「簿記はどうやって生まれたのか?」について調べている話
今日も今日とて簿記の勉強をしている。
それにしても、簿記会計のルールは整合性が取れている。
特に、税効果会計と連結会計について学んだときは、あまりにも見事に辻褄が合っていたので何度ため息が出たかわからない。
ホントに、誰がこんなの考えたのだろうか?
もちろん、簿記会計のルールの中には、あまり辻褄の合っていない部分もあれば、よくわからないものもある。
それもそのはずで、簿記会計のルールというのは、人間が実際に取引する中で一つ一つ作ってきたものだからだ。
これが自然科学の法則とかだったら話が変わってくる。
自然科学の法則というのは、「宇宙にもともと備わっている秩序」だ。
宇宙には最初から秩序が備わっており、整合性が取れている。
だから、それを数式や言語の形で翻訳したものである自然科学という学問には、基本的に食い違いは生じない(はず)。
だが、簿記会計のルールは、別に「宇宙の秩序」を写し取ったものではない。
それはあくまでも、生身の人間が日々おこなっている取引を記録するために作り上げられたものなのだ。
よってそこには「慣習」と「人為」とが必然的に混入してくる。
つまり、慣習的に多くの人がおこなってきたやり方が優先的に採用されるし、人間同士の利害関係を調整するため意図的にルールが決められたりもするわけだ。
このように、簿記会計は自然科学とは違って、「宇宙に備わったルール」ではなく「人間が作ったルール」によって基礎づけられている。
つまり、簿記会計のルールというのは、あくまでも人間自身が「とりあえずこういう決まりにしよう」と言って作ったものだということだ。
(そういう意味では、簿記会計は法律とも似ているかもしれない。なぜなら、法律もまた人間が作ったルールの集積だからだ。)
それにもかかわらず、これだけ整合性があるのは本当にすごい。
ゲーテは「簿記は人類最大の発明の一つだ」と言ったそうだが、本当にこんなものをよく考え出したものだと思う。
と、こう考えていくと、当然ながらそのルーツを知りたくなる。
つまり、「簿記はいったいどうやって生まれたのか?」ということだ。
そんな疑問が湧いてきたので、今朝、下の本のkindle版をポチってみた。
これは、簿記会計がどうやって生まれ、いかにして発展してきたかを、世界史と絡めながら解説してくれている本だ。
まだ最初のほうしか読んでいないがなかなか面白い。
簿記会計が「時代の流れ」と「商売の必要」から発展してきたことがよくわかる。
こうして簿記の歴史を学んでいくと、「なぜ簿記のルールは今の形になったのか?」という疑問に対する答えが手に入るかもしれない。
そうすれば、簿記をさらに学んでいく際にも、より深い納得感が持てるだろう。
そんなわけで、今日も試験勉強から脱線して本を読んでいる。
簿記2級の試験当日まで後3日。
ぼちぼち勉強するか。