続 木地作り … 工 房
今回は材木店から届いた後の作業です。
小 割
原木から必要な部材をどのように取るかを決めるのは、木取り作業です。工房では、小割の作業をします。下の画像は、ぶん回し(コンパス)を当てどうとるか検討しています。左の半円形の金属は丸鋸で、木材を高速回転でカットします。
材木が届いたら、そのままにしておくと木にヒビや割れなどが入ってしまうので、まずは手早く大体の大きさにカットしてしまいます。それから、荒挽き、乾燥、仕上げの手順です。
木は有機物なので神経を使います。 乾燥が足りないと、後でクルウ(変形)こともあるので注意します。 作る大きさや厚みでかなり異なるのですが、この期間が半年から数年です。
ロクロ挽き
木地になるまでに、2回ろくろ挽きをします。荒挽きでは木は柔らかく水分が飛ぶほどですが、仕上げの時には木は固くなっておりデリケートな作業が要求されます。
カンナづくり
挽くのは棒状で先端に刃のあるカンナという道具ですが、 自分でハイスという鋼材を加工し刃を着けます。炉でコークスを燃やし炎の色(=温度)を見ながら、トンチン.トンチンと鋼を打ち、まるで山の鍛冶屋のようです。
木地を作るだけでそれなりの労力が要りますが、昔の人に比べればずいぶん楽な仕事です。父の代までは、山に入って木を伐採することから始めていました。しかもほぼ人力で… 今 工房の壁にその当時の道具や手斧などが勢ぞろいしています。(最上部の写真はその一部で、幻の曲がり与岐もあります。)
これから漆塗りの作業が始まるのですが、書く材料が無くなりそうなので、そちらはしばし後で。