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旅をするわたし 京都・祇園祭 2022.7.16~19

ザ・ゲートホテル京都高瀬川 泊

例の感染者数が急増中。なんでこのタイミングなのだと、恨みたくなる。福祉施設に通う息子が、ウイルスを家に持ってくる確率が高く、ギリギリまで行ける気がしていなかった。でも、この日程でなければ意味がない。京都は祇園祭なのだ。

一生に一度は見たいと思っていた日本一のお祭りに、どっぷり浸かる3泊4日。

京都は春の桜以来だけれど、ひとり旅は年末以来。また京都かと思われそうだが、飽きるまで京都へ行こうと決めている。

祇園祭の期間は、一ヶ月と長いものだが、一番の盛り上がりは、前祭と後祭の宵山、山鉾巡行、神輿渡御だろう。そのなかの前祭期間を楽しむことにした。

宿泊先は、昨年の秋に泊まったザゲートホテル京都高瀬川にした。山鉾巡行の中心地、河原町の交差点にも近い。

運悪く、三連休に重なってしまった。平日に出かけられる身分なのに、連休とはかなりの混雑が予想される。それでもホテルも新幹線も、山鉾巡行の有料観覧席のチケットも取れた。情報収集がうまくいった。


一日目。

新幹線は、新横浜7時39分発。早めに家を出て、崎陽軒の横濱チャーハンを買う。新幹線で、もう何回食べただろうか。なんとなく、チャーハンのお弁当が落ち着く。連休初日だが、座席は満席ではなく、二人席をひとりで使えた。曇り空で富士山は見えず。チャーハンを食べてお腹いっぱい。またかちかちアイスに手がでなかった。

京都には定刻で着いた。地下鉄で四条へ。コインロッカーに荷物を入れて、地上へ出る。

長刀鉾

目の前にいきなり長刀鉾。すばらしい。これが山鉾か。うわー、と思わず声が出る。テレビの画面でしか見たことのなかった大きな鉾が、目の前にある。とりあえず厄除け粽を買う。御朱印もいただけた。

普段、寺社を訪れても御朱印はいただかないのだが、祇園祭には専用の御朱印帳があって、各山鉾でスタンプが用意されている。せっかくなので、すべてまわっていただくことにした。

油天神山

長刀鉾からスタートで、保昌山、太子山、木賊山、油天神山、芦刈山、伯牙山、四条傘鉾、蟷螂山、郭巨山、放下鉾、船鉾、岩戸山、綾傘鉾、白楽天山、鶏鉾、月鉾、菊水鉾、霰天神山、山伏山、占出山、孟宗山、函谷鉾の順にまわった。


蟷螂山

蟷螂山では、かまきりみくじの列に並んだ。からくりがおみくじを引いてくれる。中吉。なかなかいい内容だった。なんだかほっとする。無事にここまでこられてよかった。

御朱印をいただくのに支払う小銭が足りず、途中で和菓子屋さんに入った。後祭の大船鉾にちなんだお菓子があったので、それにする。またご縁を結べますようにとお店のかたに言われて、スタンプカードをもらった。きっとまた来ます。

途中、のむらでお昼を食べる。モントレに泊まったときに、何度か利用したおばんざいのお店。小鉢を選べる。お昼を過ぎて、もう空いていた。

厄除け粽は、長刀鉾、函谷鉾、船鉾で買った。どこで買おうか迷っているうちに、どんどん売り切れる。函谷鉾では、てぬぐいも買えた。

函谷鉾では、祇園囃子がはじまっていた。生の御囃子。体に響く音に感動する。

四条駅に戻ってコインロッカーから荷物を出し、河原町まで阪急でひと駅。地上へ出て5分ほどでホテルへ。

最高なお部屋

2回目のザゲートホテル京都高瀬川。前回は、クラッシーという高層階の広い部屋に泊まったのだが、今回はモデストというビジネスユースのひとり用の部屋にした。横に長い部屋で、入って左手にシャワーブースと洗面とトイレ、右手にワークスペース、さらにその奥がベッドルームになっている。ベッドはセミダブル。テレビはベッドルームの壁についていた。ネスプレッソもあり。外壁面は一面の大きな窓。窓の外は芝生の広場を見下ろす。スクリーン越しに浴衣の若者たちがおしゃべりしているのが見える。

ワークスペースは、ヴィトラの電動昇降デスクとハーマンミラーのアーロンチェア。大きなディスプレイとキーボードも設置されている。若い頃から、鏡台よりも机が欲しい人なので、なによりの贅沢品だ。見てるだけでわくわくする。座り心地も最高。さっそくMacBookを接続。資料やカメラも並べて、あっというまに自分仕様の机になった。

