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【タロット】後宮に咲き誇る、気高き魂『魂物語Vol.4』
プロローグ ~『魂物語』とは?~
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「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える、魂の物語
一説によると、私たちの魂は何度も転生を繰り返しているそうです。
“前世(ぜんせ)とは、ある人生を起点として、それより前の人生のことを指す。”
(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
もし、魂が何度も転生を繰り返すのなら、私たちはいくつもの前世を経験していることになります。
『魂物語』はタロットで紡ぐ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える魂の物語。
幾度も転生を繰り返す魂に刻まれた、記憶や想いの“欠片(かけら)”たち。
それをタロットで紡ぎ、物語調に表現したものです。
その目的は、「前世を知ること」ではありません。
そもそも「前世が本当に存在するのか?」という問題ですら、重要ではありません。
何よりも大切なのは、現世を生きる今のあなた自身です。
あなたの『魂物語』を通して……
自分の人生を見つめ、より自由に自分らしく生きること。
そのための気づきやキッカケの一つとして、活用していただけたら、とても嬉しく思います。
(※私の『魂物語』は、占いでも前世療法でもありません。
タロットカードのリーディング結果を物語調に表現した、エンタメ系のコンテンツです。)
あらすじ
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あなたの前世は、中国が唐の時代であった頃。
皇帝の側室の一人として、後宮で暮らしていた女性のようです。
当時の女性としては珍しく、武芸や学問を嗜み、自分を磨いて高めることに情熱を感じていました。
その一方で、感情に流されず理性的に判断する、冷静沈着さも持ち合わせていたのです。
そんな前世のあなたは、熱い情熱と冷静な賢明さという、相反するものを併せ持つことにより、時には心の葛藤に襲われることもありました。
また、他の側室や女官たちが何とか皇帝の寵愛を得ようと、自分を偽って媚びへつらう中で、あなたには自分軸を失わない強さと聡明さがありました。
その存在は、熾烈な権力争いが繰り広げられる後宮の中で、大変貴重で珍しいものです。
最高権力者の地位につきながら、優しくも優柔不断だった皇帝から見ても、とても強くて眩しい光を放っていました。
冷静で頭の回転が速く、更には決断力もあった前世のあなたは、やがて皇帝の陰の相談役として、活躍するようになります。
とても充実した、やりがいのある毎日を過ごしていましたが、その生涯で皇帝の正妻や子供の母親になることは、ありませんでした。
前世のあなたは、女性や母親としての喜びよりも、仕事による自己実現を望み、当時の「女らしさ」よりも「自分らしさ」を追求していたのです。
精神的な強さを持った前世のあなたにも、不安や恐怖を感じる夜は訪れます。
けれど、不安を冷静に客観的に見つめたことで、暗い夜も乗り越えてきました。
たまに辛辣な言葉を言い過ぎて、後悔してしまうこともありましたが、前世のあなたは潔く誠実に謝れる人でした。
そのお陰で、一部の人から近寄り難く思われてしまうことはあっても、周りから嫌われることはなかったようです。
前世のあなたが伝えたいこと。
それは、大切な相手を愛情深く見守り、辛抱強く育てること。
その対象は自分の子供に限らず、仕事や環境など、そして自分自身の心も含みます。
種の状態から、やがて花を咲かせるまでの育てる時間を楽しんで欲しい。
成長に必要なものは、焦りや疑いではなく、愛情と信頼なのだから―――と、前世のあなたは伝えてくれています。
第1章 前世のあなた
情熱と冷静さを併せ持つ、文武両道な后候補
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中国王朝、唐の時代―――
皇帝が政治を執り行い、住居を構える本宮の更に奥。
そこには、ただ一人の皇后や複数の側室たち、その世話をする数多くの女官や宦官たちが暮らす後宮があった。
後宮では、皇帝の寵愛を求める百花が咲き乱れる。
表向きは華やかではあるが、その実態は権力争いと謀略にまみれた牢獄のようなところであった。
「後宮とはなんて退屈で、それでいて殺伐とした場所なのでしょう」
16歳の頃に皇帝の妃候補の一人として、後宮入りして早3年。
今や彼女は、側室の中で最も位の高い『貴妃』という立場にあった。
身分の高さを決めるのは、家柄、容姿、才能、そして何より皇帝からの寵愛。
そのすべてを手にした彼女は、あれよあれよという間に出世していった。
