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日本と中国 相続の違い⑦特別の寄与

みなさんこんにちは。行政書士市川聡子事務所の市川です。
さて。。。明日からフィギュアスケートの四大陸選手権が中国上海で始まりますね。今朝、上海浦東空港へ到着した選手たちの様子を撮ってくれた動画を見て、なんだか懐かしくなりました。あー浦東空港ってこんな感じだったよねと。皆さんが目指した結果が出る事を祈っています。

さて、今日は中国民法典の1129条です。
とても短い条文ですが、馴染みのない中国語の目白押しです。

中国民法典1129条

初めに
丧偶儿媳  って何ぞや?」ってことですよね。
丧のピンインはsang で死亡という意味。日本語の「喪」の簡体字です。
偶は「夫妻中的一方」という意味なので、夫婦の旦那さんもしくは奥さんですね(配偶者という単語に何故この「偶」という字が使われているのか今更わかったような気がしました^^;)。
儿媳はご存知の方も多いと思いますが、息子の嫁

次に「赡养」というまた馴染みの薄い単語。。。
「指子女晚辈对父母或长辈在物质上和生活上的帮助。包括两种情况」
という事なので、子女もしくは卑属が父母もしくは尊属の生活扶助をする。という意味ですね。

なので、

1129条意訳
配偶者を亡くした夫または妻が、亡くなった配偶者の両親(義親)の生活扶助義務を尽くしたときは、第一順位の相続人となる
#上記は私が付けた意訳です。正しくは中国語版をご覧ください。

となりますが。。。第一順位の相続人になってしまうのですね。
#この法律には「生活扶助義務」と書いてありますが、中国の法律には義親の生活を扶助する法的義務は明示されていません

日本の民法の場合「特別寄与料制度」というのができまして、配偶者が既に亡くなっており、配偶者の親(義親)の介護をしていた場合などに義親(被相続人)の相続開始後、「被相続人の親族」が一定の要件の下で相続人に対して金銭請求できる制度です。
該当部分の日本の民法条文です ↓ 

第十章 特別の寄与
第千五十条 被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。

民法 | e-Gov法令検索

ただし、通常の「寄与分(民法904条の2第1項)」は相続人が対象となりますので、混同にご注意を。

それでは本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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