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【Googleトレンド】MBTIの検索シェアをEに奪われたIN族の話

 各MBTIがどの程度の割合で存在しているかが気になったので調べてみました。この記事では、最も信頼できる世論調査であるGoogleトレンドの検索シェアでMBTIの分布を推定…するつもりだったのですが、Googleトレンドの検索シェアの推移が面白かったのでそちらを紹介します。

 MBTIやユング派心理学者の本を読んでいたら自分も調査してみたくなったアレです。


1. Googleトレンドから検索数を把握する

 Googleトレンドでは、5つまで任意のワードの検索数の推移と累計検索数を表示できます。
 この機能を利用し、ISFPの累計検索数を軸に各MBTIの検索数を把握しました。

例:NF族の年間検索数(左グラフ)

 また、検索期間を1年毎に設定し、累計検索数の経年変化も調べました。使いませんでしたが、"MBTI"の検索数の長期推移から絶対的な検索数の推移についても調べています。

2. 2024年のMBTI別検索シェア

 集計結果を以下のグラフにまとめました。分かりやすさのため、各MBTIの検索シェア(そのMBTIが検索された数 ÷ 全てのMBTIが検索された数」)で比較しています。

2024年のMBTI別Google検索シェア

 最も検索シェアの高いMBTIはINFP(11.2%)、最も検索シェアの低いMBTIはESTJ(2.6%)となりました。
 全体的な傾向も同様で、MBTIがI/N/F/Pに近いほど検索シェアが高く、E/S/T/Jに近いほど検索シェアが低くなりました。
 この結果は、ネット上ではINFPが最も多いという言説を裏付けるものです。
 …しかし、実はINFPの検索シェアは急速に脅かされているのです。

3. 5年前、MBTIはIN族の楽園だった

 まず、5年前の各MBTIの検索シェアを見てみましょう。

2019年のMBTI別Google検索シェア

 INFPをはじめとしたIN族が圧倒的な検索シェア(49.8%)を確保しており、MBTI界隈はIN族の楽園の様相を呈していたことが分かります。中でもINFPは18.5%とぶっちぎりの検索シェアを誇っていました。
 しかし、2019年から2024年にかけてMBTIが大流行した結果、MBTIはIN族以外にも見つかってしまい、IN族の検索シェアは他のMBTIに奪われてしまいました。
 2024年の検索シェアから2019年の検索シェアを引いたグラフ(下記)を見ると、どのように検索シェアが変動したかがよく分かります。

2019年から2024年にかけてのMBIT別検索シェアの増減

 グラフを見ると、IN族の検索シェアは軒並み低下し、特にINFPは18.5%から11.2%(-7.3%)と大きくシェアを減らしています。Eを中心に他のMBTIが検索シェアを伸ばしていますが、その中でも検索シェアの低迷が続いているISTJとESTJは、MBTIに心底興味がないのでしょう。

4. IN族の興亡を考える

 なぜIN族は栄え、そして滅びつつあるのか…。シェアの推移を四族に分けてグラフ化してみます。

IN族の興亡

 グラフを見るとIN族が減った分Eが増えているような印象を受けます。最初にINが多かった理由は謎ですが、1970年代にユング派の心理学者たちにMBTIをテストしたところ、だいたいINだったみたいな話があったので、INはこの手の自己診断が大好きなのかもしれません。

 ISが2016年からそこそこ多いことを考えると、MBTIの浸透はS/Nの違いよりもE/Iの違いの方が大きそうです。このことをものすごく雑に考えると、Iは口コミや宣伝を行わないのではないか、という偏見を抱きました。
 ミスタイプが多い説もありそうでしたが、広がりに沿ってEとIが自然に推移している様子を見ると、ある程度人を振り分けることには成功しているのかなと思いました。
 あとは、IN族がMBTIをものすごく検索する傾向があるという説もありそうでしたが、検索数がMBTI人数×一人当たり検索数であることを考えると、一人当たり検索数が変わるような要因もなく、単にEが以前より流入しているということなのかなと思いました。

 このままではIN族がさらに衰退していくのではないか、と心配になるIN族もいるかもしれませんが、2023年→2024年の検索シェアの推移を見ると、ESの検索シェアの拡大やINのシェアの低下は落ち着いたように思います。
 MBTI自体の検索数は2020年から指数関数的に伸び始め、2022年と2023年に爆発的に流行しました。しかし、2024年の足元ではMBTIというワード自体の検索数が低下してきており、流行の終焉が見えてきています。

 今後はどうなるでしょうか。ESとISを中心に退出が進み、INとENの検索シェアが増えていくのではないでしょうか。ENはなぜか2024年に検索シェアを拡大しています。ENは流行の最後にハマりだす残念な人たちなのかもしれません。

 ちなみに、ネタばらしをすると絶対的な検索数ベースだとだいたいこんな感じの推移になります。2019年なんて誤差のようなもんですね!

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