カメラの充電をしつつ、少し休んでから、夕食を食べに行く。ホテル1階の春水堂で豆乳冷麺と豆花とジャスミンミルクティー。

月鉾

部屋に戻って、NHKの祇園祭中継を見つつ、もう一度おでかけ準備。また阪急を一駅乗って、四条烏丸から宵山の夜を歩く。山鉾の提灯がともって美しい。人も多いけれど、思ったよりもぎゅうぎゅうな感じはない。それぞれの山鉾から日和神楽が出発する。ついて歩いて、祇園囃子を聴く。河原町の御旅所まで、神楽といっしょに歩いてホテルに戻る。

シャワーをあびて、書き物をしていたら、外で雨音がし始めた。昼間も雨の予報だったけれど、蟷螂山あたりで少し傘をさした程度だった。

26000歩以上、歩いていた。腰が痛い。明日、起きられる気がしない。


二日目。

アラームに起こされる。雨音は止んでいる。

朝食は祇園祭のためか6時スタート。15分に行ったらもう満席だった。すぐに食べられないのは困ると、ホテルスタッフに怒っている人がいる。せっかくのおいしい朝ご飯を、自分から台無しにしているようで、残念な人だった。気持ちよく待てばいいのに。

しあわせな朝ご飯

朝食は和食、エッグベネディクト、フレンチトーストから選べる。小鉢がいっぱいの朝御膳にした。お魚が、太刀魚と鱧。この時期だから、鱧を食べたいと思っていたので、うれしい。眺望のいい席で、ゆっくりいただいた。

さて、いよいよ山鉾巡行見物へ。まずは地下鉄でひと駅。烏丸まで行って四条烏丸の交差点に出る。ここが巡行のスタート地点。すでに長刀鉾をはじめ、山鉾が並んで出発を待っていた。観覧客も歩道からはみ出しそうなほど大勢。

長刀鉾

長刀鉾に稚児が乗り込み、大きな鉾が動き出す。順番に出発する山鉾を1時間くらい見送って、御池通の有料観覧席へ向かった。

御池通

広い御池通の両側にパイプイスが並び、観覧席が作られていた。席は日なた。太陽がぎらぎらと照りつけている。日差しがますます強くなる時間なので、歩道の木陰で待機する。

山鉾の通過時間が近づいたので、席へ。チケットを取った席は、2列目だった。ブロックごとに入場口があって、チケットを見せるとおみやげセットと凍ったアクエリアスを渡される。おみやげセットは、祇園祭の公式パンフレットのほか、うちわ、消毒ウェッティ、冷感シートなど。凍ったアクエリアスをもんでとかして飲みながら、先頭の山鉾を待つ。

四条烏丸で見送った長刀鉾は、予定よりも20分ほど遅れてやってきた。目の前で稚児が舞う。えんやらやーのかけ声。ぎしぎしと大きな音をたてて、左右に揺れながら、鉾がすすむ。本物だ。自分の目で、耳で、山鉾巡行を体感する。テレビや動画で見ていたものは、やっぱり写しでしかなかったのだ。本物は強い。

新町通への辻まわしが近い場所だったので、山鉾が目の前にたまりはじめた。広い通りに2列になって止まる。山鉾を曳く人たちが水分補給をしたり、塩飴をなめたり。かけ声とともに動き出すと、またお囃子が始まる。山鉾それぞれのテンポ。曲数はどのくらいあるのだろう。

最後の船鉾がやってきたのは13時半頃だった。長刀鉾がやってきてから2時間、席についてからは3時間が経過していた。すばらしい時間だった。けれど、暑さとの戦いでもあった。体力がないと楽しめないのだ。今年見ておいてよかった。年を取れば取るほど、楽しめること、できることは減っていくのだと実感した。

新町通

観覧席を出て、新町通の辻まわしを見に行く。新町通は、一方通行の細い路地。建物が道路にせり出し、電柱や電線が張り巡らされている。角度を調整しながら、少しずつ大きな鉾を動かして、それぞれの町へと帰って行く。

最後にやってきた船鉾が、放下鉾よりも先に辻まわしを始めた、その時、急に空が暗くなって、強い風が吹き、大雨が降った。神様が何かしている。祓っているのだ。雨はすぐにやんだ。すべてを見送ったのは、14時半ころだった。

おなかすいた。。。ランチのできそうなお店はすでに行列になっている。ホテルへ戻りつつ歩きながら、チョコレートのお店ベルアメール京都別邸に寄ってみた。順番待ちで、ランチはすでに終わっていた。一旦あきらめてお店を出たけれど、このまま戻ると食べそびれそうなので、お店に戻って順番待ちに入る。カフェで季節限定のパフェをいただいた。そこからまた歩いて、ホテルに戻ったら、すでに16時だった。

