白髪に悩む30代

30代になったあたりから体の目に見える老いを少しずつ感じるようになった。それを一番最初に感じたのは白髪だ。それも、髪の毛ではなく下の毛である。当時私は下の毛を処理しており、その中に透明のキランと光る毛があるのを見つけてしまった。えっっっと思い覗き込む。書き分けた中にそいつらは10本ほど存在していた。

白髪の恐ろしいところは、最初は表面には生えてこない。知らないうちに中からじわじわと浸食してくるのだ。そもそも、私はそんなあられもない場所まで白髪になってしまうという現実を全く知らなかった。誰も教えてはくれない。それに、銭湯で中年以上の女性を見た時に真っ白になっていた人なんて見たことがなかった。

最初の処理はひたすら丑の刻参りさながらの怨念を白髪にこめて勢いよく抜いていた。髪の毛は伸びるのが遅いのに下の毛の生命力はゴキブリ並みなのだろうか、抜いても抜いても気づいたらそこに奴らはいる。もう、白髪が黒くなることは二度とないのだろうか‥私はバカみたいな格好をしながら抜きながら泣いた。

そのうちその処理もめんどくさくなり、一気にカミソリで黒々としている毛も全て剃った。このやろうざまあみろ!と意気揚々と声高らかに勝利宣言をした。しかし毎日毛を剃る処理をする羽目になりストレスがたまり、今年に入って全て滅するために脱毛に通い出した。下の毛で老いを感じることがなくなりストレスは軽減したが髪の毛、さらに鼻毛にまでもぐらたたきのように現れ出した。白髪を見つけては抜く、を繰り返しているがさらに増えて白髪ばかりになったらもうハゲるしかないやん…といずれ来る白髪天国の現実に震えながら日々を過ごしているのであった。

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