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【タロット】いざ、冒険の海へ!新大陸を夢見た海賊商人『魂物語Vol.5』

プロローグ ~『魂物語』とは?~

「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える、魂の物語

一説によると、私たちの魂は何度も転生を繰り返しているそうです。
“前世(ぜんせ)とは、ある人生を起点として、それより前の人生のことを指す。”
(『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
もし、魂が何度も転生を繰り返すのなら、私たちはいくつもの前世を経験していることになります。

『魂物語』はタロットで紡ぐ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える魂の物語。

幾度も転生を繰り返す魂に刻まれた、記憶や想いの“欠片(かけら)”たち。
それらをタロットで読み解いて紡ぎ、物語調に表現したものです。

その目的は、「前世を知ること」ではありません。
そもそも「前世が本当に存在するのか?」という問題ですら、重要ではありません。

何よりも大切なのは、現世を生きる今のあなた自身です。
あなたの『魂物語』を通して……

自分の人生を見つめ、より自由に自分らしく生きること。

そのための気づきやキッカケの一つとして、ご活用していただけたら、とても嬉しく思います。

(※私の『魂物語』は、占いでも前世療法でもありません。
タロットカードのリーディング結果を物語調に表現した、エンタメ系のコンテンツです。)




あらすじ

15世紀前半、新大陸を夢見たヨーロッパ諸国が遠洋航海に乗り出した大航海時代。
ポルトガルのリスボンにある港町にて、「海賊商人」と呼ばれた男性があなたの前世です。

彼は巧みな話術と交渉術で取引を成立させる商人の顔を持つ一方で、屈強な海賊たちを仲間に引き入れ、略奪を行う裏の顔も持っていました。
そのため、「海賊商人」という二つ名があったのです。
海賊商人である彼の船が襲うのは、一般の商船ではなく、法を犯した海賊船のみでした。

だからこそ、海賊退治に手を焼いていた、ポルトガルの王国政府からも略奪行為を黙認されていたのです。
そんな前世のあなたも、いつしか新大陸に憧れ、新天地を目指した一人でした。

貧しい商家で生まれ育った前世のあなたは、いつしか空想で物欲を補うようになります。
お金、食べ物、洋服、玩具……幼い頃に欲しいものは、たくさんありました。

しかし、空虚な心を満たす「本当に欲しいモノ」とは、お金で買えるものでもなければ、お金そのものでもなかったのです。
家族の温もり、両親からの愛情―――ただ、それだけでした。
少年だった前世のあなたは、それに気がつくことができました。
しかし、残念ながらそれを手に入れる術は、持ち合わせていませんでした。

抜群の航海技術や知識、商売の才能を持ちながらも、前世のあなたは王国政府が派遣する、正規の新大陸探検団の一員には、なりませんでした。
仲間の海賊からも「才能の発揮すべき場所を間違えている」と指摘されても尚、自力で新大陸を目指すことにこだわったのです。

ですから、なかなか旅立ちの準備が整いません。
航海技術が発達してきたとはいえ、当時の遠洋航海はまだまだ命懸けの大変な旅だったのです。

前世のあなたが現世のあなたに伝えたいこと。
それは、豊かさをバランス良く、誰かと共に分けかち合うこと。
そして、本当の豊かさを手に入れる方法です。

新大陸を発見するという夢を叶えるためとはいえ、狡猾な海賊商人として、誰かに「与える」ことよりも、誰かから「奪う」ことを生業にしてきた前世のあなた。

本当の豊かさを手に入れるためには、一方的に与え過ぎても、受け取り過ぎてもダメだと、前世のあなたは伝えてくれています。
大切なのは、与えることと受け取ることの丁度良いバランスであり、双方の調和である―――と。




第1章 前世のあなた

大航海時代に生きた、狡猾なる海賊商人

15世紀前半。
それは、ヨーロッパ諸国が地球規模の遠洋航海に乗り出して、新航路や新大陸を発見した時代……即ち、『大航海時代』の幕開けであった。

ポルトガル・リスボンの港町。
そこには、「海賊商人」と呼ばれる一人の青年がいた。
表の顔は交渉上手な商人であったが、同時に海の略奪者である海賊という裏の顔も持つ彼。

ただし、彼の船が襲うのは一般の商船ではなく、商船を襲った他の海賊船のみに限定されている。
そのため、当時のポルトガル王国政府から、その略奪行為を黙認されていたのであった。

「『海賊商人』とは、よく言ったものだな。狡猾でしたたかなお前らしいぜ」
同じ船に乗り、いかにも海賊然とした屈強な男が、隣に立つ青年を見て言う。
彼は青年の幼馴染で、この一帯で最強と言われる海賊の一人である。

