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『In Stars and Time』のプレイ感想


簡単な導入

皆さん、買いましょう。

 とまあ絶賛できる一作という事を伝えた上で、ループものに関する僕の想いを少し。
 そもそも僕は時間に関わるテーマが大好きです。シュタゲとかね。ループもののゲームも大好きで、『Twelve Minutes』や『Outer Wilds』はとても面白くプレイできました。特に後者は僕の大大大好きなゲームなので、もし未プレイの方はネタバレを踏む前に早く遊んでください。

 そして本記事の主役である『In Stars And Time』(ISATアイサットと略すようです)も例にもれず凄いループもののゲームでした。しかも本作品がRPGツクール製だと言うのでより驚きが…。凄すぎる…。
 よくあるRPGの旅の終わり、ラスボスに挑む前日と当日を何度もループしてしまう主人公シフランの物語です。

 『UNDERTALE』『OMORI』が好きな人には刺さる作品だと思います。これは他の感想記事を書いてる方も言ってましたね。つまり脈々と受け継がれる"MOTHER節"が本作にもあるという事です。MOTHERが偉大すぎる。

感想戦(ネタバレ度-小-)

 もし未プレイの人がここを踏んでしまった時用のワンクッションです。
 キャラクターの造形は言わずもがな、機微が綺麗に描写されており素晴らしいの言葉に尽きます。
 シフランがループ毎に疲弊していく様子も痛々しいほどに描かれており、まさにタイムループ時の精神のすり減りを体験できるゲームと言えましょう。
 そして王を倒した後の侍祭長との会話。あそこの"世界そのものが壊れ始める感"がたまらなく怖くて好きでした。ああいうゲームだからこそ感じられる怖さに名前ってついていないんですかね。ゲームのバグとか、AIに意思があるように見えた時とか、そういう時に感じるやつ。もし知ってる方居たら教えてください。

感想戦(ネタバレ度-中-)

 中とは書いてますがほぼここで話します。一番最後に戦う相手の話以外は全部話します。
 というのも、僕の一番最初のクリアは実績を半分くらいしか達成しておらず、ループとの会話も十分にできていませんでした。


かなり重要な実績(17%しか達成していない?????)

 なので辿り着いたのはノーマルエンドです。トゥルーエンドの話はネタバレ度-大-でやります。

 ゲーム中、ループのトリガーについてずっと考えてましたが、それらしい答えに辿り着いたのは結局Act4の終わり頃でした。案外鈍いもので…。
 少しずつ壊れていくシフランを見てるのもかなりつらかったですが、Act5の本当にぶっ壊れてしまった彼(彼女)はより辛かったです。
 本当にこのゲーム、ループを繰り返す側のもどかしさを上手に表現していて、その顕著な例が"スキップできない"という仕様なんですよね。仲良しイベントもそうですが、何をするにしても早送りしかできないので、繰り返すうちにその時間さえ鬱陶しく感じて来る。
 プレイヤーですら億劫に感じているのだから、シフランはよりそう感じている。そう分かっているからこそ、Act5の皆と仲違いしてしまうシーンは心に重く沈んでくるものがありました。
 むしろここまで繰り返させてしまった罪悪感すら感じてしまい、作り込みの深さに驚くばかりです。

 んで最後の方まで行き、シフランが暴走してしまうシーン。
 画面の視点から、シフランが大きくなってしまったと分かるの、構造が美しすぎますね。


巨大化&暴走してしまったシフラン目線

 皆の表情もただの恐怖ではなく、心配が強く出ている表情であり、プレイ中は何とも言えない感情でした。今までのシフランを見ていたら安易に「落ち着け」とも声をかけられないし、かと言って放ってもおけない。
 ここで選べる選択肢が仲間を攻撃するか自分を攻撃するだけの二択なのも、「どうすればいいんだ…」と悩ませてくれる良い演出でした。

 最後の皆で落ちるシーンも美しかったです。さっきまで見えていた赤という要素から解き放たれて、いつもの白と黒の世界をめいっぱいに見せてくれる良い演出でした。
 この辺からもう涙ボロボロとこぼれていました…。

 本当に良いゲームだった…!
 まだ実績を全部回収できてないから、達成しつつこのゲームを噛みしめよう。そう思ってゲームを再開したら…。

!??!???!??!!!??!

 びっくりした…。そして誰ぇ…誰が僕に話しかけてるのぉ…。
 というわけでまだ僕のISATお楽しみ時間は続くのであった。

感想戦(ネタバレ度-大-)

 もったいぶってましたが、つまるところ最後の戦いに関する感想です。
 つまりループ戦っすね!

 ループの正体にはなんとなく気づいてました。と言っても、「なんらかの影響で二つに分かれてしまったシフラン」くらいにしか考えておらず、まさか"前の"シフランだとは。
 そりゃこのバトルも納得がいくというもの…辛すぎる…。

 しかし作中でも言っていましたが、今のシフランがループを抜け出せたのは、間違いなくループが助けてくれたからです。
 多くのループもの作品では、やっぱりループに陥ってるキャラは孤独なんですよね。その中でもループに理解を示してくれるキャラに救いを見出すわけで。
 実際僕の愛してやまない『Outer Wilds』(ここちょっとだけOuter Wildsのネタバレあり)でも主人公は基本孤独でしたが、同じく時間を繰り返しているGabbroの存在を頼もしく思ったものです。あとループを越えて記録をし続けてくれる宇宙船君にも愛着が。

 そうしたループものの中でも重要な要素である理解者。その張本人であり、毎ループお世話になったループには感謝してもしきれません。

やっぱり同じ人物なんだなと思わせてくれる一枚

 はぁ…。マジで、マジでループも入れたみんなのパーティで冒険して欲しすぎる…。外伝で出して…。あとボニーのお姉さんも仲間に入れよう!

締め

 In Stars And Time。本当に良いゲームでした。間違いなくシフラン曇らせ委員会の会長が作ってるゲームでした。これがツクール製だとは…勇気を貰えますねぇ!
 素敵なゲーム体験と物語をありがとう…!こういうゲームにもっと出会いたいな~!

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