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散歩びより…原生の森公園

現生の森はどこ?

静岡県函南町の「現生の森公園」は箱根山麓のふもとにあります。駐車場やトイレが整備され、四季折々の木立の姿を楽しむことができます。工房の近くなので時々訪れ、緑の中を深呼吸しながら歩きます。


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先日行ったときは、桜も散り始めるほど暖かでしたが、平日のせいか人影もなくのんびりお弁当を食べました。草の上に寝転がると、ウグイスの声だけが聞こえていました。心ほどけて、天上の世界にでもいるようでした。


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原 生 林


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公園の奥にある原生林は、代々手入れされ守られてきた貴重な森林です。下流の町の田をうるおす水源涵養林として、大切に保護されてきました。現在は古木を守るため、原則として入山禁止となっています。(上下2枚は規制前の写真です)


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写真は樹齢500年というブナ(高さ16m、根回り11m)ですが、この木が誕生した1500年代と言えば安土桃山から戦国時代です。盛り上がった幹や根など、巨樹のただならぬ生命力に圧倒されました。


けれど、昭和63年に「日本一太いブナの木」という認定を受け、有名になりすぎました。大勢の見物客に根元を踏まれ他の要因も重なり、平成17年に枯れてしまいました。ブームには危ういところがあります。長く原生林を守ってきた人々の知恵と忍耐力に、改めて敬意を感じます。




ちょっとティータイム   「緑のダム」


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               (お茶となつかしの金平糖)


別名「森林のダム」ともいわれます。雨として降った水を森林とその土壌に溜め、その後水を徐々に放出します。この保水力がダムに例えられるのです。落葉樹による豊かな腐葉土の保水力が注目されます。けれど、研究者によると、針葉樹にも保水の効用はあるそうです。


問題なのは、近年は特に人工林(主に針葉樹)の手入れ不足であり、その結果として森林の土壌は荒廃し土砂の大量流失の恐れがあることだそうです。山深い地域では仕事が少なく若い人は残れず、人手も不足しがちでしょう。

そこで、国産の建築材の開発や間伐材の利用など、地域だけでなく多方面で森林を仕事に結びつける新たな取り組みが始まっています。       

人工のダムには豪雨などの被害を防ぐ役割があり、否定するものではありません。けれど、「緑のダム」に関心を寄せることも、私たちの国土を守ることに繋がっていくと思います。(私の場合は気に入った原木を購入していますが、結果的に国産材ばかりです。)




次回は「大藏のご先祖は木地師」です。


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