簿記1級の模擬試験問題を解いてみた
簿記1級の勉強を始めて約10日が経過。
勉強もいくらか進んできたので、試しに模擬試験問題を解いてみた。
「勉強を始めてたったの10日で挑むのは、いくらなんでも無謀じゃない?」と思われるかもしれないが、私としては「ゴール」を知っておきたかった。
「合格のためには何ができるようになる必要があるのか?」を早めに把握したかったのだ。
模擬試験や過去問の演習を、学習の最後の最後におこなう人もいるだろうが、私はそういった総合問題演習はなるべく早めにやっておいたほうがいいと思っている。
なぜなら、模擬試験や過去問の演習を早めにおこなうことによって、「学習のゴール」を前もって把握できるからだ。
本番ではどういった形式で問題が出るのか?
テキストや問題集の基本問題と比べて、難易度はどれくらいアップするのか?
試験問題を解くことによって、そういったことがわかる。
「どこまでできるようになったら合格できるのか?」ということが、なんとなくだが理解でき、「自分の現在地」が明らかになるのだ。
当たり前だが、「ゴール」がわかっていないと今後の戦略は立てられない。
というのも、戦略というのは、未来に対する予測から逆算して立てるものだからだ。
模擬試験問題や過去問を解くことで、「自分の現在地」がわかり、これからどうしたらいいかが具体的になる。
たとえば、「どこを優先して学習するべきか?」とか、「どのくらいの深さまで理解すべきか?」とかいったことがわかるようになるので、結果的にテキストを使った復習の密度が変わってくるのだ。
アトム法律事務所の岡野武志弁護士は、「資格の勉強というのは過去問に始まり、過去問に終わる」と言っているが、私もその通りだと思う。
解けなくてもいいから、本番と同じレベルの問題には早めに触れておいたほうがいい。
もちろん、実際に取り組むとあまりにできなくてがっかりするかもしれないが、「ゴール」がわかるのは大きなメリットだ。
そこから逆算して戦略的に勉強し、最終的にまた試験問題の答練に戻っていく。
そういう順番がよいのではないかと思う。
ということで話は戻って、簿記1級の試験問題を解いてみた。
「無謀かもなー」とは自分でも思ったが、目的は「いい点を取ること」ではなく、「ゴール」と「現在地」を知ることだ。
だから、たとえ解けなくても別に問題はない。
ちなみに、簿記1級の試験は「商業簿記・会計学(商会と略される)」の2科目と、「工業簿記・原価計算(工原と略される)」の2科目に分かれている。
合計4科目だが、「商業簿記」と「会計学」は全く違うことをするわけではないし、それは「工業簿記」と「原価計算」も同様だ。
実際、試験でも「商会」だけで90分、「工原」だけで90分というふうに問題がまとめられている。
そのため、実質的には「4科目に分かれている」というよりも、「分量の多いものが2科目ある」といった感じだ。
それで、今回はひとまず学習の進んでいた「商会」のほうだけ解いてみたのだが、意外や意外、けっこう解けた。
仕訳だけなら5割くらいは合っていたと思う。
まだ1回分しか解いていないので、たまたま問題の「相性」がよかっただけかもしれないが、「知っているところ」からだいぶ出ていた。
もちろん、内容的にはテキストの練習問題よりひねった仕方で出されていたが、全く対応できないレベルではなかった。
とはいえ、テキストでは見なかった言い回しがいくつか出てきた。
それで、何を問われているのかがわからなくて解答できなかった問題もあった。
問題文には様々な表現の仕方がある。
テキストでの学習だけでそれを網羅するのは不可能だ。
これについては、多くの試験問題を解く中で、実際に出くわすたびに憶えていくしかない。
また、テキストでは一度学習したものの、細かいところを忘れてしまっていた部分なども明らかになった。
こういった「知識の穴」を発見できるのも、試験問題の答練をするメリットの一つだ。
テキストだけで漫然と復習していると、どこが既にわかっていて、どこがまだわかっていないのかが曖昧になりやすい。
だが、「試験問題が解けない」という形で現状を突き付けられると、「ここの理解が足りてないんだな」ということが明白になるのだ。
ということで、いろいろ得るものはあった。
やはり本番と同じ形式で問題を解いてみないと見えてこないものは多い。
試験問題がたとえ全く解けなくても、実際に解いてみることで初めてわかることもある。
今後も、テキスト学習と並行して、試験問題の答練はやっていこうと思っている。