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読了:『パリの国連で夢を食う』 川内有緒


1年半も本屋で働いていると、

並んでる本の表紙の色とか、ちょっとした違和感で、

「あれ、ここの棚、新刊が入ったか、もしくはフェアか」みたいに

言われていなくても察することがあります。


そして今回美術のコーナーで一際目を引いたのが、

川内有緒(かわうちありお)さんの

『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』でした。


大変失礼ながら全く存じ上げない著者さんだったので、

気になり調べてみることに。

そしたら過去の本たちも面白そうなことが分かったんです。


そしたら話は早い!

いつものように図書館の在庫調べ。

新刊は予約している方が多くてまだまだ読めそうにないのですが、

既刊は取り寄せて借りることができました。


それがこちら。


『パリの国連で夢を食う』 川内有緒


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ニットのパープルが表紙と同じだったのでいつもと違うアングル。


どんな内容なのかも知らないまま、タイトルからして面白そうと思いました。



著者自身がパリの国連で働くことになった経緯から、

色んな人種の人達と働きながら日々起こる笑いあり涙ありの出来事。


頭上を飛び交う言葉のミサイル、L字ウォーズ。

”良い椅子”の取り合い合戦や、

食堂がクラブと化して繰り広げられるパーティー。


私生活ではスクワットと呼ばれる不法占拠の建物に出向いたり、

欲しくもなかったのに手に入れてしまった車(笑)で

フランス国中を旅してみたり。


海外で一人暮らしをしたことがある私にとっては、

「あーーーーー分かる!!」みたいなことばかりで終始笑っていました。


日本の当たり前が全く当たり前じゃないし、

そもそも話す言葉の違う国で銀行の口座開設したり、アパート契約ってめちゃくちゃにハード。


パリでは外交ナンバープレートの車は速度違反で捕まらないのは知らなかった!(今はどうなのかしら?)

私がいたところでは外交ナンバーの認知度が低く、

注意して見逃す警察と、ばりばりチケットを切る警察とで

対応が全然違っててあまりにも自由すぎたけれど。


話の中で、勇気を出して何年振りかの運転のシーンで

思い出したくない過去を思い出してしまった、、(笑)


アメリカで働き始めてちょうど1週間、

夜のダウンタウンなら車が少なくて練習にはもってこい!と思って走っていたら、

「HEY!! THIS IS ONE WAY!!(ここは一方通行だよ)」と怒鳴られ

逆走していることに気づいたのです。


あとは、いつもと違う道で行ってみようと思い、

調べもせず運転していたら、気づかないうちに高速に乗ってしまい

抜け出せない最悪のドライブになったり、、。

(それから高速恐怖症で25分で行けるIKEAに1時間半かけて下道で行った)


今だから笑えるけど、鳥肌が立つほど怖かったな、、、(笑)

その後は著者同様、車が相棒のようになり、隣の州まで出掛けたりしていました。(まさかの片道7時間のドライブ)



著者が働きながら、悶々と将来のこと考えるシーン。

過去の自分ととても重なり、思い当たってばかりでした。


正直、本の内容については好みが分かれるかもしれないけど、

海外で珍事件にあった人とか、

旅行先でまさかのハプニングに見舞われた人とかには

ぜひ読んで欲しいです。笑


ちょっと懐かしくなりつつ、恋しくなりつつ、

「大変だったよなーでも頑張ってたなー」って、

ちょっと肩の荷を下ろせるような作品です。


私にとっては、有緒さんと過去の話をずっと駄弁ってるような、

そんな時間でした。


他の作品も予約してあるので、読むのが楽しみです。

読んでいただきありがとうございました。


今日のnegoto:「今日は良く書ける日です」

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