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散歩びより … MOA美術館

上は館内のメインロビーです。熱海らしい景色で、海の中ほどには初島があり右端の淡い島影は伊豆大島です。

MOAエムオーエー美術館  は、熱海市の私立美術館で昭和57年(1982年)に開館され、国宝や重要文化財などの充実したコレクションを誇ります。また、海を見下ろす広大な敷地は緑豊かで、観光スポットの一つにもなっています。




茶 の 庭 (日本庭園)

お昼が近かったので和食店のある茶の庭に向かいました。お蕎麦か定食かで迷いましたが、天丼は美味しくたっぷりでした。しっとりした日本庭園の中に、尾形光琳の復元された屋敷をはじめ移設された大門や茅葺の茶室などがあります。


                          光琳屋敷(庭から周囲を見学できます)

広い庭園をゆるゆる周ります。一度に多くの伝統建築を目にしていると、まるでタイムスリップしたかのような不思議で懐かしい気持ちになります。


              片桐門(豊臣家の重臣の宿舎の門、後に三井家に移築され再移築)

今回の展示を見るため、庭園から美術館に戻ります。



富嶽三十六景と東海道五十三次

      
5月13日(日)~7月18日(月)
      
展示替え/前期は6月16日まで、後期は6月17日から                                            開館時間:9時半~4時半 休館日:木曜日 

観覧料/一般 1600円、高校大学生 1000円、中学生以下 無料
                   

                           今回展示のリーフレットから抜粋

町人文化の花開いた江戸では、庶民の関心を主題とする浮世絵が目覚ましく発展しました。当初は遊女や歌舞伎役者など人物の描かれますが、庶民に遊山や旅行が流行り始めると風景画への関心が高まっていきます。
      
北斎の「富嶽三十六景」は1831年(天保2年)頃から発行され、広重の「東海道五十三次」は1833年(天保4年)に発行されました。浮世絵風景画のシリーズ物の双璧をなす作品群です。

展示リーフレットから抜粋要約

前期と後期に分かれ、一度に全部見られないのは少し残念でした。けれど、1603年に江戸幕府が開かれ200年余で、1868年の明治維新までは30年余の時代、庶民が旅を楽しめる平和な時代だったのでしょう。北斎にはのびやかな格好良さを、広重にはしんみりした情緒を感じました。富裕層ではない庶民がこんな素敵な絵が買えた時代があったとは、全く奇跡のようです。



賀茂競馬図屏風かもくらべうまずびょうぶ

第一展示室の入り口すぐにあり、この屏風をしばらく眺めました。上賀茂神社の神事である競馬と周りの人々を描いた屏風です。柵に乗る気ままな見物人や疾走する馬、また立派な建物と中でくつろぐ公家たち、皆それぞれに表情豊かで楽しそうです。

屏風は江戸期くらいまで、見る方向が違うと絵も違って見えてきます。絵がわずかに折れているのを活かしたトリックみたいです。正面だけではなく、屏風の右はしから左はしへと歩き回って見比べていると、目前ではない屏風の絵まで重層的に感じられてきます。


黄金の茶室や能楽堂も併設しています。                                     MOA美術館        〒413-8511 静岡県熱海市桃山町26-2



              帰りは峠のカフェで一服

気の滅入るニュースが多いのに更なる病も出現か、メンタルが参りそう。けれど、じっと美術品を見ていると面白く、あぁ生きてて良かったなんて思います。世の中を変える権力はなくても、粗末な身なりをした絵の中の庶民はたくましくしぶとく笑って生きています。それでいいのだ。(byバカボン)


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