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【日本語訳】The Three Little Pigs(3匹の子ぶた)

みなさんは、『Project Gutenberg』というサイトをご存知ですか?

著作権切れとなった英語の古典作品を紹介しているフリーサイトです。
作品は無料で公開されており、PDFやKindle、iBooksでも読むことができます。

こちらでは、約7万冊以上の作品が公開されているようです。

今回は、その中から『The Three Little Pigs(3匹の子ぶた)』の原文と日本語訳を紹介します。

作品の冒頭でも触れられていますが、『3匹の子ぶた』には様々あり、ちょっとずつストーリーが異なっているようです。今作品は、その中でも最もポピュラーなものが選ばれています。ぜひご覧ください。


【原文はこちら↓】

【日本語訳】

The Three Little Pigs


ここで紹介している『3匹の子ぶた』のストーリーは、多種多様な原作に基づき製作し、様々な人々の幼少期の記憶を引用しているものです。メインとしている原作はフローラ・アニー・スティールによって再版された「イングリッシュ・フェアリーテイル(1922)」で、挿絵は1904年のエル・レズリー・ブルックのものを使用しています。このストーリーは私たちが最も気に入っているおとぎ話で、子ども向けに作られたストーリーです。



 むかしむかしあるところに、年老いたお母さんぶたがいました。彼女には子ぶたが3匹いたのですが、満足にご飯をあげられないでいました。
そこで、子ぶたたちが十分に大きく育ったので、お母さんぶたは彼らが自分の幸せを探し求めに行けるよう、世界へ送り出しました。

 三男の子ぶたはとてもなまけものでした。彼はまったく働きたくなかったので、自分の家をわらで作りました。

 次男の子ぶたは、ちょっと働きものでしたが少しなまけものだったので、自分の家を木の枝で作りました。

三男と次男の子ぶたは、休みの日になると歌ったり踊ったり楽器を演奏したりして、一緒に過ごしました。

長男の子ぶたは一日中一生懸命に働き、自分の家をレンガで作りました。勉強部屋には立派な暖炉と煙突をきちんと置いていたので、強い風にも耐えられそうでした。

次の日、1匹のオオカミが3匹の子ぶたが住んでいる道の横を偶然通りかかりました。そのときオオカミは、わらでできた家を見つけました。

オオカミは「おや?近くでぶたのにおいがする」と思いました。
そして「このぶたは、とてもおいしいご飯になるぞ」と思い、よだれを垂らしました。

オオカミはドアをノックして言いました。

「子ぶたよ、子ぶた!!」
「ドアを開けろ、ドアを開けろ!!」

3匹の子ぶたは、鍵穴からオオカミの大きな両足を見て答えました。

「いやだ、いやだ、いやだ!!」
「あごの毛1本だって入れてやらないぞ!」

するとオオカミは大きな歯を見せて大笑いしながら言いました。

「だったらこの家をひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ!」

そしてオオカミは、子ぶたの家をひと吹きでプーと吹き飛ばしました!オオカミは大きくあごを開けて、力のかぎりに一生懸命かみつきましたが、1番小さい子ぶたは走って逃げて二番目の兄ぶたと一緒に隠れました。

オオカミは小道を歩いて行くと、まんなかの子ぶたの枝の家の前を通り過ぎました。オオカミはその家が目に入り「中にぶたがいるにおいがするぞ」と思いました。そしてよだれを垂らしながら「よし、今夜の晩ごはんにしよう」と思いました。

するとオオカミは、ドアを叩いて言いました。

「子ぶたよ、子ぶた!!」
「ドアを開けろ、ドアを開けろ!!」

子ぶたは鍵穴からオオカミの耳を見て答えました。

「やだ、やだ、やだ!!」
「あごの毛一本だって入れてやらないぞ!」

するとオオカミは白い歯を見せて言いました。

「だったらこの家をひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ!」

するとオオカミは、ひと吹きで子ぶたの家を吹き飛ばしてしまいました!

オオカミは大喜びして2匹の子ぶたを一度に捕まえようとしましたが、喜びすぎてどちらも逃してしまいました!
オオカミの大きなあごは、空気を噛むことしかできませんでした。2匹の子ぶたはできるかぎり足を早く動かして、大急ぎで逃げました。

オオカミは小道を下って子ぶたを追い続けて、いよいよ子ぶたを捕まえようとしました。しかし、2匹の子ぶたはレンガの家の中に逃げこんで、オオカミに捕まえられる前に家の扉を閉めました。

3匹の子ぶたは、オオカミが自分たちを食べようとしているのを知り、とても怖くなりました。そして、今起きたことは本当に本当に、本当のことだったのだと思いました。

オオカミは一日中何も食べていませんでした。また、あちこちで3匹の子ぶたを追いかけまわしていたので、お腹がぺこぺこでした。そして家の前から3匹の子ぶたのにおいがするのを感じ、「何としてでも3匹の子ぶたを捕まえて、最高のごちそうにしよう」と思いました。

そして、オオカミはドアを叩いて言いました。

「子ぶたよ、子ぶた!!」
「ドアを開けろ、ドアを開けろ!!」

3匹の子ぶたは鍵穴からオオカミの細い目を見て、答えました。

「やだ、やだ、やだ!!」
「あごの毛一本だって入れてやらないぞ!」

するとオオカミは、白い歯を見せて言いました。

「だったらこの家をひと吹きでプーと吹き飛ばしてやるぞ!」

よし!!
オオカミはヒーと吹いて、プーと吹きました。次にプーと吹いて、ヒーと吹きました。そして、ヒーヒープープーと吹きましたが、子ぶたの家は吹き飛びませんでした。
最後にオオカミが大きく息を吐き出すと、それからヒーともフーともできなくなりました。するとオオカミは立ち止まって少し考えました。

オオカミが休んでいる間に、子ぶたたちは逃げ切りました。

オオカミは怒りで踊り狂いました。そして、煙突の中から子ぶたの家に入り込み、今度こそ3匹の子ぶたを夕食のおかずにしようと誓いました。

しかし、オオカミが屋根によじ登っている間に、3匹の子ぶたは火を起こして大きな鍋に熱いお湯をたくさん沸かしました。

そのとき、ちょうどオオカミが煙突の中から降りてきたので、子ぶたはフタを開けました。

すると、ポトン!

オオカミは熱湯の中に落ちていったのです!

3匹の子ぶたはそれを見ると再び鍋にフタをして、オオカミを茹で、夕食のおかずにしましたとさ。


どうでしたか?

挿絵が少し怖いかんじがしますね…(笑)

結末も日本の童話ではなかなか見ない、妙なリアルさを感じさせられます笑。

私はこの「ヒョエっ」とするかんじが、ちょっぴりクセになりました(笑)
この調子でほかの作品も読んでみようと思います。

では!