총대と총대[총때]の話
총대という語彙
北朝鮮音楽の歌詞には時折「총대」という語彙が登場する。
YouTube等で投稿されている動画では漢字語の「銃隊」と和訳されている事が多いが、実は違うのでは?と私は考えている。
というのも、もしこれが漢字語ならば대が有声化して「チョンデ」のように発音されるはず(령도<領導>が「リョンド」になるのと同じ)だが、歌では明らかに濃音化して[총때]と発音されているからである。
……といいつつも、歌なので規範通りになるとは思えないし何とも言えないが。
辞書で語義を見てみる
ひとまず、いつもの『朝鮮語大辞典』で確認してみよう。
実はこの「총대」という単語、かなり同音異義語が多いのだ。
語義を見ていこう。
ちなみに、別の朝鮮語大辞典では총대は「銃대」と表記されているものもある。
さて、濃音化する方の총대にある金日成の言葉は『世紀とともに』23章 2. 革命家 金策 からの引用で、これは公式の日本語訳があるのでそれも掲載しておこう。
掲載したサイトは少し読み込みが遅いのでなかなか閲覧することができないだろうが、該当箇所を見ると明らかに총대を[총때]と発音している。
公式の訳文を採用するなら、총대[-때]は「銃」という意味(朝鮮語大辞典の語義③)になるが、金日成の言葉を①に持ってきている事を考えると、基本的な意味はやはり「武器や武力を一般にいう言葉」なのだろう。
ということで、총대[-때]は「銃隊」というよりももっと単純に「武器・武力」という訳にしたほうが合うのではないか?というちょっとした記事でした。
余談
ちなみに、南にも「총대」という言葉は存在している。もちろん총대も총대[-때]も両方。ただ、총대[-때]の方は北の辞書の②に近い、「銃床」という意味しかないようだ。
どちらかといえば基本的な意味は「銃床」や「銃そのもの」のことだが、北ではそれを「武器・武力全般」を指すように意味が拡大されているのだろうか?
あとがき(ふとしたつぶやきも兼ねて。)
そういえば拳銃が贈られている場面を朝鮮中央テレビかどこかで見たことがある。
この拳銃は「白頭山」といって、チェコの拳銃のコピー品なのだそうだ。
将校への贈答品として用いられることが多いらしく、実際、上の画像は祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利(と自称して)67年を記念した「白頭山」が共和国武力主要指揮メンバーに贈られたときのものである。(多分映像で見たのは朝鮮中央テレビの『偉大な領導 不敗の歴史』などの金正恩委員長のドキュメンタリー番組だろう。イマイチ覚えてないが。)
追記(2023/6/24)
1992年の『朝鮮語大辞典』で「총대」を調べてみたら、驚いたことに「歩銃やその銃床部分」の意味しかなかった。「武器全般」という意味は、割と最近にできたものなのだろうか?
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