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【映画レビュー】苦手意識を抑えて一歩踏み込んだら、劇中の二人も一線越えていた!?『劇場版からかい上手の高木さん』の感想
大阪・TOHOシネマズなんばでは一番でっかいスクリーン1で上映していてっびっくりした作品。
『劇場版からかい上手の高木さん』のざっくりとした感想
『劇場版からかい上手の高木さん』を観てきました。
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劇場版からかい上手の高木さん
制作年:2022年 / 制作国:日本
シンエイ動画制作 / 73分
監督:赤城博昭
小学館「ゲッサン」発の人気「からかい上手の高木さん」を原作に、2018年から3シーズンにもわたって放送されたTVアニメシリーズを経て、今回ついに新作劇場版が公開。とした同名テレビアニメの劇場版。タイトル通り、からかい上手な高木さんと、からかわれ続ける西片くんの日常が描かれます。
監督はTVアニメシリーズから赤城博昭氏が続投します。
原作漫画やTVアニメシリーズは全てではないものの、ボチボチ鑑賞済みの状態での挑戦となったのですが、そんな私が観てきた感想をざっくり一言で言うと……
快作。
実は苦手意識が強かった作品なのですが、思わずボロボロ涙を流させられましたよ。
ざっくりではなく詳しい感想を書いていきますね。
『からかい上手の高木さん』が苦手だったわけ
そもそもなんですが、私ネジムラ89は『からかい上手の高木さん』に苦手意識を持っていまして、西片くんのリアクションに共感性羞恥を感じる瞬間が多々あって、長時間見れませんでした。西片くんって妙に幼稚な瞬間があるんですよね。
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これで西片くんが妙なゲス感があったら多分耐えられないのだけど、根本的な部分が純朴で“良いヤツ”だから、作品自体に嫌悪感はないのだけど、それでも苦手意識は払拭できない作品……という印象を持っていました。
そんな中での劇場版ということで、映画の尺として成立するのか?って不安もありつつ、長時間も作品に耐えられるのか?と心配をしていました。
が、今回の劇場版は蓋を開けてみれば、
全然観れますね。
なんなら物足りなさを感じるぐらい。
高木さんに妙な対抗意識を燃やす姿とか相変わらず、妙な恥ずかしさがあるんですが、今回のメインとなる話は、夏休みに突入した西片と高木が子猫を育てる話なので、からかう云々の話とは別のベクトルだったので、いつものような苦手意識を強く感じる内容じゃなかったので、助かりました。
今回の西片くんにはそんなに共感性羞恥を感じず助かった!
「もう付き合ってるじゃん」のその先へ
そして『からかい上手の高木さん』の西片くんと高木さんって
「これ、もう付き合ってるじゃん」
ってツッコミをさせ続けられるような作品なんですよね。
くっつきそうで、くっつかない……
恋人になる直前のあの楽しい時期を永遠に楽しむような作品。
苦手とは言いつつ、そういうのは大好きです、私も。
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今回の劇場版もTVアニメに引き続き「え、もう付き合ってるじゃん」とツッコミ続ける作品になるかと思いきや、今回はさすが劇場版。
いつもとは違う!
子猫の花ちゃんができたことで、二人はもはや疑似家族化。
これから一緒に住むことができそうになった途端に突然やってくる別れ。
いつまでも続くかと思っていた幸せな時間にも、急に終わりがやってくることがある……と体験した西片がついに高木さんに放つ一言……
「これ、もうプロポーズじゃん」
というTVアニメ回とは一線を越えた展開が劇場版らしいサービスで良かったですね。ここだけ、明らかに西片のデザインが大人びてるのがまた狙ってますよね。
※ <付き合っている期間が存在しない高木さん>
ちなみに『からかい上手の高木さん』は、スピンオフ作である『からかい上手の(元)高木さん』が存在しており、結ばれることがすでに確定している珍しい作品なんですよね。最後に出てきたちーちゃんも、そちらではおなじみのキャラクターだったりします。
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付き合う前と子供が生まれた後が描かれていて、恋人でいる期間〜結ばれるまでが謎に包まれていた、という位置付けの『からかい上手の高木さん』で今回の劇場版の西片と高木の会話の応酬ってかなり意味が大きいです。
「え、もう付き合ってるじゃん」の期間からの卒業……のようなものを感じる劇場版でしたね。
ついに付き合うのか付き合わないのか……という状態から一歩踏み込んだ展開が挑戦的!
猫モーションデザインを採用しているんじゃないかというほどの子猫再現
そして、キャラクターデザインは結構ディフォルメされている方なはずなのに、動きや美術がリッチなのも嬉しいところ。
中でも特に子猫の花ちゃんの子猫っぷりに驚かされました。
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子猫って、もはや誰かの商業意図が乗ってるんじゃないかってぐらい異常な可愛さを持っている生き物。あの可愛さがこの映画では妙にリアルに再現されていて、恐怖を感じるほどでした。思わず“猫モーションデザイン”をエンドロールで探しちゃいましたよ。
※猫モーションデザイン
『泣きたい私は猫をかぶる』で作画監督の横田匡史さんがクレジットされていた役職の一つ。猫の歩きや走り、人間から猫へ変身するときの様子など、動作パターンの設定化を担当する役職らしい。初めてそんな役職聞いたよ。
青春恋愛映画を観にきたつもりだったのに、思いがけず動物映画・ペット映画を見せられたような感覚でしたよ。
あと夜空もすごいです。
夜空映画。
猫描写すごい!夜空すごい!細かいとこにすごいが潜んでる。
まとめ
●共感生羞恥成分弱め。
●『からかい上手の高木さん』として一歩踏み込んだことしてる。
●子猫再現すごい。
そんな感じで、70分ちょい相応でボリューム感はやや不足している気は否めない一方で、しっかり充実した70分を楽しませて貰った素敵作品でした。
うるさい事を言えば、女子三人組の話とももっとシナジーが生まれる感じにして欲しかったけど、野暮ったくなりますかな?
余談ですが、
この映画、珍しいことにエンドロールの曲が週替わりとなっています。
1週目は高木さんによるIWiSHの「明日への扉」カバー。
『あさがおと加瀬さん。』との被りが発生している......!
2週目以降も楽しみですね。
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