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自然のとなりで 息をすること

みなさんこんにちは、萬貴です。
今、ひさしぶりのひとり旅で
人生初の岡山県に足を踏み入れていて。

心がぽかぽかしたり
人の温かさにキュンとしたり
自然の力強さにハッとしたり
忘れたくない感情を
ひとつひとつ噛み締めて息をしています。

そんなわたしの呟きに
少しだけ付き合ってくれたらうれしいな。


消えないプレゼントをわたしへ

瀬戸内海暮らしに憧れを抱いていた。
海のとなりで暮らすって、どんな感じなんだろう。
島が近くにあるって、どんな感覚なんだろう。
少しでもいいから、触れてみたかった。

去年の今頃から、1年が経って
23歳になろうとしている自分に
無事、1年生き抜いた自分に
何かご褒美をあげたくて
今回、瀬戸内海暮らしをプレゼントすることにした。

モノやコトも良いのだけど
経験的財産って、一生物。
すべてのピースが揃った時、
すぐに岡山行きの夜行バスを予約した。

気持ちが固まったら、即行動派のわたしは
こうして岡山行きの切符を手にしたのであった。

わたしのお部屋には 宝物スペースがあって
その中に、瀬戸内海暮らしっぽい
ポストカードが飾ってある。
今思うと、岡山の景色に似てる気がする🪼


おだやかな海 のとなり

夜行バスに乗って、岡山県に到着した。
バスを降りた瞬間、知っている匂いがした。

うん、自然のそばにある匂いだ。

正確にいうと、
わたしのおばあちゃんが住んでいる街の匂い。
人が多すぎたり、人工物が多すぎると
この匂いが香ることはない。

そのことも含めて、降り立った時から
とても心が安心していた気がする。

倉敷市にある、美観地区をぷらぷら散歩して
可愛がられているネコさんに挨拶をして
また、2時間ほどバスに揺られた。

岡山県って、ねこ好きが多いのか
至る所に ねことねこが喜びそうなものが在った🐱
(わたしの前世はねこなので、気持ちがわかるのです)


無事、予約していたhostel floatに到着し
重たいスーツケースを建物の中に入れる。

ちょうど、夕暮れの時間だった。
「いらっしゃい、よく来たね」と言わんばかりの
温かいオレンジ色した太陽に
とても心がぽかぽかしたの。

お部屋の目の前は、瀬戸内海。
温かいオレンジ色した光が差し込んでいた☁️

自分で自分にご褒美を用意したものの、
こんなにも贅沢な景色を独り占めしていいのか!と
脳裏をよぎってしまうほど、綺麗な景色。

夜はサウナに入って、よりぽかぽかして
ゆったりとお布団に入った。

そういえば、そうだった。
本を読みながら、寝落ちするのが好きだった。
波の音を聞きながら、ゆったりと眠りについた。
こんなにも、しあわせな気持ちで目を瞑るのはいつぶりだろう。

気づいたら、船のボーって音が聞こえて
海がわたしを起こしてくれた。

目が覚めても、海はとなりに居てくれる。
自然の偉大さと寛容さを
朝からゆったりと感じた。
朝ごはんは、鯛めし弁当🍱
お湯をかけて食べるところを
間違えてお茶をかけて食べてしまった。
それでも、とっても美味だった💮


おだやかな人 のとなり

コミュニティスペースで、ある本と出逢った。
「the days of aru」 という題名で
表紙には、後から色を付けたような手作り感。
本を創る者として、惹かれたものがあった。

スタンプのインクで好きなように
表紙へポンポンする会が開かれていたらしい。
なんだそれは、ステキすぎるじゃないか。


この本は、hostelの近くにある「aru」という
本屋さんの店主が作った本。
あいにくaruは定休日で、
今回は行けなかったのだけど
本屋さんを創るまでの過程や
本屋さんになってからの感情の変化
岡山県で出逢った人たちの温かさ
この一冊から、たくさんの温かみを感じて
「またここに来る理由ができた」と嬉しくなったのだ。

