【注目】『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の中国ポスターにて盗作疑惑が発生!→公式が謝罪へ
■エヴァンゲリオン公式Twitterの突如の発表
2023年1月14日、エヴァンゲリオン公式Twitterが突如としてこんなツイートを発表しました。
中国で『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が配信開始されることや、そもそもの告知ビジュアルを知らない人にとっては何のこっちゃ!?というお知らせに戸惑った方も多いのではないでしょうか。
このツイートにも、事情はわからないながらとりあえず中国に対して怒っている人のリプライなども付いていて、あまり良い雰囲気ではありませんでした。
結局、このツイート、なんの話をしていたのでしょうか。
■『シン・エヴァ』配信開始の告知中国版ポスター
ことの発端は2023年1月20日より中国での映像配信サービスでの正式リリースに伴う、中国独自のPRポスターが発表されたことに起因します。
中国では『シン・エヴァ』の劇場上映は果たされていないので、オフィシャルとしてはこれが中国初公開です。
そのポスターがこちら。
「新世紀福音战士新剧场版:終」という題字に、瓦礫の上に座り込むエヴァを巨大な三日月が突き刺しているかのようなおしゃれなビジュアル。そして日本同様「さようなら(さらば)、すべてのエヴァンゲリオン。」の惹句が中国語で添えられています。
このポスターを手がけたのは、中国の映画ポスターデザイナーとしては有名な黄海さん。中国映画の大作や、ジブリ映画の中国興行用ポスターなども手がけたことで知られる人物です。
いつもだったら「また良い仕事してくれたなぁ」で終わる話だったのですが、今回はそれどころじゃない事態へと発生します。
■盗作・トレース疑惑が勃発
今回発表されたビジュアルを観た中国のユーザーが、今回のポスターを観て、イラストレーターのニコ・デロートさんが2013年に発表した「Where the Wild Things are」に酷似していることを指摘し始めたのです。
そのビジュアルがこちら。
黒を基調とした大海原と、空には渦巻く雲と巨大な三日月。
確かに、コンセプト的に似ていると言えます。
ただ、三日月が突き刺さっているように見せるアイディアは独自のものですし、これだけならインスパイアされました…..的な逃げ方もあるかと思うのですが、この2作品、横に並べるとよく分かると思うのですが……
雲の形が酷似しているというか、もはやトレースしましたというぐらいの一致を見せているのですよね。
ちなみによく見るとエヴァの膝元にはシンジや、瓦礫の中にはアスカといった面々も隠れているのですが、それらもフィギュアをトレースしているんじゃないかと、いう声も上がっており、中国国内でどんどん掘り下げられる事態となっています。
本件について、早速ニコ・デロートさんに直接、今回の制作に関与しているのか?というアプローチをした方が現れたのですが、やはり本人は知らなかったようで、当人も驚きの上、自身にできることは限られていると述べた上、本人からもできる限りの連絡を取ってくれるようでした。
公式からの謝罪が発表
そしてエヴァンゲリオン公式Twitterの発表から一夜明け、夕方には早くもその続報が発表されます。なんとポスターの絵柄の制作会社から、確かに無断で素材を利用したことの声明が発表されたことを伝えました。
実際の謝罪声明はこちら。
今回のデザインにおいて、無許可で素材を使用したことやチーム内で厳密なチェックが行われていなかったことを謝罪し、ニコ・デロートさんへの謝罪と経済的な補填、さらには契約会社とのデザイン業務の料金の返金をすることが書かれています。
中国でのこういった謝罪文を見ることがないので、ある意味新鮮でした。
またこの謝罪文に加えて、ニコ・デロートさんに送ったと思われる謝罪メールも一緒に発表。
こういった内容も公にするんだ……という、文化の違いに驚かされます。
というわけで、特にもつれることなく、またたく間に事態は収束した『シンエヴァ』中国ポスター騒動でした。
「デザインの盗作だー」みたいな話は日本でもあったりするので、そりゃ中国でもあるだろって話なのですが、今回の事態の学びとしては、
中国でデザインのパクリが発覚した際に、すぐ様ユーザー側から指摘が上がって、瞬く間に謝罪、そして解決に向かって動いていける、
ということと、
日本の株式会社カラーは、自社作品に関する他国の出来事もスピーディーに共有してくれるということでしょうか。
■シン・エヴァはディスクリリースが控えてるよ
そんなエヴァシリーズですが、2023年3月8日(水)に、『シン・エヴァンゲリオン劇場版 EVANGELION:3.0+1.11 THRICE UPON A TIME』のBlu-ray&DVDがリリース予定。PRムービーが発表されたばかりです。
特典映像として新作特典映像「EVANGELION:3.0(-46h)」「Rebuild of EVANGELION:3.0+1.11」が収録されているのが、今回の目玉なのですが、今回の盗作事件を早々に共有してくれたのも、今回のリリースが日本で話題になるためのPRの役割も担っているのだとしたら、さらにすごいよなぁ、と思う次第。
さすがにそこまで考えてはいないと思いますが、マジで考えていたとしたら、ホント抜け目ないです。
まだまだまだ……さよならせずに、新たな話題を投下してくれる、そんなエヴァンゲリオンさんなのでした。
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