少し休んで、また出かける。祇園祭、山鉾巡行ばかりが注目されるが、メイン神事は実は御神輿だ。山鉾巡行は、御神輿のための露払いだった。夕方、八坂神社の神様が氏子たちの住む町へ出てきて、後祭まで御旅所という場所に安置される。

とりあえず、夕食を確保しに、河原町の高島屋へ。デパ地下で京都っぽいお弁当を買う。そこから歩いて、八坂神社へ。神社の前まで行って、大混雑なので戻る。一力の前あたりが少し空いていて見やすそうだったので、このあたりから見ることにする。

神輿渡御

NHKのドキュメンタリーで見た宮本組が登場した。太鼓、白馬、そして、ほいっとほいっとのかけ声とともに、御神輿が三基。御神輿は、通常は周辺をぐるぐるまわるらしいのだが、今回は感染症対策で、御旅所へ直行だそうだ。御神輿といっしょに河原町まで戻り、ホテルへ帰った。

部屋で、御神輿のネット中継を見ながら、お弁当をいただく。とうもろこしごはんにだし巻き、おばんざいが数種類。おちつく。

3時間近くパイプイスに座っていたので、腰が痛い。早めに寝る。起きられる気がしない。


三日目。

アラームに起こされる。けっこう寝られた感じはするけれど、腰がめちゃめちゃ痛い。ヨガの太陽礼拝をしてストレッチ。

しあわせな朝ご飯

朝ご飯は、エッグベネディクトにした。昨年の秋にいただいたときには、付け合わせにソーセージがあったような。もちろんなくても充分。

さて今日は、祇園祭から離れて、宇治へ行く。

御旅所

その前に、御旅所へごあいさつに。御神輿三基が並んで鎮座していた。

京阪に乗って、宇治へ。途中乗り換えてあっというまに三室戸駅。予想よりずっと近い。

三室戸寺

駅から15分ほど歩いて、三室戸寺へ。門を入って坂を登っていくと、右手に広い広いあじさい園が見えた。あじさいで有名なお寺で、あじさいの時期に実は車で近くを通っている。寄りたいなーと思いながら、ひとり旅でなかったのであきらめた。見たかったなー。でもいまは蓮が見ごろのはず。

さらに少しあがると、左手に薬師如来の祠があった。薬師如来は仏様の世界のお医者さんなので、このあと手術をする夫のことをお願いした。

宇賀神

坂を登り切ったと思ったら、長い石段が登場した。息を切らして登ると、宇賀神の石像が待っていた。しっぽをさわると金運と書かれていたので、さわっておく。

正面に本堂、その前にたくさんの蓮の鉢が並んでいた。草刈り機のモーター音が響いている。お寺の人か、おじいさんが草刈り機で蓮の葉を刈っていた。いくつかつぼみも切られていた。かわいそうだよ。集めて水に挿したい。蓮の写真を撮って、三重の塔、お庭も見た。浮舟の石碑があった。源氏物語らしい。

源氏物語ミュージアム

少し歩いて、源氏物語ミュージアムへ。さっき見た石碑の浮舟の物語、宇治十帖を中心に、物語や時代背景の展示のほか、映像作品の見られるシアターがあった。映像は2作見る。そういう物語だったのか。源氏物語、ちゃんと読んだことがない。おさらいするなら、あさきゆめみしでいいか。

庭園パフェ

ミュージアムのなかにあるカフェでランチ、というかお茶にする。日本庭園を模した庭園パフェと水出しの冷茶をいただく。宇治はお茶の本場。いい香り。

宇治上神社

ミュージアムからまた少し歩いて、宇治上神社。世界遺産で国宝とか。さらに近くに宇治神社というのもある。ややこしいが、少し新しいようだ。もうすぐ宇治川というところで、福寿園の工房を見つける。寄ってお茶やお菓子を買う。お茶は限定の朝霧橋という煎茶にした。これから渡る橋だ。息子のおみやげに抹茶プリンもお買い上げ。

朝霧橋

朝霧橋を渡って、宇治川を越える。水が豊かで流れが早い。浮舟の流れていくようすが思い浮かぶ。渡ったところが平等院。息子を連れてきたことがあったから、久しぶりの場所だが、入り口とか、お庭の通路とか、記憶とかなり違っていた。前回は車いすルートでまわったからかもしれない。本堂内の見学は90分待ちだったのであきらめた。たしか前回見ているはずだ。

スタバに寄って少し休憩。宇治橋で宇治川をふたたび渡って、京阪宇治駅へ。帰りもあっというまに祇園四条に着いた。

ホテルに戻って休憩。夕食はどうしようかあれこれ調べる。


サラダの店サンチョにて

洋食系にしようと決めて、行ってみたいと思っていた「サンチョ」のことを思い出した。小さなお店で混雑するらしいので、ダメ元で行ってみたら、少し待ってカウンター席に座れた。ハンバーグとエビフライと山盛りサラダ。パイナップルとヨーグルトのジュースもつける。ほかの食べている人たちが、みんな口々に「おいしー!」と声にしているのがとてもいい。京都の洋食、満喫した。

