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【本】『珈琲とエクレアと詩人』(北村太郎・絵 橋口幸子・著/港の人)

こんにちは、『猫の泉 読書会』主宰の「みわみわ」です。

『珈琲とエクレアと詩人』は、詩人の北村太郎(1922-1992)の晩年の姿を優しく描いているエッセイ集です。

先日、友人に、北村太郎の『空とぶ猫』 を教えてあげたら、ちゃんと読了してくれて、今度はわたしに、この本を教えてくれました。

それによると、北村太郎は小町通りの喫茶店・イワタで、よく珈琲とエクレアを注文していた様子です。

その喫茶店なら知ってます。
わたしは鎌倉は年に1回行く程度ですが、いつ行っても並んで待っている人がいました。だから、外から眺めるだけで一度も入ったことはありません。

だけど、北村太郎が好きだったエクレアなら食べてみたい気がします。
いまでも、そのエクレアは、とり扱われているのでしょうか?

開店時刻9:30を狙って、平日の朝に行ってみました。寒い朝で布団から出るのがちょっと辛かったですが早起きして、電車を乗り継いでおよそ2時間ほどです。
ラッキーなことに、お庭に面したテラス席に座われました。

テラス席から見た店内の様子

メニューにエクレアはちゃんとありました。
紅茶とのセットにしました。北村太郎のように珈琲とセットにしてみてもいいかなと思ったのですが、実はわたしは珈琲をを飲むとお腹が痛くなるので。

これが北村太郎も食べただろうエクレア♪

うちの近所のパン屋さんで売ってるのと比べると、甘さ控えめです。男性がちょっとつまむのにちょうどいい感じなのかもしれません。

せっかく来たのでサンドイッチとチョコレートパフェも頼みました。
サンドイッチはすごく美味しかったし、チョコレートパフェはむかし懐かしい感じでした。

チョコレートパフェ
エビの入ったサンドイッチ。とっても美味しかった♪

さて、『空飛ぶ猫』と比べると、『珈琲とエクレアと詩人』は時系列がしっかりしていて、淡々と描写してぼやかさないこともあって、北村太郎の晩年の鎌倉生活が、実は心身ともにかなりつらい状況だったことがうかがえます。

それでも、身体が辛い事や気がかりなことについて、ギリギリまで表に出さず、まわりの人々への気遣いを忘れず、心配事があっても一人で考え抜く北村太郎が『珈琲とエクレアと詩人』には、描かれていました。

その一方で、料理屋さんとか喫茶店など、日常で縁のある人々には自然体で接していて、とても慕われていたようです。

なるほど、詩人は繊細だけでも、天然でいるだけでもいけなくて、矛盾するそれらの性質を両方とも持っているものなのかもしれないと思いました。

■本日の一冊:『珈琲とエクレアと詩人』(北村太郎・絵 橋口幸子・著/港の人)




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