(わたくしはただ、武芸や学問を通し、己を鍛えて高めていくことが好きなだけですのに……)
貴妃は、誰にも明かせない本音を胸の内で呟く。
彼女は権力を手に入れるために、皇帝に取り入り、他の妃候補たちを貶めるようなことを好まない。
強くて美しい。気高く咲き誇る、一輪の薔薇のような女性であった。
そんな彼女の心では、いつも葛藤がせめぎあっている。
本音では、後宮での立場や権力よりも、ただ情熱が赴くままに武芸や学問に邁進したい。
しかし、彼女の細い肩には、父や兄たちを始めとする、一族の命運もかかっていた。
もし彼女が皇帝の寵愛を失い、貴妃の階位から降格となれば、一族の朝廷における政治力や実権も失われてしまう。
娘を輿入れすることで権力を手に入れることができる一方、その逆もまたあり得るのだ。
貴妃がその胸の内に抱えたもの。
それは、熱い情熱を持ちながらも、冷静な賢明さを持つが故の葛藤であった。
第2章 前世で学んだこと
冷静に自分軸を貫く強さと聡明さ
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貴妃は皇帝の寵愛を受けながらも、決して媚びへつらうような真似はしなかった。
どんな時も誇りと自尊心を失わず、折れない芯の強さを持った彼女。
それは後宮に咲く花の中で、大変珍しい存在である。
だからこそ、皇帝の覚えがめでたかったともいえた。
「朕は、そちの真っ直ぐな瞳が好きだ。
虚言や甘言が罷り通るこの後宮で、そちの潔い態度と飾らぬ言葉は貴重だよ」
国の最高権力者である皇帝。
しかし、当代の皇帝はよく言えば優しくて寛大、悪く言えば優柔不断で、どこか頼りなかった。
「わたくしと皇帝では、その肩に乗った責務の重さが違います。
地位の高さとは、負うべき責任の重さに比例するものです。
けっして、己の欲望のために求めて良いものでは、ありません」
優しくも優柔不断な皇帝のお気に入りである、貴妃の凛とした言葉と眼差し。
その瞳には、この時代の女性にしておくにはもったいない強さが宿っていた。
「正直なところ、朕は政治に向いていない。
できれば皇帝などには、なりたくはなかった」
「…………」
裏表のない、心根が真っ直ぐな貴妃の前だからこそ明かす、皇帝の弱音。
本来、言ってはならぬ言葉だということは、双方承知の上だ。
だからこそ、貴妃は何も言わずに、聞かなかったことにする。
それが皇帝という立場に立つ者への優しさだと、理性的で賢い彼女は知っていたから。
感情に流されることなく、ただ冷静沈着に受け止める。
情愛が豊かな者の中には、そんな彼女を“冷たい”と感じる者もいるかもしれない。
しかし、それこそが彼女の持つ、冷静に自分軸を貫く強さと聡明さであった。
第3章 前世で学べなかったこと
国母としての温もりと優しさ
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どんな時も冷静沈着で理性的であり、己の欲望や感情に溺れることのなかった貴妃。
その鋼の様な精神の強さは、時に厳しくもあり、彼女に憧れる者は多くとも、どこか近寄りがたい雰囲気があった。
そんな彼女を親友だと言い、特に親しくしていたのは、なんと―――皇后その人である。
「まあ、見て貴妃。
良い香りがすると思ったら、桃の花が咲いているわ」
後宮の花園にて。
貴妃の隣で散歩する皇后が言う。
その笑顔は桃の花のように愛らしく、春風のように温かい雰囲気をまとっている。
これまでの歴代皇后たちは、皇帝の正妻である自分の立場を脅かす存在として、側室たちを邪険に扱ってきた。
それが本来の姿と言えば、その通りである。
しかし、現・皇后は皇帝以上に心優しく、誰に対しても慈しみ深い性格だ。
邪険に扱うどころか、こうして頻繁に散歩や茶会に誘ったりしている。
特に皇后と貴妃は、性格も趣味も正反対であったが、だからこそ不思議とウマが合った。
(皇后さまは、国母としての温もりと優しさに溢れていらっしゃる。
わたくしには、無いものだわ。だって、わたくしは……)
皇后は、皇帝との間に1人の太子と2人の公主、3人の子供を産んだ。
しかし、貴妃は一向に妊娠の兆候すら見られなかった。
そのうちに皇帝は貴妃を女としてではなく、政治上の本音を話せる相談役として、重宝するようになる。
それでも側室である以上、皇帝以外の男と通ずることは絶対に許されない。
それは当時の多くの女たちにとって、とても残酷な境遇だったかもしれない。
しかし、情愛よりも論理を好む貴妃にしてみれば、寧ろ清々しくて心地よいと言えた。
正直なところ、貴妃は恋慕にあまり興味が持てなかったのだ。
強くて賢い貴妃にとって、大切なのは「女らしさ」よりも「自分らしさ」なのだから―――
第4章 前世から現世への宿題
不安な夜を乗り越え、希望の朝を目指す
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後宮入りする前夜、16歳のわたくしは不安と恐ろしさから、眠ることができませんでした。
