誤情報に騙されないために
交渉の場に限りませんが、現代人は本当に多くの情報を目にしています。
特にSNSでは、短くセンセーショナルな投稿が次から次へと出てきます。
自分自身がSNS上で衝撃的な情報を目にしたとき、それを安易に信じたり拡散したりしないように、自分に問いかける適切な言葉を持つことはとても大事です。
これは、「交渉戦略」にも通じること。
なぜなら、「戦略」を立てるときは、そのベースとなる「情報の正確さ」が命と言っても良いからです。
ここでは、わかりやすく、SNSなど氾濫する情報に騙されないための方法について考察していきましょう。キーワードは『一次情報』です。
「それが一次情報であるかどうか」を確認するのは、情報に騙されないための非常に有効な方法です。
一次情報とは、情報が直接得られた実体験や最初の出典であり、他者の解釈や加工を経ていないものを指します。これを確認することで、情報の信頼性を高めることができます。
ちなみに二次情報とは、一次情報を得た人や機関から得た情報です。一次情報源の信頼性が鍵になります。
また、三次情報とは、『単なる噂』です。絶対に関わるべきではないです。
一次情報を検証する方法
情報源の確認:
投稿者が信頼できる人物や団体であるかを確認する。
情報が公式な機関、政府、研究者、または直接の目撃者によるものであるかを見極める。
リンクや出典の確認:
情報が引用や参照している場合、その出典をたどる。
オリジナルの出典(一次情報)にアクセスし、その内容を確認する。
画像や動画の検証:
投稿されている画像や動画が編集されていないか、または以前の出来事を使い回していないかを調べる。
画像検索や動画分析ツールを使うと、元の出典や使用歴を確認できる。
クロスチェック:
例え公式な機関や団体からの情報であっても、同じ情報が他の信頼できるニュースメディアや公式ソースでも報じられているかを確認する。
一次情報が複数の独立したソースで一致する場合、信頼性が高まる。
もう少し噛み砕いた言い方で、「自分にかける言葉」をPick upしてみましょう。
例えば以下のような言葉やフレーズを自分自身に投げかけることで、冷静な判断がしやすくなるのではないでしょうか。
1. 「これは本当に正しい情報だろうか?」
情報の真偽にまず目を向ける基本的な問いです。
衝撃的な情報ほど「疑うべき理由」を意識するきっかけになります。
2. 「この情報の出典は何だろう?一次情報にアクセスできる?」
情報が一次情報であるかどうか、これが交渉における情報収集で最も重要なポイントです。SNSなどの情報でも同様です。その出どころを確認することは、信頼性を見極めるための最初のステップです。
3. 「この発信者や情報源には何か意図があるのでは?」
さて、その情報には特定の意図や目的があるかもしれません。発信者がどういう人物なのか(極端に右か左か、特定の団体に属するかなど)、過去にどのような情報発信をしているのか。かなり偏った、または嘘をついてまで意図的に発信している可能性を考え、冷静に受け止めます。
4. 「この情報を信じることで、私は感情的に動かされていないか?」
怒りや恐怖、不安を引き起こす情報は、感情的になりやすいため慎重に扱うべきです。
感情的に動かされる情報ほど、「冷静になろう」と一呼吸置くのが効果的です。
5. 「この情報を他の信頼できる情報源でも確認できる?」
「公式なニュースや専門家の意見をチェックしてみよう」と自分に促します。でも、大量の情報が流れてくる中で、いちいちチェックするのは面倒ですよね。さっさとリツイートして次に行きたい。しかし、同じテーマの投稿を20も30も眺めるのであれば、その間に、その情報を検証するのはいかがでしょう?
6. 「この情報をリツイートしたり人に話したら、どんな影響を与えるだろう?」
誤情報だったら、相手へも影響を与えますし、何よりあなた自身が信用性の低い情報源になります。
7. 「情報が正しいとしても、今すぐ共有する必要があるのか?」
緊急性を感じるときほど、「本当に今この瞬間に拡散する必要があるのか」を考えることで冷静になれます。
8. 「反対の意見や視点はないだろうか?」
自分が得た情報と異なる視点を探し、バランスを取る意識を持つことが大切です。
9. 「この情報に似た話が過去にも広まったことはないだろうか?」
過去の事例を思い出し、類似する誤情報やデマの可能性を考えます。
さて、これら全てを逐一考えてる時間などない、と思うのが普通でしょう。
ならば、そのSNSはスルーすべきです。
仕事なら、交渉の準備段階で情報を検証するなら、しっかり調べるべきですよね。
誤情報に振り回されないことで自分がどれだけ得をするか、そう思います。