散歩びより … 柿田川湧水群
柿田川湧水群は、大型車がひっきりなしに行きかう静岡県清水市の国道1号線沿いにあります。公園になっていて、第一展望台と第二展望台から水の湧き出している様を見ることができます。神秘的な湧き水です。
展 望 台
とびらの写真は第一展望台から見た風景で、さざ波は下から多数の湧き水により起こされています。水底には砂の円が幾重にも描かれていますが、その中心から水が湧き出しています。
柿田川湧水群の源は、富士山に降った雨や雪です。全てが湧き水でその量一日約120トン、天然記念物に指定されています。長さは1.2㎞で狩野川に合流し駿河湾に注いでいます。〈財団法人 柿田川みどりのトラスト〉説明看板より抜粋
火山がもたらす柿田川の湧水 伊豆半島ジオパークの説明看板より
第二展望台から見ると、井戸が掘られています。かつては紡績工場の井戸として利用されていたそうです。
井戸に陽があたると、水の青味が明るくなり小さな魚影も見えます。
泉 頭(いずみがしら) 城
柿田川といえば湧水で、お城についてはつい最近知りました。水の湧く複雑な地形を利用して、戦国時代にはここに城が築かれていたそうです。
戦国時代(15~16世紀)ここには泉頭城という城郭が築かれていました。南北600m、東西320mあり、伊豆を守る国境の城としての役目を果たしていました。城主は小田原北条氏。 1615年徳川家康は風光明媚な泉頭城が気に入り、老後を過ごすため家臣に隠居所の造営を命じました。が、翌年には急きょ中止されました。 〈泉頭城 清水町 〉説明看板より抜粋
今ではお城をしのばせる遺構はほとんど残っていません。もし家康の隠居所が実現していたら、あたりの風景はかなり違っていたのかもしれません。
けれども、時代が変わっても、湧き水は豊かで清らかな流れです。貴重な動植物もあり、水中に小さな白い花をつけるミシマ梅花藻(バイカモ)には驚かされます。世の出来事に右往左往しがちですが、圧倒される自然に出会うと、謙虚さと落ち着きが取り戻せるような気がします。
◎次回は「料理は発見 … 漬けるだけの調味料」。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?