【MBTI】ENTJのnoteのbioがISFPより1.8倍長い理由を検討する回
前回の記事では、noteでMBTIを公開している3913アカウントの名前やbio(自己紹介とか記載する欄)をスクレイピングで取得し、MBTIタイプの間で文字数が違うことなどを把握しました。
特に興味深かったのは、MBTIごとのbioの長さの違いを表した下記の箱ひげ図です。
箱ひげ図では、中央値(標本の中央、50%の数字)と25%、75%の数字で箱を描き、外れ値を除く最小値と最大値を箱から伸びたひげで表します。
この図では、箱ひげに加えて平均値もプロットしています。bioの文字数の平均値は、ISFPが約43.2文字、ENTJが約78.6文字であり、2つのMBTIタイプの間には35文字(1.8倍)の差異が生じています。なお、ISFPのサンプル数は53、ENTJは98であり、t検定でも確実に差異があると言える結果でした。
この記事では、ISFPとENTJのbioの文字数が異なる理由をざっくり検討していきます。
1. ISFPとENTJの文字数はどのように分布しているか
まずは前回の記事であまり深堀しなかった、具体的な違いの状況を見てみます。ISFPとENTJのヒストグラムを見ると、ISFPはbioが20文字以下の割合が約40%(22人/53人)と突出しているのに対し、ENTJは約14%(14人/98人)となっており、bioの文字数は平べったく分布しています。
20文字だとMBTIと一つ二つ属性やコメントを記載するだけで埋まるため、ISFPにはbioを簡潔に書く人が相当程度分布していると考えられます。
2. ISFPとENTJのbioの内容はどのように違うか
ここは主観が入りがちなので、bioの情報を読ませたChatGPTくんに違いを分析してもらいましょう。MBTIの先入観を排除しろと強く言ったので、多分客観的な説明になっているかと思います。
私が主観的に補足すると、ISFPとENTJの最大の違いは開示している情報量の違いですね。そもそもENTJの方が開示できる特徴が多いのかもしれませんが、ENTJには経歴やら関心やらを自然体で記載したら100文字超えたわ~みたいな人が多い気がします。
ENTJは地位や経歴やら大学名やらを開示する人もそれなりに見られますが、ISFPはMBTIタイプのみの人も多く、+年齢性別くらいのbioが5割くらいを占めています。
表現や他者との関わりについてはそこまでの差異は感じません。たしかにENTJのbioにはnoteを他者に影響を及ぼすために使ってそうなものがありますが、多くは紹介することが多いだけの自己紹介です。感情はむしろISFPの方が無味乾燥な感じがしますね…。
3. ISFPとENTJのbioの情報量が違う理由の検討
ここまでの情報を踏まえて、ISFPとENTJのbioの長さや内容が違う理由を、なるべくMBTI自体の影響は排除しつつ検討します。
①ISFPは日記、ENTJは自己顕示のためにnoteを使っている説
反響などをあまり気にせずブログを書いてみたい!という動機が多いとすると、自己紹介に当たるbioを細かく書く気にはならなそうです。記事内容はまた別の記事で紹介しますが、ISFPはほのぼの日記という感じです。
一方、影響力を強めたい、啓発したい、できれば関係を作りたい、みたいな動機であれば、bioは興味を持ってもらうための入口なので、食いつきの良さそうな内容にしそうです。というかENTJのbioを読むと自己顕示の手段としてnoteを捉えているように思えてならない…。
②改まった自己紹介がISFPは苦手でENTJは得意(好き)という説
ENTJの自己紹介は情報量は多いのですが、整理されていて読みやすいです。属性やら興味関心、得意分野などがタンタンタン!と書かれている感じですね。圧があります。
ISFPはMBTIと年齢性別だけという人が多く、bioを読んでも結局この人はどういう人なんだろう…と感じたりします。
ただ、ISFPの記事内容を見ると「こんなことあったよ~」みたいなテンションも多いので何かを共有したい雰囲気はあるので、単に改まった自己紹介みたいなものが苦手という可能性があります。
③自己アピールに対してISFPは消極的でENTJは積極的という説
②と似ていますが、こちらは自己アピールそのものに積極的か、という論点です。
ENTJは総じて社会的評価が得られそうな情報を積極的に開示している気がします。見る限りは(広義の)マウンティングが含まれないENTJのbioはかなりレアです。なんなら「ENTJ」自体がマウンティングに感じられます。
ISFPはアピールへのやる気が感じられません。ISFPと年齢性別くらいしか書いていないbioからは何の主張もうかがえないのです…。
④開示しても良いと考える情報量がISFPは少なくENTJは多い説
③と似てますが、こちらは秘密主義とかそんな感じですね。
ISFPはほぼ匿名ですが、ENTJは半匿名のようなアカウントもそれなりにあります。匿名のENTJは特定されない範囲で積極的にアピールしている印象を受けます。
ISFPも記事ではそこそこ開示しているので秘密主義だから、というわけではなさそうですが、bioは控えめです。
⑤開示する材料(潜在情報量)がISFPは少なくENTJは多い説
開示されている情報だけで見るとENTJは強者感があります。例えばISFPには某国立大卒という表記が1つだけですがENTJは10以上あります。職業も含めてENTJは社会的な評価が高そうな属性をバンバン開示しています。
ただ、ISFPの潜在情報量を把握する術が限られるので、こちらは記事内容も見つつ検討したいと思います。
ザーッと書いてみましたが、bioを見る限りはざっくり、「ISFPは自己開示や自己アピールに消極的」「ENTJは自己開示や自己アピールに積極的」という差異なのかなと思います。
これだと定性的なので、開示情報の種類をMBTI、年齢、所属、世帯属性、学歴、経歴、趣味、関心、資格、特技などに細分化し、それぞれの開示率というスコアを作って評価してみるといいかもしれません。
MBTIはもう開示していますが、MBTIについても開示率に差があるとすればMBTI間の記事投稿者の分布差を説明できる1要素になりそうです。
何となくMBTIタイプ間の違いの見方は分かってきたので、他のMBTIのbio分析にも広げてみたいと思います。
その上で、今回の調査を通じて私が関心を持った事項として、「同じMBTI内での違い」があります。
ISFPだけどbioを長く書く人・ENTJだけど短く書く人の違いがどのように生まれるのか、に関心を持ちました。
能力や環境、心理機能の成長の違いと説明されるのかもしれませんが、左利きが社会的に矯正を強いられるような要素があり、その矯正の程度が人により違うのではないか、などと考えたりしています。
今後はとりあえず他のMBTIタイプも含めたbioの内容分析が面白いのでそれをやりつつ、記事内容を含んだ分析でこれを補完しながら、同じMBTI内でどのように差異が生じているかの分析を主にINFJとかでやってみる、とかを考えています。まあ気まぐれなので適当に見守っててください。