(後宮になんて、行きたくありません。
もし行けば、死んでしまうかもしれない。小姐のように―――)
わたくしには、わたくしより半年早く後宮入りした、従姉妹がおりました。
その従姉妹が心を病み、食事が摂れなくなった末に、衰弱死してしまったのです。
「小姐……。あんなに優しいひとでしたのに」
もしかしたら、小姐は優しかったからこそ、命を落としてしまったのかもしれません。
なぜなら彼女が心を病んだ原因は、他の妃たちからの嫉妬による、陰湿ないじめでした。
嘘、陰口、悪口、悪意ある噂話……鋭い言葉の刃に深く傷つけられ、小姐は倒れてしまったのです。
その優しくも繊細な心が、無残にも砕け散る程に。
“言葉は人を傷つける凶器にもなれば、その傷を癒す薬にもなります。
私は人を癒すために、優しくて温かい言葉を使いたいですわ”
後宮入りする前、従姉妹はそう言って、微笑んでおりました。
とても優しく、儚げに。
その言葉通り、従姉妹の言葉からは、いつも温もりが感じられました。
正直、わたくしは従姉妹のように繊細で、心優しい性格では、ありません。
自分にも他人にも厳しく、つい辛辣な言葉を使ってしまい、後悔して落ち込むことも度々あります。でも……
「せめて、誠実で嘘のない言葉を使いましょう。
そして、自分の言葉には責任を持ちますわ」
わたくしはそう自分に誓うと、褥を頭まで被ります。
そして、後宮入りする不安と恐れに揺れる心を抱きしめながら、浅い眠りへと落ちていきました。
最も暗い夜の時間を乗り越え、眩しい朝陽が昇る時を待ちわびながら……
第5章 前世から現世のあなたへ
愛情深く守り、育て、成長させる力
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あなたには、大切に守って育みたいと思う相手は、いらっしゃるかしら?
その相手は、自分の子供に限りません。
成長を温かく見守り、時に手助けしたいと願う相手ですわ。
わたくしの人生では、自分の子供を産み、育てたことはありませんでした。
でも、わたくしは皇帝の側室でありながらも陰の相談役として、微力でも国の未来に貢献できたと自負しております。
例えば、孤児を救済するための福祉事業の手助けに尽力しましたわ。
未来ある子供たちを守ることは即ち、この国の未来を守ることでもありますからね。
対象が植物であれ、人間であれ、仕事であれ……
種の状態から花を咲かせ、実をつけるまでには、時間がかかるものです。
地味で地道な作業を丁寧に、コツコツと継続する必要があります。
時に粘り強さと忍耐強さを要求されることもあるでしょう。
それでも焦らず、諦めないことが花を咲かせるコツだと思うのです。
あなたは今、誰を……或いは、何を育てていらっしゃいますか?
育てる対象は、自分自身も含みますよ。
大人になって体の成長は止まっても、わたくしたちの心は一生、成長することができますからね。
成長に必要なものは、疑いでも焦りでもありません。
必ずいつか成長して花を咲かせると信じ、愛情深く育てることです。
種がすぐに花を咲かせない理由は、それまでの過程を楽しむためだと、わたくしは思いますわ。
あなたは、どう思いますかしら?
焦らずゆっくりと、自分を育てていって下さいね。
いつの日か、世界に一つだけの「自分らしさの花」を咲かせるために。
わたくしはあなたの心の成長を信じて、心から楽しみにしておりますよ。
エピローグ ~すべての旅する魂へ~
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あなたの『魂物語』、いかがだったでしょうか?
タロットで紡いだ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える物語を少しでも受け取っていただけたら、とても嬉しいです^^
『魂物語』が伝えているのは、あなたの前世が何であろうと、現世のあなたがどうであろうと、「前世のあなた」は「現世のあなた」を愛し、応援してくれているということ。
たまに「前世の業(カルマ)が……」という言葉も耳にしますが、私は前世を嘆いて後悔したり、現世を前世の罪滅ぼしの場にはしたくないと思っています。
より現世を楽しんで魂が成長するために、前世から学びや気づきを得たいです。
そのためにこそ、この『魂物語』を魂を込めて作りました♪
正直、前世や来世のことも不確かでわかりません。
でも、私たちは今こうして、現世で生きています。それは確かなことです。
だったら、今生きているという事実を大切に、現世をとことん楽しみたい!自分らしく生きたい!!って、思いませんか?^^
例え何度も魂が転生を繰り返そうと、「今の人生」は、たった一度きりなのですから……
あなたの『魂物語』がこれから、あなたの魂に寄り添っていきますように。
お知らせ
78枚のタロットカードで、あなただけの『魂物語』を紡ぎます♪
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