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簿記1級の勉強を始めて、1週間経過

簿記1級の勉強を開始して約1週間。
5冊ある教科書のうち、1冊目がそろそろ終わりそうだ。

単純な分量で言えば5分の1だが、難易度的にはこれからもっと難しくなっていきそうなので、今までの進行速度を維持できる保証はない。
「1週間で5分の1が終わったから、5週間で全部終わらせられるだろう」とは、必ずしも言えないのだ。

それに、「一冊終わりそう」とは言っても、「とりあえず一度読んだ」というだけで、完璧にマスターしたわけではない。
折に触れて復習をして問題も解いてはいるが、忘れている個所も多いだろう。
知識の定着まではまだまだ遠い。

で、実際にこうして1級を勉強してみて思ったが、やはりかなり難しい。

3級では、テキストをさらっと読めばだいたいわかった。
2級の時は、テキストだけではよくわからなくても、you tubeで解説動画を見れば問題は解けるようになった。

だが、1級は解説の動画を見てから、さらにテキストをかなり読み込まないと理解できない。
肌感覚としては、2級で最難解分野だった連結会計レベルの学習をずっとやっている感じだ。
まあ、どこもかしこも難しい。

しかし、何がそんなに難しいのか?

まず論点が多い。
一つの単元の中だけでもテーマになる事柄がたくさんあり、学んでいると、どれがどれだかわからなくなる。
「一つのケースについて、こういう場合はこう、この場合にはこう」と場合分けされることも多く、「あれ、これってさっきまでやってたのと何が違うんだ?」と迷子になってしまうこと必至だ。

思えば、2級では一つの単元について大きなテーマはせいぜい2つか3つくらいまでだった。
だが、1級の学習では、一つの単元にテーマが4つとか5つは平気で登場してくる。
だから、2級と同じノリで、「今日はこの単元を全部やろう」と思うと、1度に学ぶことが多すぎて途中で頭がパンクする。

それから、当たり前だが、2級よりも取引が複雑になる。
取り引きにかかわる登場人物が増えたり、物やお金の行き来が多くなったりする。

また、そもそも何を取引しているかイメージしづらいものもある。
たとえば、1級で初めて出てくるデリバティブ取引がそうだ。

普通の取引の場合、だいたい何かしら「モノ」の行き来がある。
たとえば、「商品を買いました」とか「事務所のパソコン売りました」とかだ。
こういう取引は目に見える「モノ」の動きがあるからイメージしやすいものだ。

だが、デリバティブ取引の場合はちょっと違ってくる。
デリバティブ取引というのは、そういった「モノ」に設定されている「価格」などをやり取りする取引だからだ。
「モノ」自体をやり取りするわけではなく、「モノの価格」をやり取りするのだ。

たとえば、ある時点で100円の価格の「モノ」があったとする。
それが「将来的に値上がりしそうだ」と思った。

となると、もし今の価格(100円)で買えるなら、将来はそれより高く売れるはず。
だから、将来の価格がいくらになっていようとも、今の価格(100円)で買う契約をする(ちなみに、これを買建かいたてと呼ぶ)。
「100円で買って、高く売ろう(儲けよう)」というわけだ。

そして、実際に価格が上昇し、110円になっていたとする。
そうしたら、100円で買って110円で売るから、10円の儲けだ。
こうやって稼ぐのがデリバティブ取引の基本イメージとなる。

だが、実際には「モノ」を買ったり売ったりはしない。
私はさっき「100円で買って110円で売る」と書いたが、現実の「モノ」をやり取りするわけではなく、お金だけが動く。
上の例で言えば、「100円払って買い、110円もらって売る」のではなく、「差額の10円だけが入ってくる」のだ(ちなみに、これを差金決済さきんけっさいと呼ぶ)。

ね、わかりにくいでしょう?

実際に「モノ」が動くわけではないけれど、「もしこの価格でモノが動いたら、いくら損や得になるか?」という前提で、その差額分だけお金が動く。

重要なのは「モノ」ではなくて、あくまでも「価格の変動」であり、その「価格の変動」を通じてやり取りする取引、それがデリバティブ取引なのだ。
(なお、デリバティブ取引の中には、価格のほかに金利を取り扱うものもあるが、話がさらにややこしくなるのでここでは割愛する)

デリバティブ取引を学習するのにはだいぶ苦労した。
まず、さっきも言ったようにイメージが持ちにくいから、取引の中で誰が何をしているのかがよくわからない。
結果、取引の全体像がつかめず、理解できなくなってしまうのだ。

そんなこんなで、1級の学習には苦戦している。
だが、苦労して理解できた時には、「なるほど!そういうことか!」と腑に落ちて気持ちがよかったりする。
また、初めはわけがわからなかった練習問題も、学習によって解けるようになると成長を実感できるものだ。

それから、「怖いの半分、楽しみ半分」なのが1級の連結会計だ。

連結会計は2級の時点でも既に十分難しかったが、いったいどんな論点が加わるのか?
あれ以上難しくなったら、果たして自分に理解できるのだろうか?
1級の連結会計について想像すると、自然とそういったことを考える。

とはいえ2級の連結会計も、最初こそ学習に苦労したが、2級の試験が終わってみれば得意分野になっていた。
初めは取っつきづらかったけれど、今では好きな分野の一つだ。

だからこそ、「理解できるだろうか?」と思う半面、「また楽しめるかもしれない」と期待してもいる。
2級の連結会計の勉強は、難しかった分だけ、乗り越える楽しさがあったからだ。

ちなみに1級の連結会計は、私が使っているテキスト2冊目の最後の単元になっている。
ちょうどあとテキスト1冊分くらい先だ。

それまでに、複雑な取引の勉強で頭を鍛えて、脳をバージョンアップさせておこうと思う。
連結会計に太刀打ちできるように、私自身もっと成長していきたい。

1級の勉強は、まだまだこれからなのだ。