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誰でも使える交渉術!

今回は3D Negotiationについて見てみましょう。
どこかで聞いたことがあるでしょうか?
これは、ハーバード・ネゴシエーション・プロジェクト(Harvard Negotiation Project)から出てきたものであり、交渉理論の発展に大きく貢献してきました。
さて、中身をざっと整理すると次のようなことです。
3Dですから、交渉は3つの次元で構成されています。

第一の次元:戦術(Tactics)

  • ここでは、交渉の場で直接使うテクニックや戦術に焦点を当てます。交渉の場でのコミュニケーション、質問の仕方、提案の仕方、説得の方法などが含まれます。

  • 例えば、相手の関心事を引き出す質問をしたり、利益を最大化するための提案を行ったりすることが、戦術の一部です。

  • これは、従来の交渉術で最も重視されてきた部分ですが、3-D交渉ではこれにとどまりません。

第二の次元:取引のデザイン(Deal Design)

  • 交渉の条件や構造そのものを設計することに焦点を当てます。これは、単に価格や数量を交渉するのではなく、双方が利益を得られる取引の方法を創り出すことを目指しています。

  • 取引のオプションを増やす、双方の利害関係を一致させる新たな方法を探るなど、クリエイティブな解決策を考えることが重要です。

  • ここでは、交渉をゼロサムゲームとして捉えるのではなく、価値を創造し、双方が満足できるような取引のフレームワークを考えます。

第三の次元:設計(Setup)

  • 交渉の環境や枠組みを設定することに焦点を当てます。これは、交渉が始まる前の段階で行われる重要な準備です。

  • 誰が交渉に関与するのか、交渉のタイミングや場所、議題の設定など、交渉そのものの前提条件を有利に設計することが含まれます。

  • たとえば、交渉の相手を変更する、利害関係者を増やす、交渉の目的や目標を再定義するなど、交渉の枠組みそのものを操作することで、より有利な条件を引き出すことを目指します。

交渉を成功させるためには、これら3つの次元を統合的に活用することが重要だと強調しています。特に、多くの交渉者が第1次元(戦術)にばかり注目しがちですが、真の成功を収めるためには、第2次元(取引のデザイン)と第3次元(設計)を積極的に活用することが必要だとしています。

実践例

  • Setupの段階で、交渉に関わる関係者を適切に選定し、適切な環境を整えることで、交渉の結果に大きな影響を与えます。

  • Deal Designでは、単に相手との妥協点を探るのではなく、双方が「勝者」となれるようなクリエイティブな解決策を考案します。

  • Tacticsでは、交渉の場での効果的なコミュニケーションや説得技術を駆使して、設計された戦略を実行に移します。

3-D交渉は、従来の交渉術を超えて、戦略的な全体像を把握し、長期的な成功を目指すための有力なフレームワークとされています。ただ、これが発祥なのかはよくわかりませんが、今では既に「交渉の常識」と言っても良いでしょう。「交渉は準備が9割」とも言われますが、調査し、構造的に準備することで有益な交渉結果を目指すことは今では当たり前のことですね。

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