プラチナは割安か?
アメリカやヨーロッパなどでEV(電気自動車)の売れ行きが減速している。それと同時にハイブリッド車の売れ行きが伸びているという。
このEVからハイブリッドへのシフトは自動車メーカーの株価に影響を及ぼすだけでなく、金属市場にも大きな影響を与えると思われる。
EVからハイブリッドへ
欧米諸国でEVが売れなくなっているらしい。理由は簡単である。充電に時間がかかり、補助金がなければ価格も高く、何より大して環境に良いわけでもないからだ。
例えば欧州自動車工業会のデータによれば、2023年の新車販売でEVの割合は15%だった一方で、ハイブリッドは34%だった。エンジン車の49%と合わせると8割以上がエンジン搭載車ということになる。
充電場所もほとんどないにもかかわらず早々とEVを買った人々は、脱炭素政策を熱心に支持する政治的にリベラルな人々である。
だがどうも欧米諸国では、そうした宗教的理由によって不便でもEVへの乗り換えを選んだアーリーアダプターへの普及は終わってしまったらしい。
そして宗教的理由のない一般の消費者は、欧米でも不便さや追加のコストを受け入れてまでEVを買おうとはしていないようだ。
セル温度コントロールの難しさ
そもそも電池というのは化学反応で電気を取り出すデバイスである。なので出力を上げたいならば、化学反応を活発にしてあげればよいのである。化学反応を活発にさせるためには温めればよいのである。
しかし化学反応を活発にすれば、当然、使用材料の劣化速度も速くなるのである。セル温度が低ければ欲しい出力が得られないし、温度が高ければ耐久性が犠牲になる。つまり出力と耐久度の関係はトレードオフの関係にある。
こんなことはニカドやニッケル水素で解りきっていたことなのだが、自動車メーカーの技術者は知らないのだろうか。ましてや1トン以上の重量物を現行のエンジン車と比較して、動かすのどれだけのエネルギーが必要か計算できないのだろうか。
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