北観音山

お腹いっぱいなので少し歩こうと、四条通に出たら、御囃子が聞こえた。御旅所に人だかりができている。行ってみると、北観音山の奉納囃子だった。後祭の御囃子も聞けてちょっとうれしい。八坂神社の粽を買った。

ホテルに戻って、コーヒーでも飲もうとラウンジへ行ってみたら、誰もいなかった。部屋に戻って、ネスプレッソをいれる。明日は大雨の予報。どこへ行こうか迷う。後祭の山鉾建てを見に行く予定だったけれど、雨じゃ無理だろう。夫とネットでおみやげの相談。テレビでやっていた製あん所へ行ってみようか。

外で雨音がしはじめる。早めにベッドに入ったが、なかなか眠れない。まくらをやわらかいのからかためのに取り替える。こっちのほうがいいかも。


四日目。

大雨の雨音で目が覚めて、もう一度寝る。7時過ぎに起きたが、やっぱり大雨。どうしようか考える。チェックアウトしてから、どうしたら一番ぬれずに行動できるのか。荷物は昨夜のうちにほとんど詰めてあった。

しあわせな朝ご飯

朝食へ。三連休が終わって平日なので空いていた。フレンチトーストにする。これで3種類の朝食をコンプリート。クロワッサンも追加でいただいた。

部屋に戻って、世界陸上を見ながらスマホの充電。小池選手が陽性になってしまって欠場とか。リレーのメンバーはどうなるんだろう。テレビを見ていても、雨は弱まらない。

10時近くになって、あきらめて出発。心ばかり小降りになっていたので、河原町のアーケードまで急ぐ。バス停まですぐだった。京都駅までバスで移動する。京都駅についたら、豪雨だった。バスターミナルの屋根のしたまで雨が吹き込む。道路は川のようになっていた。駅に入っても、雨のしぶきが飛んでくる。コインロッカーにキャリーバッグを押し込んで、またバスターミナルへ。北野天満宮方面のバスに乗る。途中、バス停でとまるたびに、ドアの外が滝のようになる。もう笑うしかないような雨。警報が出ている。

そうだ。どこか、雨の庭を眺められるお寺はないだろうか。ひらきなおって、地図を眺めながら考える。バスは立命館大学行き。大学の近くに等持院があった。ここだ!ホームページを確認したら、緑いっぱいのお庭を眺めながらお茶とお菓子をいただけるらしい。ここに決まり。

バスは立命館大学の門の前にとまった。雨は、かなり小降りになっていた。等持院は大学の裏手にある。お寺の入り口はさらに反対側なので、住宅街を15分ほど歩いた。

等持院

等持院には、誰もいなかった。そりゃそうか。貸し切りの庭を散策していたら、スマホがぎゅんぎゅん鳴り出した。エリア警報。近くの川が氾濫水位を超えたらしい。雨が少し強くなる。ぬれながらも、庭をめぐる。青もみじが雨に美しい。本堂にあがって、お抹茶とお菓子をいただきながら、しばらく眺める。贅沢な時間。大雨だけどゆっくりできた。

中村製あん所

雨雲レーダーを確認しつつ、平野神社、北野天満宮を通って、中村製あん所へ。古い商店街のなかにあった。すみませーん、と声をかけたら、おばあちゃまが出てきた。つぶあんともなかのセットをお願いする。ドラマのポスターが貼ってあった。あんこの入った紙袋を抱えて、大将軍八神社へ寄る。途中の用水路のような川が濁流だった。そろそろ戻ろう。バス停で確認していたら、京都行きのバスが来た。

よく調べないでバスに乗ったら、知らないルートだった。ぐるっと遠まわりしているうちに、雨はやんだようだった。

東本願寺

京都駅の手前で降りる。まだ時間があるので、東本願寺へ寄ってみる。広すぎてこわい。西本願寺にも行ってみればよかったかな。

イノダコーヒ

そろそろ買い物。伊勢丹の地下で、いつものおじゃこと祇園祭のお菓子をいくつか。ポルタのイノダコーヒで、遅めのお昼にオムライス。書き物をして少し時間をつぶす。アラビアの真珠を買う。

早めに新幹線の改札を通る。おみやげコーナーを少し見て、漬け物を買った。まだ時間があるので待合室のソファに座る。少し早めにホームへあがって、またホームの待合室で座って待つ。帰りの待ち時間がどう考えても多すぎた。最後に調整を誤った。

新幹線は定刻にやってきた。新横浜にも定刻に着いた。


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