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【本】『上手な教え方の教科書 ~ 入門インストラクショナルデザイン』(向後 千春 /技術評論社)
こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。
教える仕事に就いていなくても、日常生活において、知っていることを他人へ教える場面が多々あります。
正直申しまして、わたしはあまりうまくいっていないように思いまして、この本を手に取りました。
例えば、わたしは仕事柄パソコンの使い方に慣れているので、ときどき、使い方を相談されることがあります。
聞かれたことには、なるべく正確に答えているつもりだけれど、わりと相手が不満そうな顔をしていることが多々あります。
ざっくり読んでみましたが、さすが教え方の教科書というだけあって、読みやすかったです。
教える、ということは「熱意と丁寧さ」が大事なのだと勘違いしていました。まず相手のニーズとゴールを確認しなければならなかったのです。
ニーズ:学ぶための目的
ゴール:具体的な学習成果
そして、この二つを結び付けるのが、リソース(テキストなどの教材)とフィードバック(できたかどうかの確認)ををつかった活動で、それがうまくいくように設計する必要があるのです。
今までの私は、ゴールにたどり着いたかどうかは、質問者に勝手に判断してもらっていましたし、ニーズも質問者の胸の内にしかありませんでした。
これではうまくいくのは奇跡のようなものですね。
また、教える内容は、、
運動技能・認知技能・態度
・・・の3種類に分類できるという説明に愕然としました。
たとえばパソコンの操作方法を教える場合には、
①パソコン画面に出ていることの中から必要な情報を認識して
→認知技能が必要
②画面上のしかるべき部分に、「クリック」などを行う
→運動技能が必要
という風に、認知技能と運動技能の二種類の修得が必要です。
つまり、この二種類が必要だと意識しないで済むように熟達していたのならば、そもそも、他の人に操作方法の質問なんかしないはずなのです。
このように、教え方を要素に分けて、具体的作業をあてはめてゆくと、教わる側にとって、うけとりやすい教え方を考えるきっかけになります。
こういう本に、もっと早く出会いたかったですね。
■本日の一冊:『上手な教え方の教科書 ~ 入門インストラクショナルデザイン』(向後 千春 /技術評論社)