おとなりさん
元町と中華街が、
川をはさんでおとなりさんだと気付いたのは、
かなり大人になってからだった。
子どもの頃も、
何度も来ていたし、
高校生の頃は、
何かと立ち寄った場所だし。
それでも、
地続きの感じがしていなかった。
おとなりさんなのに、別世界。
街の雰囲気も、もちろんそれぞれが
個性的だからなのだろうが、
その個性が個性であり続けるために、
この川が、
キチンと線引きをしているからだろう。
見えているけど、見えない国境線。
いつでも行き来できる橋もある。
干渉しつつ、干渉しない。
理想的な距離感が、ここにはある。