ゲーム会社で未経験デザイナーを採用してみたときの失敗例と成功例
突然右の鼻からだけ鼻水が止まらないゲーム好きなおっちゃん、ねじおです。
さて、マガジンの数を見ていたら中途採用記事が少ないことに気付いたので、未経験採用について書いてみます。
ゲーム業界の中途採用やフリーランス採用はほぼほぼ経験者のみ、即戦力採用となっています。
これはゲーム制作がどうしても専門職による分業制およびチーム制をとっていることと、
新卒採用を行っている会社はそこで未経験者を採用しているので、中途採用でも未経験者層を確保する必要が無いことが大きな理由かなと思います。
(あとは根本的にバタバタしているので新卒以外を教えている余裕が無いなんてこともありますが…)
そんな業界の風潮なんて、あんまり気にしないねじおは、
ゲーム業界初めての人を結構採用しています。
そんな未経験者さんを採用した際の成功と失敗の事例を企業側目線でご紹介します。
※あくまでねじおの事例かつその方の事例なので、
その経歴の方やその職種を否定する内容ではありません。予めご了承ください。
●失敗例
▲イメージ画像(髪の毛もじゃもじゃ)
採用した人:30代男性
前職:漫画家アシスタント
使用可能ツール:Photoshop(画像加工ソフト)、CLIP STUDIO(デザインソフト)、Blender(3Dモデリングソフト)
採用ポイント:ねじお初の漫画業界からの採用。すっごい細かい背景物を3DCGで制作されていたので根気とチマチマした作業は得意そうと思って評価しました。
マンガの背景を3Dで作られていたのですが、ビルや神社などの建物とか、タイルとかメカに目が行きました。
▲イメージ画像
とりあえず業界のやり方にも慣れて貰おうと考えて、3カ月ほど新卒の子と一緒に研修がてら、3Dのキャラクターを作ってもらうことにしましたが、
早々に問題発生。
女の子のキャラクターを作ってもらったところ、絶望的に可愛くない。
そもそもまるっとしてない、ふわふわ感が無い、何かカクカクしてる(笑)
そう、彼は人工物やメカは得意だが、
人体(特に女性のライン)は非常に苦手な方でした。
それなら背景や建物専門でやってもらおうとしたところ、
漫画出身なので、色彩学やデザインにあまり知見が無く、いわゆるテクスチャー書き込み(要は色塗り)がとても苦手でした。
頑張って半年ほど様子を見ながら勉強してもらいましたが、
ずっと白黒の世界で生きてきた反動なのか本人のこだわりなのか、なかなか成長の兆しが見えず。申し訳ないですが試用期間で契約終了とさせていただきました。
最後は本人も、「漫画に戻りたい」となっていたので、
お互いミスマッチな結果に…。覚悟はしてましたが(つよがり)
●成功例
▲イメージ画像(事務員)
採用した人:20代女性
前職:営業事務
使用可能ツール:Photoshop(画像加工ソフト)、CLIP STUDIO(デザインソフト)、SAI(デザインソフト)
採用ポイント:事務員をしながら、クラウド系のお仕事サイトでイラスト制作をしていた方でした。
積極的に企業コンペにも応募をしていて、コンペ採用にならずともポートフォリオに丁寧に提出した資料などを会社に許可を取って載せていた姿勢と、ちゃんとイラストに背景を書いていて、それにセンスを感じたので。
▲イメージ画像
何をしてみたい?と聞いてみたところ、
将来的にはコンセプトアートかキャラクターデザインをやってみたいとのことだったので、新規のスマホ向けソーシャルゲーム開発プロジェクトにいきなり入ってもらい、ゲーム内の小物や洋服のデザインを考えて貰うことに。
現場で、上司やディレクターの見る目線、考え方を学んでもらうことが一番いいかなと考えました。
ここで彼女の事務職としてのキャリアが発揮され、
言われたことをしっかりメモして復習し、自分で調べて次に生かす、報告・相談をしっかりする、ということを実務で実践してくれたので、
日に日に修正やミスが減っていき、半年もすれば背景アートの修正や初期の案出しを頼めるように成長。
入社から数年経った現在は、念願のコンセプトアート担当として、主に背景やステージのデザインを任されています。
●まとめ
ゲーム業界でのデザイナー職はデザインソフトを使うこともあり、
まったく何も知らない方を採用することはできません。
どちらの事例も、ゲーム業界未経験とはいえ、デザインソフトが使えたり、自分の努力で近しい仕事をしていたりしていた方です。
上記の通り、未経験でも努力をして一定のクオリティラインを超えた作品が作れる方についてはチャンスはありますし、個人的には応援したいと思っています。
未経験からゲーム業界に挑戦をする方に忘れてほしくないのは、
入社をすること、業界に入ることをゴールにしていると、その先が辛くなるので、やりたい事や自分のなりたい姿を忘れないようにしてほしいなぁ、と思います。
成功例の彼女なんかは、まさにそれです。
「いつか自分が一から考えたキャラクターやステージがゲームで動いたらいいなぁ」という夢に向かって努力をした結果なのだと思います。たぶん。
他業界からゲーム業界に来る方も多くいらっしゃいますし、新卒で入れなかった会社にリベンジで入りなおす方も居らっしゃいます。
結局はその方の努力や頑張りによる部分が大きいですが、見る人はちゃんと見てくれていますよ!ということはこの記事でお伝えしておきたいと思います。
是非、多くの方がゲーム業界・ゲーム会社の門を叩いていただけると嬉しく思います♪
ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。