「俺は馬鹿正直な商人でもなければ、単なる義賊でもないさ。
ただの商人として、真っ当に商売をやっているだけじゃ、大金を稼ぐまでに時間がかかり過ぎる。

一方、海賊として他人のモノを奪えば手っ取り早いが、それではお偉いさんたちや世間の恨みを買って、いずれ破滅する。
それなら、『盗む相手』を選べば良い。
既に別の誰かから奪った海賊のお宝を俺たちが奪う。

そりゃあ、一般の商船を襲うよりも骨が折れるが、そこはお前のように、強い海賊を仲間にすれば解決することだ。
そして、自らの手で海賊退治をしたくない王国政府からは、黙認されるという寸法だよ」

「ったく、お前の悪知恵には舌を巻くぜ」
皮肉な笑みを浮かべる海賊に対し、海賊商人と呼ばれる彼も同じ笑みを返す。

「俺の悪知恵には、お前の馬鹿力が必要だよ。すべては、新大陸を見つけるという夢のためだ。そのためには、莫大な資金が必要だからな」
と言って、海賊商人は船上から遠い水平線を見つめるのであった。




第2章 前世で学んだこと

心を満たす、本当に欲しいものに気づくこと

今でこそ海賊商人と呼ばれ、欲しいものは何でもありとあらゆる手段を使って手に入れる青年。
そんな彼は、貧しい商家の生まれであった。

両親は元々商売の才能が無かったのか、借金ばかりが膨れ上がり、いつもお金に困っている状態が続いていた。
彼は物心がつく頃から常にお腹が減っていて、誕生日の贈り物やクリスマスプレゼントですら、一度も貰ったことがない。

「お金さえあれば……」が口癖の両親の下、貧乏なために物を与えられずに育った彼は、いつしか物欲や食欲を空想で補う少年になる。
まるで、マッチ売りの少女が命の灯火が尽きそうになった時、幸せな空想を夢見たように。

(ぼくは大人になったらお金持ちになって、お腹いっぱいに美味しいものを食べて、欲しい物は何でも手に入れるんだ。そうすれば……)

隣の部屋から、お金が原因で口論する両親の声が聞こえてくる。
古びた薄い毛布を頭から被り、幼い彼は何とかそれを聞こえないようにするが、悲しみと寂しさの涙を止めることができなかった。

(そうすれば、パパとママは仲良くなって、ぼくにも優しくしてくれるかな……?)

海賊商人が幼かった頃に、本当に欲しかったもの。
それは、お金で買えるものではなく、ましてやお金そのものでもない。
家族の温もり、両親からの愛情―――それこそが、少年の空虚な心を満たす、「本当に欲しいもの」だ。

それに気づきながらも、まだ幼い彼は「本当に欲しいもの」を手に入れる術は持たないのであった。



第3章 前世で学べなかったこと

才能の有効活用と新大陸への旅立ち

「なあ、お前はいつになったら、新大陸へ旅立つんだ?」
とある海賊船を海に沈め、奪ったお宝を囲んで宴が開かれた時。
酒を片手に傍へとやって来た、幼馴染でもある海賊が彼に問う。

「お前の航海技術や知識、商売の才能があれば、こんな海賊の真似事をしなくても、王国政府が派遣する新大陸探検団の一員になれるんじゃないか?」

例え相手が海賊であろうと、略奪行為をしていることに変わりはない。
また、海賊商人が直接的な戦闘に加わらなくても、命が危険に曝されていることは同じだ。
大海原で船が沈めば、船員は漏れなく全員、海の藻屑になってしまうのだから……。

“お前の才能を発揮するべき場所は、海賊船であるここじゃないだろう”
海の荒くれ者でありながら、親しき者への情が深い海賊の若者は、暗にこう伝えているのだ。
それに対し、海賊商人である青年の答えは、いつも同じ。

「前にも言っただろう。
俺は、自分の船団を作って、自由に新大陸を目指したいんだ。そのためには、まだまだ準備が足りない。
もっと良い船が必要だし、食糧や資金だって……」

「へーへー、わかりましたよ。
海賊商人殿がさっさと新大陸へ旅立てるよう、海賊の俺様は資金調達のための海賊業に励むとするさ」

海賊商人の答えを途中で茶化すと、幼馴染の海賊は豪快に酒をあおった。
商人としての腹黒さを身につけたが、その代わりに素直さを失った海賊商人は、胸の内だけでこう呟く。

(王国政府が派遣する探検団に入ったら、海賊であるお前と共に、新大陸を目指せないからな。
俺は、お前と一緒に新大陸を見たいんだ)

と―――



第4章 前世から現世への宿題

豊かさをバランス良く、共に分かち合うこと

いつか新大陸を発見する―――その夢を叶えるために、俺は商人としてあこぎな商売もやってきたし、海賊の仲間として略奪行為もしてきた。
「夢を叶えるため」なんて、耳あたりの良い言葉を使っちゃあいるが、要は自分の欲望のためだ。

