
【本】「感想文」から「文学批評」へ: 高校・大学から始める批評入門 (小林真大/小鳥遊書房) #3
こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。
今日は『「感想文」から「文学批評」へ: 高校・大学から始める批評入門』の三章、構造主義関する章のまとめをお送りします。序章(文学批評の型)、一章(作家論と近代文学批評の誕生)、二章(ニュークリティシズム)、と読み進めております。
わたしのアタマの中で、わりともやもやしていた文学批評の歴史や要点が、この本には、すっきりと解説されていて、とてもありがたい本です。
所詮、わたしのまとめはごく一部にすぎません。
気になる方は、ぜひぜひ本書を読んでみてください♪
■第三章 すべての作品には共通するシステムがある?ーーニュークリティシズムから構造主義へ
〇構造主義のはじまり
ソシュールの『一般言語学講義』(1916)
1.言葉のイイは恣意的
2.言語は一つのシステムであり、言葉は他の言葉との差異によって意味をもつ
3.言葉が現実世界を作っている
〇ソシュールから構造主義へ
構造主義の2つの結論
1.世界は記号で成り立っている
2.記号は言語のように解読できる
…だったら、文学だって解読できる!
〇構造主義の実践例
トドロフの命題
登場人物+属性(状態・性質・身分)
登場人物+行動(変更・違反・処罰)
〇ロラン・バルトによる物語の構造分析
×帰納法
〇演繹法 仮説「物語は大きな文である」
〇構造主義の限界
・要約作業は主観的なもの
・構造がわかっても、それが物語のどのような意味を与えるの?
・文学作品の社会や歴史的な背景をどうする?
無敵と思えた構造主義にも、限界がありました。
つくづく歴史を学ぶと、諸行無常と思います。構造主義の次に、文学批評の王者となるのはどんな考え方なのでしょう…!? 四章に続きます♪
■本日の一冊:『「感想文」から「文学批評」へ: 高校・大学から始める批評入門 』(小林真大/小鳥遊書房)