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独学編集者による音声編集のやり方①

音声編集に関わる経緯は人それぞれだと思いますが、特に独学でやるぞ!って人にとって初めの一歩はとてもハードルが高く感じますよね。

そこで半分独学の私の音声編集の手順を公開しようと決めました。
ここに記す内容は、あくまで一例ですが幅広く応用の効くものになっていると思います。
初めてで何から手をつけたらいいか分からない方の一助になれば嬉しいです。

私はCubaseというDAW(デジタルオーディオワークステーション)ソフトとRXというリペアソフトを主に使用しています。これらがなければダメということはないですが、RXに関してはいずれ手に入れて頂きたいソフトです。

Izotope RX

DAWに関しては以下のソフトがおすすめです。

Steinberg Cubase※私愛用

PreSonus Studio One

Ableton Live

Avid Pro Tools※現在日本でのスタジオシェアNo.1

Apple Logic Pro※Macのみ

上記のDAW以外にもAdobe Auditionや、まずは触れてみたいという方は無料のAudacityなども良いかと思います。

私はCubaseを利用しているので、音声編集の手順としてCubaseでの操作紹介がメインになりますが、大抵どのDAWでも似たような手順となりますのでご安心ください。
今回は大まかな編集作業の流れに関して紹介したいと思います。


①プロジェクトの準備



1. 新規プロジェクト作成
Cubaseを起動し、新規プロジェクトを作成します。
• サンプルレートとビット深度を設定(例: 48kHz、24bit)。
• 必要に応じてテンプレートを使用。
2. オーディオインポート
編集する音声ファイルをCubaseにインポートします。
• トラックを整理し、各素材を適切なトラックに配置。


②ノイズ除去とクリーニング



1. RX 11との連携
Cubase 13とRX 11を統合するため、RX Connect(iZotope提供のプラグイン)を使用します。
• Cubaseで編集したいセクションを選択。
• RX Connectをインサートし、「Send to RX」をクリック。
2. RX 11での処理
RX 11に転送された音声をクリーニングします。
• スペクトルエディターを使ってノイズを視覚的に除去。
• De-clickやDe-clipを使い、クリップ音やポップノイズを削除。
• Dialogue Isolateを使用して、バックグラウンドノイズを軽減。
• 範囲選択を使用して、細かく手作業でゲイン調整。
• プロセス後、「Send Back to DAW」でCubaseに戻す。

③ミキシングとエフェクト



1. EQ(イコライザー)処理例として
• 不要な低音(例: 80Hz以下など)をカットしてクリアな音声に。
• ボーカルやナレーションを強調(例: 3-5kHz)。
2. コンプレッション
• ダイナミクスを整えるためにコンプレッサーを適用。
• 話し声の場合、スレッショルドとレシオを調整して自然な仕上がりに。
3. リバーブとディレイ(必要に応じて)
• 適度な空間感を加える。
4. オートメーション
• 音量やパンの変化をオートメーションで制御。


④マスタリング



1. マスタリングチェーンの作成
• マルチバンドコンプレッサーで周波数帯域ごとのバランスを調整。
• リミッターで音量を最大化しつつクリッピングを防ぐ。
2. RX 11で最終確認
• Loudness Controlで音量基準(例: -16 LUFS)を確認。
• 必要に応じてノイズをさらに除去。


⑤ファイル書き出し



1. Cubaseでエクスポート
• 必要なフォーマット(例: WAV、MP3)を選択。
• 必要とあらばメタデータを追加。
2. RX 11で再チェック
書き出されたファイルをRX 11で開き、最終確認を実施。


ポイント



• RX 11のスペクトルビューを活用すると、目に見える形でノイズや問題箇所を確認できる。
• まずはプロジェクト全体を通して「聞き疲れしない音」を目指す。
• これらの工程を全て踏む必要もなければ、場合によってはさらに多くの工程を必要とすることもあります。特に宅録環境のデータと向き合うことの多い同人界隈では毎回アプローチが異なることも多々ありますが、飽きることなく楽しめるでしょう!

次回は①〜⑤それぞれの工程を細く紹介したいと思います!




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