たとえ夢が無くとも、現実は生きるだけで金が要る。
どんな綺麗事を並べ立てようと、金が無ければ人間らしく、自由には生きられない。
俺はそのことを子供の頃から嫌というほど、身をもって味わってきたさ。

過去の経験上、金は強者が弱者から一方的に奪うものだと思っていた。
知識の無い者は、悪知恵が働く者から騙し取られ、運と力の無い者は、無理やりにでも奪われる。
この世知辛い世の中にゃ、一方的に奪う者と奪われる者しか存在しないと思っていた。

しかし、それは半分正解で半分不正解だ。
確かに、金にはそういう一面もある。だが、それだけじゃない。
一方的に奪うだけでは、結局、誰も豊かにはなれない。

反対に与え過ぎても、相手が自分で豊かになる力を奪う結果になる。
大切なのは、与えることと受け取ることの丁度良いバランスであり、双方の調和だ。

商売の基本を知っているか?
それは、相手が喜ぶ価値を与えること。
それに相応しい対価を受け取ることだ。
与え過ぎても、受け取り過ぎても良くない。
更に成功する商人は、売り手と買い手のみのWin-Winに留まらない。

本当の豊かさを手に入れたければ、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の三方向を良くすることだ。
売り手と買い手だけの利益を追求するだけでなく、社会全体が豊かになる商売をすること。

ほら「金は天下の回り物」って、言うだろう?
豊かになるための道具である金を腐らせないためにも、社会全体で循環させることが大切なんだ。
金の貯め込み過ぎは、豊かさを遠ざけるからな。



第5章 前世から現世のあなたへ

本当の豊かさを手に入れる方法

寄せては返す、大海原の波のように。
人生においても、大なり小なりの“変化の波”が打ち寄せる。

変化を目の前にした時、多くの者は今あるものを失う怖さから、「安定」にしがみつく。
例えば安定した職業、安定した給料とか……な。
その「安定」が砂上の城のように脆いものとも知らず、とにかく執着し続けるんだ。

大切なのは、変化の波を避けようとするのではなく、上手に乗りこなすこと。
一時的な物質的損失を味わおうとも、精神的な豊かさを失わず、行動し続けることだ。

例えば「ノーリスク・ノーリターン」、「ノーペイン・ノーゲイン」という言葉がある。
適正なリスク(=不確実性)を取らないと、欲しいリターンは得られない。
痛みや傷を負う覚悟のない者に、得られるものは何も無い。
甘い汁だけ啜ろうとしたところで、世の中はそんなに甘くはないからな。

俺は散々、惨めな貧困を味わった後に、正攻法とは言えない商売で富を得た。
だけどそれは、長続きしなかったよ。
まさに一瞬で波に攫われて崩れる、砂上の城のような儚さだった。

豊かさを長く味わいたければ、まずは相手に価値を与えること。
ただし、いつまでも与え過ぎてはいけない。
お互いに豊かになりたければ、犠牲になり続けるな、犠牲にし続けるな。
そして、『三方良し』の理想の関係を目指すことだ。

そうすれば、もし困難の波に襲われても、必ず誰かが助けてくれる。
救いの光を与えてくれる。だから、何かを失うことに恐れなくて良い。
「失った」のではなく、「不要だから手放した」と思えば良い。

世の中は甘くはないが、豊かさは循環するものだ。
必要であれば、また戻ってくる。
与えれば、また巡り巡って還ってくる。
それこそ、繰り返し寄せては返す、波のように……




エピローグ ~すべての旅する魂へ~

あなたの『魂物語』、いかがだったでしょうか?
タロットで紡いだ、「前世のあなた」から「現世のあなた」へと伝える物語を少しでも受け取っていただけたら、とても嬉しいです^^

『魂物語』が伝えているのは、あなたの前世が何であろうと、現世のあなたがどうであろうと、「前世のあなた」は「現世のあなた」を愛し、応援してくれているということ。

たまに「前世の業(カルマ)が……」という言葉も耳にしますが、私は前世を嘆いて後悔したり、現世を前世の罪滅ぼしの場にはしたくないと思っています。
より現世を楽しんで魂が成長するために、前世からの学びや気づきを得たいです。
そのためにこそ、この『魂物語』を魂を込めて作りました♪

正直、前世や来世のことも不確かでわかりません。
でも、私たちは今こうして、現世で生きています。それは確かなことです。
だったら、今生きているという事実を大切に、現世をとことん楽しみたい!自分らしく生きたい!!って、思いませんか?^^

例え何度も魂が転生を繰り返そうと、あなたがあなたとして生きている「今の人生」は、たった一度きりなのですから……

あなたの『魂物語』が、あなたの魂に寄り添っていきますように。




お知らせ

78枚のタロットカードで、あなただけの『魂物語』を紡ぎます♪

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