なぜ、ランサーズが「地方DX」で日本をアップデートしようとするのか?
こんにちは、根岸です。
2021年4月に発表した「地方中小企業のDX化支援プロジェクト」。あれから1年が経過しました。
その中で、実際に支援させてもらった地方中小企業は、売上アップ、作業時間削減など、様々な成果が出ています。(以下事例一部)
このnoteでは、
・改めて、2021年(昨年)何をしてきたのか?
・その結果どうだったのか?
・2022年(今年)どうしていくのか?
・そもそもなぜランサーズが取り組んでいるのか?
についてまとめます。
①地方×DXプロジェクトとは
このプロジェクトの目的は以下だ。
事業構造を再構築し、中小企業の売上アップを実現したロールモデルを生み出す
事例を包み隠さず展開し、全国各地の中小企業に広めていく
地域企業の業績が向上し、仕事があふれ、個人・フリーランスへの依頼が増え、さらに地域企業が元気になる。という循環モデルを作る
具体的な取り組みは以下だ。
対象は地方中小企業(3社のみ)に、100日間がっつり並走。
新しいやり方での事業再構築計画づくり。および実行。
実行のための、新しいやり方での組織・チーム体制づくり
2021年4月のプロジェクト発表後、説明会や企業との面談を経て、6月後半から本格稼働した。長期的な目標に、新しいドアを開けるチャレンジ。
①2021年、何をやってきたのか?(時系列で)
スタートの3社(厳密には、2社、1行政)は以下だ。
・株式会社キャビア王国(宮崎県)
・株式会社VILLAGEINC(静岡県)
・高森町(熊本県)
▼2021年6月下旬(キックオフ)
3社合同で、KICKOFF合宿を開催。事業課題の洗い出し、目標の明確化、方針の策定をまる2日間かけて議論した。
▼7月~8月中旬(プランニング)
週次のオンライン定例会議を実施。TODOを明確にし、それぞれ対策をとりながら進めた。
また、現地にも訪問した。地域には地域ならではの特性があるし、その企業にはその企業の従業員がいる。どれだけ美しい事業再構築プランになったとしても、実行できなければ絵に描いた餅。現場のリアルを分からずにプランしないため、現場の実態を知った上で、プランをアップデートするためだ。
▼8月後半~9月(制作・体制構築などの施策実行準備)
プランが固まり、あとは実行・検証フェーズへ。
・営業の方法を変える
・事務作業のやり方を変える
・新商品を開発する
・クラファンを活用して資金調達する
・業務が効率的にまわる体制を構築する
など、各社によって内容は様々だが、このような準備を行った。
例えば、キャビア王国の体制は以下に変更した(黄色がフリーランス)
②2021年、結果は?
キャビア王国
・売上が5倍に。
・経営者の作業を50%削減
VILLAGEINC
・観光閑散期の売上が2倍に。
・マーケティング手法を改良、商品を開発。
高森町
・町全体の農家市場を15%拡大へ
・地域住民のITリテラシー向上施策
いずれも、売上の拡大を実現、もしくは、売上拡大の目途が立った。
ちなみに、キャビア王国は事業好調につき、品薄になるほどに。
商品は「平家キャビア」です。
③2022年、何をやっていくのか?
中小企業の経営者、一緒にプロジェクトを手掛けたフリーランスチームの尽力によって、ロールモデルは誕生した。今後は、この事例を、九州・沖縄エリアを筆頭に全国に広めていく。
それに伴い、実行できる精鋭DXディレクター陣が集まった。全国100名以上の中から選ばれた6名だ。
すでに数社動き始めており、結果も出始めている。その一つが和菓子屋のDX(事業構造改革)で、オンラインでの商品販売は8倍になった。
この選抜DXディレクターへの相談は以下から可能だ。
また、展開拡大を促進するための、新たなロールモデルづくりも着手しており、そのひとつが、福岡市の離島DXである。福岡市実証実験フルサポート事業として、能古島の方々ともに、離島DXを始めます。
西日本新聞にも大きくとりあげていただきました。
④そもそもなぜランサーズが取り組んでいるのか?
オンラインでの仕事マッチングプラットフォームであるランサーズが、なぜ、地方中小企業のDX支援を、現地に足を運びながらやっているのか?
はっきり言っちゃおう。この取り組みは、短期的なランサーズの事業成長に一切、ぜんぜん、まったく、ちょびっとも、影響はない。来月、再来月の事業だけをみたら、取り組む必要はない。
でも、それでもやる。なぜか?
もっと広範囲で、
・新しい働き方
・新しい事業の作り方
・新しい組織の作り方
を広め「新しい」ではなく「アタリマエ」にしていくためだ。
特に地方では、
・人がいない→諦める
・時間が足りない→諦める
・時代についていけない→諦める
という事象が多発している。
でも、大切なサービス・商品を通して事業を伸ばしたいと、そのためには今までと違った取り組みをせねば、と地方企業の経営者は心から思っている。
ただ、多くの場合「でも、やれる方法がない」と誤解している。
では、「ランサーズがあるよ」と宣伝し、認知を獲得すればいいのか?TVCMをやったり、Web広告をやったり。そのほうが一気に拡大しやすいんじゃないの?
全く違う。と考えている。むしろ害かもしれないとさえ思う。
というのも、
そもそも外注する前に、
・何が事業の本当の課題で、
・だから何を整理しないといけなくて、
・その上で、どういう人に、どのような形で依頼して、
・どのように、適切に推進していき、
・実施した施策を、適切に検証し、次につなげることで業績アップさせる
を行って、はじめて、
ランサーズの活用(新しい働き方、事業の進め方、組織の作り方)ができる。
そういったサイクルというか仕組みをしっかりと浸透させないと、
・人がいた→やってみる→うまくいかない→諦める
・時間が足りない→→誰かに依頼→うまくいかない→諦める
・時代についていけない→でもやってみる→うまくいかない→諦める
という形で、間に行動をはさむだけで、「やっぱ、ムリだよ」と結局 ”諦める” に着地してしまいかねない。
だからこそ、本当の意味で、長期的にスケールさせるには、
地道に、丁寧に、着実に、じわじわと広げていくほうがいい。
ブームではなく、カルチャーにしないといけない。
カルチャー(アタリマエ)になれば、
・地方の企業が、新しいやり方で事業を成長させることができ、
・事業が伸びたら、やるべき仕事が増え、
・その仕事を、全国のプロフリーランスから適材に依頼し、
・また、さらに事業を伸ばす
になっていく。じわじわと自然と。
ランサーズの利用は、結果的に促進されるかもしれないが、
地域の企業が新しいカタチで成長することこそ、
もっと広範囲で、
・新しい働き方
・新しい事業の作り方
・新しい組織の作り方
を広め「新しい」ではなく「アタリマエ」にしていく。
このプロジェクトを通じて、地方企業の売上がアップし、仕事が増えて、個人の機会が拡大する。そんな循環を目指しています。
それによって「諦め」が「希望」や「可能性」に変わることを願って。
今年2022年も、いろんなところに足を運びます。