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【映画レビュー】私は圧倒的に支持!『映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)2021』の感想!
公開初日には足を運んでいたのですが、レビューを書くのが遅くなってしまいました。すみませんー。
『映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)2021』のざっくりとした感想
『映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)2021』を観てきましたよ。
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映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)
制作年:2022年 / 制作国:日本
シンエイ動画制作 / 107分
監督:山口晋
昨年の1年延期の発表から、待望の上映!
1985年公開の『ドラえもん のび太の宇宙小戦争(リトル・スターウォーズ)』を『超劇場版ケロロ軍曹』シリーズなどの山口晋監督&『交響詩篇エウレカセブン』などの佐藤大さん脚本という布陣でリメイクした作品となります。2022年公開作品なのですが、タイトルは2021年のままでスゴい!
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
もう……すっごく傑作!
かなり良かったです。
リメイク前の細かい気になる要素を整えながら、よりドラマティックで優しい映画に仕上げた見事なお仕事。一年の延期は長かったけど、より映画の物語を身近に感じられるタイミングでの上映となり、時事的な意味がクリティカルに乗ったのは偶然とはいえ大きいです。
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パピくんのキャラクターの味付けとか、スネ夫の活かし方とか、これがまたアレンジがものすごく上手くて恍惚としてしまいました。
“ある展開”とか明らかにリメイク前と変わってるんだけど、しっかり原型を保てられているのがすごいです。
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ちなみにしずかちゃんの水着や牛乳風呂も、別になくても問題ないけど残してくれてます。
以下、ざっくりではなく、より詳しく私の『宇宙小戦争』に対するスタンスなどを踏まえての感想を書いていきます。
以下、ネタバレありで書いていくので、ご注意くださいませ。
そもそも『宇宙小戦争』に抱いていた違和感
まずそもそもこの映画を語る上で、踏まえておきたいのがリメイク前の作品に対するスタンス。1985年公開の『映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争』に関しては現役世代ではないのですが子供の頃にVHS観たり、今作の上映前にもプライムビデオで観直していたりします。
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映画ドラえもんのび太の宇宙小戦争
制作年:1985年 / 制作国:日本
シンエイ動画制作 / 98分
監督:芝山努
『宇宙小戦争』という作品自体は、ドラえもん映画の中でもかなり好きな方。映画らしいスケール感や、戦争に巻き込まれてしまうという危機感、そしてクライマックスのカタルシス。すごく良い映画だと思っています。
その一方で、少し嫌だなぁと思う部分があるのも事実。
中でも、ドラえもんたちが嬉々として戦車に乗って敵に乗り込もうとするシーンはなかなか凶悪だと思っていて、無邪気すぎる見せ方には嫌悪感を抱いたりしました。
それに輪をかけて大統領のパピくんが、それに同調して楽しく過ごしている姿にも強い違和感を持っていて。仮にも自分の星の一大事に、「のび太たちとよくはしゃげるな?」と思っていて、「パピがしっかりしてないからこんな事態になったのでは?」というぐらいの不信感は持っていました。
リメイク版で変えてくれたことのありがたさ
そんな中、今回『宇宙小戦争2021』はまさに私が抱いていた違和感を、払拭してくれるアレンジを加えてくれていたのがすごく良かった!
なんと言ってもパピくんのキャラクターがちゃんと生きてる!
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好戦的な姿勢なドラえもんたちの姿勢はそのまま採用しながらも、批判的な視点としてパピくんというのがして、のちに至るまで徹底的に攻撃的な行動を良しとしない側の視点があるのがありがたかった。
そんな穏やかな性格だからこそ、隙を突かれてピリカ星の問題が生まれたんじゃないかという想像もできるし、そんなパピくんの考え方がちゃんと、後々のクライマックスに「演説」という形で平和的な対抗の術として登場するのにも伏線を回収するかのように腑に落ちる見せ場となっていました。
この演説シーンは、リメイク版のオリジナル。
原作だと、成されるがままでパピくんが全然活躍しないので、ドラえもんたちだけが引っ掻き回しているだけに見えたのも強く引っかかりを感じていたので、見事な改変でしたよ、これは。
リメイク前では、パピくんが捕らえられるはずだったシーンが今回は、「間一髪捕われない」シーンになっていたのもビックリ。その後わざわざ投降するという選択に意味が乗ってくるので、この改変も私は有りだと思っています。パピくんが、反乱勢力に対して向き合うのかの答えがこの改変には込められていると解釈しました。
ウクライナに重なる奇跡的なほどの時代との一致
そして驚かざるを得ないのが、実際に世間で起こっていることとのシンクロの仕方ですよ。本来、2021年に公開するつもりだったはずですし、絶対に時勢に合わせた訳ではなくことはわかるのですが、ロシアによるウクライナ侵攻とこの物語を否が応でもダブらせずにはいられない!
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パピくんの胸元のワンポイントが、ウクライナカラーなところなんて、もはや奇跡ですよ、奇跡。こんなことあるんですね。
ウクライナの降伏を支持するような意見も、TVのワイドショーでコメンテーターが流しているような話を聞いていますが、個人的にはそれは違うと思っていて、それに対するアンサーがこの映画のクライマックスのしずかちゃんのセリフだと思うのですよ。
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そりゃあわたしだってこわいわよ。
でも……。
このまま独裁者に負けちゃうなんて、あんまりみじめじゃない!!
やれるだけのことを、やるしかないんだわ。
たとえ、戦いたくなくても、それでも武器を取らないといけない時はある。
そう思うと、降伏なんて選択肢を推すことはできないです。
(※ 実は映画では「独裁者」という表現が割愛されていて、批判もありますが、個人的にはそこは許容範囲。広く解釈できる、という選択肢を選んだと受け取っています。)
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ちなみに最近の『ONE PIECE』も「敗戦する」とはどういうことかを説くシーンや、死ぬとわかっていながらもそれに抗うのかという一幕が登場。
ドラえもんとは関係ないけど、いろんな作品で、同時期に似たテーマが並ぶのが不思議なものだなぁと思います。
ただ単に、連想しやすくなっているだけというのもあるでしょうが。
戦車のデザインの改変も、ポップでビジュアル重視になった分、マイルドになっているけど、しっかり死を思わせるような戦いを描けているのでそこまで問題視していないし、スネ夫が二度いじけちゃうシーンなんかはむしろ前作が唐突に感じられたので、伏線として有りだと思った次第でございます。
全体的にGOOD!
見事なアレンジだと思いました。
結構、こだわりのあるファンも多い作品なので、賛否両論ある映画という印象がありますが、わたしは諸手を挙げて推していく作品となっていました。
リメイク前を観たことないよー、という人もぜひぜひ足を運んでみてください。これほど時勢にピッタリはまってしまうような映画なかなかないですよー。
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