トランプ前大統領の原油価格押し下げ公約は実現可能か?
トランプ氏と原油市場
大統領に再選した場合のトランプ氏の政策でもっとも重要と思われるものが原油価格に関する政策である。
トランプ氏はまずインフレを高金利ではなく原油価格の下落によって押し下げようとしている。
金利はどうしても下げたいらしい。そこで原油価格が下がればエネルギーや石油化学製品のコストが下がり、物価減速に繋がるというわけである。
また、トランプ氏はロシア・ウクライナ戦争を即座に終わらせることを公約にしているが、プーチン大統領と交渉するために重要な要素が原油価格だと主張している。
原油価格が低ければ産油国であるロシアは資金難に陥り、戦争終結に同意したくなるという理屈である。
アメリカは原油価格を下げられるのか?
ここまでの理屈は通っているのだが、ここで問題になるのがトランプ氏が原油価格を下げられるのかということである。
確かにアメリカでは現在バイデン政権による脱炭素政策が行われており、アメリカの産油企業は化石燃料の採掘をフルに出来ない状況に置かれている。
だからこれを解除すれば、アメリカの産油企業はフルに原油を産出できるようになり、供給増で原油価格は下落する。
だが、原油価格はそれでどれだけ下がるのだろうか?
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