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萩尾望都の画力が落ちたという噂

萩尾望都『ポーの一族』

萩尾望都さんの画力が年齢と共に衰えているという声があります。
そこで実際の漫画を見て検証したいと思います。
画像は、おもに5ch少女漫画板の大泉スレに貼られていたものです。

まずは『小鳥の巣』の頃から。
1973年のものです。

わぁお!
美麗ですねぇ。。
映画のような映像美です。

次に『11人いる!』
1975年のものです。

漫画家協会のインタビューでは、きたがわ翔さんが萩尾さんに、
「『小鳥の巣』の頃の萩尾さんの少年の絵って俊敏な感じがしました」
というと「あれは手塚治虫先生から学んだ漫画デッサンなんです」と
萩尾さんが答えていました。

たしかに、キャラの動作を表す描線(漫符)も入ってて躍動感があります。
この頃の萩尾さんの絵が一番好きでした。

次は『ポーの一族』
1976年の旧シリーズの絵です。

エドガーとアランの激しい感情のぶつかり合いが、読者にもビンビン伝わってきます。
キャラの動きやコマ割りも絶妙で、思わず物語に引き込まれてしまいます。

そして、2016年から再開した『ポーの一族』新シリーズ。

このチンチクリンなエドガーの静止画のようなポーズは何なんですかねぇ(笑)
もうちょっと自然に描けなかったんでしょうか。

アランの両手を前に突き出した「お化けだぞ~」ポーズには吹きました。
扉を開けて入ってくるエドガーも、デッサンが狂ってるような。
なんだか新人漫画家の絵のようです。

記号のようなキャラになっちゃって・・・。
5chの大泉スレでは「埴輪絵」と揶揄される始末。

もしかして、こんなふうに感じるのは私だけかなと思って、Webを検索してみました。
以下が、その結果です。

続編があるとは全然知らなかったのですが、あまりにも絵が変わってしまっていることにビックリでした。
絵から受ける印象や、世界感が全く違う。
あのはかなげだったり、繊細な美しさ、しなやかさがあまり感じられない絵柄になってしまって…残念です。
他の作家さんでも、やはり後になるにつれ、絵柄が変わってしまい残念に思うことは多々ありましたが、まさか萩尾先生も、とは…。

めっちゃコミック ~みんなの評価~
『絵が違う』より
https://mechacomic.jp/books/106413/reviews?secret=1&sort=helpful

表紙と扉絵はこんなものかだが、本編に入ってとてつもない違和感が…。
作者もコメントしてるがエドガーもアランもすっかり顔が変わった。
今風に言えば劣化したというのか。
流れるような優しい線は影を潜め、ゴツゴツして直線的なラインで描かれたエドガーは別物。
妙に肩肘張ったポーズとか広い肩幅とか棒のようにまっすぐな腕とか。
福本伸行の影響を受けたか、青木雄二が降臨したのかと思うほど。

通行人レベルかと思った女の子がまさかのヒロイン。
エドガーはいつからガッチリ体型が好きになったのだろう。
絵柄は譲ったとしても独特のコマ割りによる流れの良さがなくなって読みづらい。
洗練されたセリフのやりとりや、流れるように人生を描く描写とか、すっかり消えてしまったように感じる。

はてなブログ~猫と本と自転車と~
「ポーの一族」の続編が出ていたが…』より
https://simazaki.hatenablog.com/entry/2018/10/28/151651

この人の言うように、往年の躍動感溢れる絵は、どこへ行ったのかと。
絵がアレ過ぎて話が頭に入ってきません。

それでもファンは有り難いもので、どんなに画力が落ちても絶賛してくれます。
がんばれ!萩尾望都(笑)

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