その本の中には
「70歳のおともだち」という題名の短編があって、
王子が岳という山で出逢った
素敵なおともだちについて綴られている。

登山など、運動と無縁だったわたしには
レベルが高すぎて挑戦したことはなかったが、
これを読んだら、山に登るしかないと思った。
(とても単純なのが わたしの可愛いところでもある。)

Googleマップには載っていない登山道
入り口が分からず、初手からあたふたした🙉


はじめての登山。
ドキドキしながら登っていくと
1合も満たない場所で、おばさまたちに出逢った。

「あら〜、今から登るんかい?」
「お姉さんひとり?気をつけてね〜」

この山の常連らしきおばさま達は
とてもやさしくて 凛としていて 目が生きていた。
思わず大きな声で
「ハイっ!」と返事をしてしまった。

山を登り進めていくと、
4合目あたりで膝が笑ってきた。
普段、運動などしない暮らしだ。
そりゃそうなる。
それでも、ふと瀬戸内海が顔を出してくれたり
鳥の声をちらほら聞けたり
木々が揺れる音と自分の呼吸音が重なったり
普段、感じない鼓動を感じて
"生きている"心地がした。

「登山って、人生と似てる。」

誰かがそんな風に言っていたことを思い出した。
あぁ、確かにそうだと思えた。
人生って、整備された道の上を歩いていけば
膝が笑うこともない 時間もかからない。
ただただ先に進む(生きる)ことができる。

敢えて、整備されていない斜面を登れば
酸素が足りなくなったり 足が痛くなったりして
時間がかかって、苦しい思いをする。
それでも、先に進む(生きる)意味とか
先に進ませていただいている(生かされている)こと
ひとりで進んでいる(生きている)訳じゃないこと
たくさんの大切なことに気付くことができる。

だから、きっと70歳になっても
人は山に登るんだろうし、
生きている心地を味わうことができるのだろう。

7合目あたりで話しかけてくれたおじいちゃんが
「ここまで登ってこれたの、えらいな」って
ぽつりと、ふらっと、褒めてくれた。
彼は王子が岳のことを指していたと思うけれど
勝手に"ここまで生きてこれた"ことを
指していたように感じて、胸が熱くなった。

また山に登りたいと思った。
整備された道に慣れないうちに。

王子が岳で、秘密基地を見つけた。
心地よくって、20分ほど滞在してた気がする☁️
山を登っている最中に見つけた
突然の感謝の言葉。
主語が見当たらなくて、お得意の想像力が働いた👶🏻


自然のとなりで 息をすること

下山するタイミングって、むずかしくて
日が暮れても危険だし
もう少し太陽の元に居たい気もするし。

思い切って、太陽が海に沈む直前に山を降りた。
わたしが先に海へ着くか
太陽が先に海へ入るか
ひっそりと心の中で競争しながら
足を挫かないように一段一段を踏みしめながら
来た道と同じ道を下っていった。

「お家に帰るまでが遠足ですよ〜」を
なんとなく思い出しながら
「下山するまでが登山ですよ〜」を
合言葉にして進んだ。

"来た道を戻る"
この行為って、意外と人生でも大事かも。
この道を登ってきたんだって振り返りながら
この道を登ってきた自分も褒め称える。

うーん、奥が深いなぁ 登山は。

そんなことをふかふかと考えていたら、
見覚えのある登山道入り口に着いていて
太陽との勝負はおあいこだった。

夕陽が沈む瞬間、
海と山と自分が一緒になった気がして
自然のとなりで 息をすることが尊く感じた。

自然の前では、心が素直になる。
今日もあなたに生かされている。

自然に勝てるなんて、一生思えないな。
これからも、おあいこで、一緒に生きていたい。

夜と夕方の間
このグラデーションが、本当にだいすきだ。
この街は、海と空がふたりでひとつだね🌬️


たくさんの感情を抱かせてくれた2日間。
こんなご褒美をまた来年も
自分にプレゼントできるように
てくてくと、ゆっくりと
斜面を登っていきたいと思った。

あとね
岡山県、すごく好きかも。

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