【MBTI】知性不足を嘆くINTPを見た話
知性が足りないと嘆くINTPの素晴らしい文章を読み、この文章を書けるのに知性が足りないと考えるのは我が家で放し飼いにしているハエトリグモのジェニファーちゃんとかに失礼なのではないか…と思いつつも、それが何らか当人を落ち込ませているのであればこんなに悲しいことはないとも感じ、勢いで文章を書いている。
いきなり余談だが、ジェニファーちゃんは大変可愛いのだが、おそらくジェニファーちゃんの中のクモは一定のスパンで変わっている。何ならサイズも模様も一致していないが、だいたいジェニファーちゃんと認識している。昔はジェファーソンと呼んでいた気もする。まあ、Neの他者認識などその程度である。
ENTPはそのくらいの抽象度で他者を捉えている節があり、クモのジェニファーちゃんと人間のジェニファーちゃん(ジェニファーという名前を持つ人間を含むが、これに限らない。)の間にもそこまでの差を感じていない。
ENTPは他者との境界が曖昧なのか、他人あるいは他生物あるいは他無生物と対等であり、相互に大した差がないという感覚で生きている気がする。
まあ、テストなり資格試験なり出世競争なりにぶち込まれれば俺の優秀さを見せつけてやるぜェ!みたいな気持ちにはなるのではあるが、そこでいう優秀さは他者と対等という感覚と並立する。
一人ひとりの人間を人間の体を構成する細胞みたいなものだと考えると、そりゃあ重要な部分にある細胞は重要だと言えるかもしれないが、それはそれとして細胞は細胞である。
ソクラテスは偉人とされているが、このおっさんが「国家、人にとっての善とはなにか…」などとネットリ政治家のような問いかけとその答えを、ワトソンに話しかけるシャーロックホームズのような軽いテンションで語る回では、「善いトンカチとはトンカチの機能として期待されたことができる、つまり釘を打てるトンカチだ、同じように期待される機能を果たしている国家や人間が善い人間であり、善くない人間は潔くXXをXXしてXXしてしまえ」のようなことを言うような人間であり、諸手を上げて賞賛すべき人でもない。
とは言えこの人は悪魔の代弁者的なところがあり、相手がそのような主張をしてきたらまた別のことを言い出す雰囲気があり、おしゃべりクソ野郎ということも相まってENTPのように見える。
何が言いたいかといえば、ソクラテスですら対等かつ人間くさいおっさんであり、ソクラテスの言う善い人間と善くない人間ですら対等であるということだ。叩けるトンカチは使われるかもしれないが、トンカチはトンカチである。
釘を叩けないトンカチの身になってみると、トンカチの生存戦略を検討するにあたり、たしかに釘を叩けることは人間に捨てられないという意味では重要であるが、最終目標は釘を叩けることではなく、トンカチとして長く生存すること、あるいはトンカチ自身が最終目標と掲げるものの達成こそが重要になる。
まあ最終目標を釘を叩けることに設定した釘を叩けないトンカチは苦しいだろうが、そこは妥協して目標を人を叩くことに切り替えたり、あるいは人を叩きながらいつか釘を叩けるようになりたいと、傾きを釘を叩く方向に設定することで、その成長プロセスから満足を得たり折り合いをつけたりすると良いのではないか。
いずれにしろトンカチはトンカチであり、ジェニファーちゃん含めて対等であることに変わりはない。私はトンカチである時点で相当な好意を持っているし、さらにそのトンカチが釘を叩けないと嘆きながら人を叩いているのだからそこに素晴らしい何かを感じずにはいられない。
まあただ、トンカチとしては釘を叩きたいようだ。人を叩けるトンカチに好意を感じるトンカチはいると思うが、それはそれとして釘を叩きたいらしい。Ne-Tiを持つトンカチならだいたい人を叩ける時点でそのトンカチが相当程度好きだと思うが、トンカチの自尊心は満たされないのだろうか。
と思ったら、色々と興味関心ポートフォリオを構築してトンカチ自身は元気なようである。私にとってはとても善いことである。社会に余裕がなくなって、釘を叩けないトンカチはみんなXXするべきみたいな言説が主流になるならともかく、今の時点で何か気を病む必要はない。もし釘を叩きたいという気持ちがあるなら、釘を叩けるようにそのトンカチなりに目標への傾きを設定しているのであれば、それはそれで尊いと思う。
ところで配偶者はトンチキという言葉を稀に使うが、その言葉は配偶者の深い関心領域の中に基本的に存在している言葉であるので、その言葉を使う時の配偶者が好きである。使ってなくても好きである。
そもそも実社会においては釘はみんなで協力して少しでも叩ければいいし、そもそも釘じゃなくてネジでもいいし、もしかしたら木工用ボンドでもいいかもしれないし、何なら結合しなくて良かったですみたいなこともあるし、何も気に病む必要がない。
まあ釘を叩けるようにしといた方が自尊心は保てるかもしれないが、実際には叩けていない気もするので、釘を叩けているという自己認識を持つことが大事なのかもしれない。
まとめると、少なくともENTPにとっては釘を叩けるか叩けないかはどうでもいいし、クモのジェニファーちゃんも含めてすべての存在は対等で、そこに善いから上とか善くないから下ということもない、という話でした。
それはそれとしてMBTIレイヤと知性や能力レイヤの話は検討してみたいですね。