
【映画レビュー】ブラボー!鬼太郎映画シリーズでも異色作で今年ベスト級!?『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の感想
こんなに良い映画が出てくるとは!
斜め上のやつが出て来てくれた!
『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』のざっくりとした感想
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観て来ました。

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
制作年:2023年 / 制作国:日本
104分 / 東映アニメーション
監督:古賀豪
ゲゲゲの鬼太郎が久しぶりにスクリーンに帰還。原作者である水木しげる先生の生誕100周年記念作品として2020年まで放送されたTVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第6期をベースに、シリーズの原点である目玉おやじの過去と鬼太郎誕生にまつわる物語を描きます。
第5期の劇場版『劇場版ゲゲゲの鬼太郎日本爆裂!!』の古賀豪氏が監督、テレビアニメ『マクロスF』の吉野弘幸氏が脚本、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の副監督・谷田部透湖氏がキャラクターデザインを担当します。
本作を観て来た感想をざっくり一言で言うと……
大傑作!
いや、今年ベスト級に好き!!
厭な村物であり、バディ物であり、ホラーであり、謎解きであり、そしてちゃんと鬼太郎映画。 原作の“アレンジ”として素晴らしいなぁと観ていてからの、綺麗すぎる着地に心でスタンディングオベーション!
名作をありがとうございました。
ネタバレありでもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『鬼太郎誕生ゲゲゲの謎』のもっと踏み込んだ感想
■「こんな鬼太郎見たことない!」すごいバランスの物語
今回の鬼太郎映画、本当に今までの“ゲゲゲの鬼太郎”映画とは違う!
今回の映画は鬼太郎が生まれるまでの話を描くので、鬼太郎が主役じゃない時点で大前提が全く従来とは違うわけですが、鬼太郎の父親(今の目玉の親父)と事件に巻き込まれたサラリーマン・水木のバディムービーという変則作品。

最初は仲が良い訳でもなかった二人が次第に仲を深めていき、怪しげな村の秘密の謎を解いていく展開はベタながらも熱く、鬼太郎でこういったジャンルを楽しめると思っていなかったので、嬉しい意味で裏切られました。
水木のキャラクターがまたうまい。

最初は出世を夢見る野心家で打算的な気持ちの持ち主で、お世辞にも“いいやつ”には見えなかったのですが、そんな水木にも戦争というトラウマがあって、命の尊さには考えを持っていることも割と序盤で描かれます。
こういった描写を挟むことで100%嫌いにはなれない性格と受け取ってもらえるよう観ている人の気持ちをチューニングしてくれてるんですよね。
しかも、この戦争描写は原作者の水木しげる先生の戦争体験がベースにあるということでうまく水木しげる生誕100周年記念作としての意味も乗せていく見事な妙技でした。
終盤までは因習村物ではありつつ、最後の最後にはしっかりラスボス戦があったり、鬼太郎らしいバトルシーンも挟んだり、さらには最後の最後で原作をベースにアレンジした物語をしっかり原作へと繋がるような着地に繋げていくという見事な調整。
上手すぎます。
製作陣の鬼太郎愛・水木しげる愛を感じる映画でした。
ちなみにそのあたりの従来シリーズに比べて画期的な部分についてはアニギャラREWさんでこんな記事も書きました。↓
これまでの鬼太郎映画にない斬新な作品でありながら、観やすい上に原作愛を感じる見事な出来ばえになっている。
■画もすごい!容赦なさすぎの猟奇描写にも思わず親指がグッと上がる!
ビジュアル面もすごく良かった!
中盤、誰しもが妖怪アンテナならぬアニメーションアンテナが多分ムズムズしてくるシーンがあるんですが、そこからは案の定しっかり「おいおいおい」って声が漏れそうになるほどの分かりやすいすごいアクションシーンに突入してちょー盛り上がって、あー最高。
このアクションシーンはアニメ『ONE PIECE』でも大活躍している太田晃博さんが一人で担当しているというのだからさすが。覚えておいて損はないアニメーターさんですよ、皆様。
1月29日日曜朝9:30より放送📺
— ONE PIECE.com(ワンピース) (@OPcom_info) January 27, 2023
TVアニメ「#ONEPIECE」
1049話「ルフィ飛翔!百獣へのリベンジ」で
ルフィとヤマトの作画パートを担当した太田晃博さんの
1033話の原撮を特別公開👀✨
ぜひお見逃しなく‼️
予告はコチラ⬇️https://t.co/5vJ81vnAGJ pic.twitter.com/VGzlnBHRmC
また、バイオレンス描写の容赦なさも凄まじいです。
死に様がPG12も納得なほどの猟奇っぷりが私好みでした。
最後の、鉄パイプが目に刺さって目玉だけがポーンと飛び出ちゃう死に様とかあまりにも芸術点が高すぎて思わず、あそこでも拍手したくなっちゃいました。
サイテーでサイコーです。

アクションもバイオレンスも今までにないリッチな味付けで素敵
■まだまだ好きなところが盛りだくさん
妖怪たちがただ怖いだけじゃなくて、キュートな一面も描かれてるバランスがまた良い。
鶴瓶火と触れ合うお酒を飲み合うシーンや、陰鬱なシーンの清涼剤となるねずみ男の存在はかなりの癒し。
シリアスな場面でシチュエーション的に笑ってる場合じゃねーだろって場面で、あえて水木先生準拠のデザインで登場させたためなんか顔だけヘラヘラしてる大ムカデ(↓)なんかもなかなかの癒しポイントでした。

お酒のシーンなどを含めて、しっかりフード理論に則ってもいるんですよね。
フード理論……物語では食べ物と人物の関わりからある決まった法則があるという説。福田里香さんの「ゴロツキはいつも食卓を襲う フード理論とステレオタイプフード50」参照。
飲食物やタバコの演出でしっかり心情の変化が逐一描かれているのがマメで感心してしまいました。すごく丁寧。すごく律儀。
過激だし、楽しい話ではないなりに、まっすぐにそのジャンルで良い映画を作ろうとしていると感じる作品でした。
細かなところまで調整が行き届いているとこにもキュンです。
まとめ
●斬新な鬼太郎映画だけど今までにない魅力に溢れた内容
●しっかり動きや演出も工夫が徹底されていてずっと楽しい
●細かいグッとくるポイントが盛りだくさん
というわけで最高オブ最高。
私自身が鬼太郎や妖怪の絵ばかり描いて育ったというほど鬼太郎大好き側の人間という贔屓目はあるといえばあるのですが、それでもそういう偏愛部分を除いても、素晴らしく良くできた今年ベスト級の映画だと思います。
最終的な映画のメッセージもしっかり“今の日本”に刺さる内容となっており、鬼太郎を知らなくても是非とも多くの人に観てもらいたい映画でした。
公式サイト
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