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デジタル化がもたらしたデザインデータの変化と課題
Xにポストした内容を少し掘り下げてリライトしています。「そのデザインデータ、重くない?」という件について。
これ印刷業界とかデザイン業界で2000年代からの流れを見てきた立場として考えさせられる。
— Neji (@neji1983) January 9, 2025
かつては原稿写真も基本的にポジフィルム。印刷会社の中にはフィルム管理室とスキャン部門があり、使うポジを集めてからドラムスキャンという筒がぐるぐる回るデカいスキャナで都度データ化していた。… https://t.co/tuj59JowxF
印刷業界やデザイン業界で2000年代からの流れを見てきた立場として、近年のデータ管理の変化について考えさせられることがある。特に、デジタル化が進む中でデザインデータの扱い方が大きく変わり、効率的なデータ管理が難しくなっている現状に課題を感じる。
かつて、印刷業界では原稿写真の管理において、ポジフィルムが基本だった。ポジフィルムとは、写真をフィルム上に正像で記録する方式のことで、印刷物の高品質な再現に欠かせない素材だった。当時、印刷会社にはフィルム管理室があり、スキャン部門も設置されていた。デザインに使用するポジを集めた後、専用のドラムスキャナーでデータ化するのが一般的な流れだった。
ドラムスキャナーとは、円筒状の装置にフィルムを巻き付け、回転させながら高精度にスキャンする大型スキャナーのことだ。このスキャン工程で、印刷物の完成品に合わせたサイズや解像度を調整してデータ化していた。当時の技術者たちは、印刷物のモアレ(規則的なパターンの干渉によって発生する縞模様)などの問題も十分に加味しながら、最適なデータサイズを選択していた。その結果、印刷物に必要な画像データは、過不足のない容量にまとめられていた。
たとえば、誌面に切手ほどのサイズで掲載する写真であれば、ポスターサイズの解像度は必要なかった。必要なサイズに最適化することで、無駄なデータ容量を排除していたのだ。
デジタルカメラの普及による変化
ところが、デジタル技術が急速に普及すると、デザインや編集の現場に大きな変化が訪れた。特にデジタルカメラの登場は、写真管理の方法を大きく変えた。
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