2級の学習をしたときにも感じた。
2級は3級の3倍くらいボリュームがあるので、3級のように「一気に最後まで学ぶ」ということができない。
1周目はどうしてもある程度の時間がかかってしまう。

それゆえ、途中で「十分に復習できてないのに、まだやることがたっぷり残っている」という状態になった。
当時はこの「どっちつかずの状態」でジレンマを感じながら学習していたのを思い出す。

ただそれでも、2級は3級の3倍程度のボリュームだったから、復習しようと思えばできた。
実際、私は学習の途中でテキストを一度総復習した。
そのおかげもあって、「これなら先に進んでも大丈夫だろう」と感じることができたのだ。

だが、体感的に言って1級は2級のさらに3倍くらいボリュームがある。
3級と比べれば9倍だ。

しかも難易度は格段に上がっている。
復習していたら、それだけで時間がどんどん過ぎていってしまう。

それゆえ、「この辺で総復習しよう」という気分にどうしてもなれない。
もしそんなことをしていたら、いつまで経っても先に進めなくなってしまうだろう。
範囲が膨大である以上、「ある程度は忘れてしまうのも仕方ない」と諦めて、先に進んでいくしかないのだ。

ということで、1級の全範囲のだいたい2/5くらいが終わった(と思う)。
全体から見ればまだ半分にも達していないが、簿記1級は商会(商業簿記・会計学)と工原(工業簿記・原価計算)の2分野に分かれている。
先に取り組んでいる商会のほうは、既に折り返し地点を過ぎた。

商会だけでも終われば、かなり気は楽になる。
まあ、そのあとは工原を新たにやっていくことになるのだが、「すでに1分野終わった」という事実があるのとないのとでは、気の持ちようが全然違ってくるはずだ。

新しいことを学ぶのは楽しいが、あまりに情報量が多すぎると頭がパンクしそうになる。
全部消化し切るのはいつになることやら…。

まだまだ簿記1級の1周目を完了できる日は遠い。