#05 飛行機代0円でいく南の島。①
1月下旬のある日。
普段見ないメールをチェックする。
すると、こんなメールが届いていた。
『アナタのマイル、1月末に失効シマスヨ。』
「はあ。そんなこと急に言われてもなあ。」
だけどまあ、どうせならお得に使い切りたいと考えるのが人間というもの。
そこで見つけた「どこかにマイル」
どこかにマイル
概要は以下の通り。
・発着空港を羽田/関西/伊丹/福岡から選択する。
・申し込み画面に飛ぶと、4つの行き先候補地が表示される。(申し込み画面を開く度に候補地は変わる)
・申し込みを完了させると、表示されていた候補地4つの中からランダムで行き先が決められる。
・行先の近い遠いに関係なく、一律往復6000マイル。
つまり6000マイル払ったら、「4分の1ガチャゲー」に参加できるよって話。
「6000マイルで往復は安すぎる。」
「それで訳のわからんとこに飛ばされても嫌な気せんな。」
ってことで、ねぐせの6000マイルガチャが始まる。
行き先が決まる
たしか候補地は、
「奄美大島」「札幌」「宮城」「仙台」
「全部遠いからどこでもいいや。」
軽い気持ちで申し込みを完了させて、1日くらいだろうか。
「アナタの行き先キマッタヨ。」とメールが届いた。
「奄美大島」
うん。行ったことない。
〜出発前日
ねぐせは初めての奄美大島に胸躍らせながら、旅の前日まで入念なリサーチを重ねた。
冬の時期はクジラに遭遇できる可能性が高いこと・ガイドさんの同行がないと入れない自然豊かな場所があること・マングローブ林をカヌーで散策できること・海ではウミガメの産卵が見られること。
どれもねぐせの地元では体験できない魅力的なものばかりだ。
しかし、どれも予約には至らなかった。
めんどくさくなった?ピンとこなかった?
真相は無意識の中。意識の上ではわからない。
ふと思い出す。
ねぐせ「好きな人ってどうやって見つけるんですか?」
先輩「直感。」
そんなやりとり。
ああ、これが直感ってやつかー。
予約に至らなかった真相を、無意識の直感に押し付けてモヤモヤを回避。
しばらくモヤモヤを無意識に預けることにした。
前日になって思い浮かぶ。
今までの旅で印象に残っていることは、予約して体験したことよりも、
偶然の出会いや発見、人とのやりとりではないか。
そうか。それを求めてたんだな自分は。
やるな無意識。おまえはそれをわかっていて予約させなかったんだな。
「すげえ。おまえ天才かよ。」
無意識へ賞賛を送って、その方向で旅を進めることに決めた。
色々と調べてみた中、結果的に役に立ったのは当日の天候と移動手段だけだった。
天候は申し分ない(晴れ/17℃-23℃)。
移動手段も確保した。
「目的と行き先は現地調達しよ。」
出発の日
旅の荷物は最小限に抑えたい派だ。
とりあえず現地20℃もあるなら、特別な防寒対策はなにもいらないだろう。
むしろ半袖に短パン、ビーサンが必要だ。
「伊丹空港に着いたら着替えよう。」
JGC修行の賜物、サクララウンジでお着替え。
2月の大阪。まだまだ気温は一桁台。
20代の男性がふざけた格好でラウンジを去っていく姿に、ラウンジ嬢たちは何を感じたのだろうか。
搭乗口まで道すがら。
ビーチスタイルで闊歩する旅行気分全開のねぐせに、周囲の視線や後ろ指は届かない。
それどころか防寒着を着込んだ民々に優越感すら覚える。
「やれやれ。TPOをわきまえた服装って習わなかったのかなあ。みんな仕方ないなあ。」※ここは2月の大阪伊丹です。
真冬の空港を歩くビーチスタイルのねぐせは、空港の皆々様のお目汚しにしかならない。
優先搭乗という名のもと、ねぐせは早々に飛行機の中へ隔離された。
出発
飛行機の座席につき、足を組み、さっき買った観光本を開く。
今回の旅は偶然の出会いや発見に委ねたはずだが…
「準備は抜かりなく。」
もう1人のねぐせに向かわされた空港の書店で購入した観光ガイド。
「意識と無意識をバランスよく満たせる旅にしたい。」
ねぐせはそう考えたわけだ。
それに飛行時間は約2時間ある。
予習には十分な時間だ。
「別に今回行かなくても、知っておいても損はないしね。」
それらしい落とし所を見つけて、ねぐせは大阪伊丹から奄美大島へ向かう機内で観光ガイドを広げて眠りについた。
つづく…
次回の約束「2023/3/8までに次の記事を投稿する。」