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過去形にならない日々

ふわふわと
それでいて、じんわりと
こころの中に広がっていく感情が
今、ここにある。

まだまだ感情のアップロード中で
うまいこと纏められるかなとか
うまいこと言葉に表せられるかなとか
そんな自分もいるのだけど
今回はそれでも、そのままでも
ここに"残す"ことに
意味があるんじゃないかなと思っている。

ちょっとだけベンチに座って
太陽の元で、ぷかぷかと浮かんできたものを
ここに連ねたい。

2月


ぼんやりと、目の前が滲んでいくような日々だった。

東京の冬って、札幌の秋みたいで
もうすぐお家に帰れるっていうのに
こころが還る場所はここじゃないような気がして
ただ、ただ、ぼんやりしていた。

そんな中でも、そんな自分でも
手を繋いでくれた人がいた。
少しずつでも、自分のペースで
目を覚まして、深い眠りについた。

3月

こんな自分でも、会いにきてくれる人がいた。
会いたかったよって言ってくれる人がいた。

その人に、言葉に、どれほど救われたことか。

札幌の雪が溶けるのに、時間がかかるように
まだ自分のこころの雪も溶けきれていなかったけれど
それでも、春みたいな暖かさを感じれたことに
安堵感とか、安心感とか、
こころが満ちていくような感覚を覚えた。

4月

またちょっと、お散歩してみたくなった。
人とか、想いとか、場所に
会いに行きたくなった。

いいじゃん!すごい!って
言ってくれる人がいて
自分の言葉をもっと届けたいと思った。

キッカケは、とても些細なことだったけれど
私からしたら、とても大きな選択
迷わず、その道を選択できたのは
少なからず あなたの言葉のおかげなんだ。

5月

ひさしぶりに、旅へ出た。
あなたに、会いに行った。

その土地は、もう夏みたいな空気を纏っていて
暑いなぁなんて思いながらも
少しずつ目の前の景色が鮮明になっていた。

この世には、意外と
わたしを受容してくれる人間がいて
また会いたいと言ってくれる人間がいることに
ここで改めて気づいた。

あなた以外の人の形に触って、聞いて、
あなたへの感情の密度が濃くなっていた。

夏が来ることが、楽しみになった。

6月

半袖を着て、はじめまして をすることが増えた。
少しずつ、太陽の元で息をすることが増えた。

未来の予定があることへの、有り難みを知った。

また会いたい人 また行きたい場所があるだけで
こんなにも、毎日が輝くんだと思った。

もっといろんな場所へ足を運びたい
もっといろんな人のこころを知りたい
もっといろんな感情を伝えたい

そんなことを考えていたら
あっという間に時間が溶けていった。

7月

会いたい人には、また会えることを
この身で、改めて知った。
札幌の夏が、だいすきになった。
愛おしいと思える人が、パッと増えた。

目の前の景色が滲んでいたことなど忘れるくらい
毎日が、時間が、すごく尊く感じた。

自分の好きなところを
少しずつ口に出せるようになった。
自分の言葉を粗末にしたくないと
少しずつ大切にできるようになった。

まだまだ、この夏の延長線が続くと思った。

8月

海と山と、愛おしい人に囲まれて過ごした。

毎朝、海のとなりを走って職場へ向かうことも
ただいまと言ったら
おかえりと言ってくれる人が居たことも
些細なことでも
お腹を抱えて大きな声で笑えたことも
隣で大きな寝息を聞いて眠りにつくことも
毎日が愛おしくて
すごく、生きている実感があった。

はじめて、本を作る人たちに囲まれて
1日のほとんどを過ごした。
"わたし"ではなくて
"わたしの本" "わたしの言葉" を求めて
会いにきてくれる人がいることに気づいた。

まだまだ、まだまだ
生きたいと思った。

目の前に居るあなたとの日々も
こころの中にあるわたしとの感情とも。

9月

未来を見つめる時間が増えた。
今、在ることへの"慣れ"が増えた。

もっと もっと って
千と千尋の神隠しに出てくるカオナシみたいな
自分がこころの中にいて、
そんな自分自身にもうっすら気づいていて、
いろんなことと 少し距離を置きたくなった。

この先も一緒に居たい
この先も創り続けたい

優先順位とか 有り難みとか
そういった類いの大切なものが
目の前の生活の中に溶けていった。

10月

あなたの隣に居ない選択をした。

まだ、それぞれは"それぞれ" で
ふたりは、ひとりひとりなのだと知った。
当たり前のことを当たり前だと
思ってしまうようになった自分に
とても嫌気が差した。

それと同時に
はじめて、人を愛する気持ちを
ほんの少しだけ、学べた気がする。

生きているんじゃなくて
生かされていることに
改めて気がつく。

一緒に生きていたようで
あなたに生かされていたことにも。

まだ悲しさがこころの中にあって
たまに涙をこぼしたりするけれど
こんなにも沢山のことに気づかせてくれたあなたに
こんなにも沢山の温かさに触れさせてくれたあなたに
純な気持ちで "ありがとう" と伝えたい。

今は、そこまで目の前が濁っていなくて
空の青さとか、空気の匂いとか
包んでくれるものが鮮明に見えている。
それも、これも、どれもが
出逢うべくして出逢ってくれた
あなたのおかげだ。

残り2ヶ月の今年も、来年からの新しい日々も
わたしの中で過去形にすることなく
きっと、現在形であなたと共に生き続けるだろう。

こうして、わたしは選んだ道を正解にしていく。

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